Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。

美術/絵画 アーカイブ
all / 6pages

previous

 

 

 

 

 

 

ALL

next
[メインへ]
[ノーマークでした] [加山又造展] [大琳派展 その他余談] [大琳派展] [続・みるくメイド] [みるくメイド] [roppongi] [美術館巡り余談] [オルセー美術館展] [「美の壷」(+谷崎ネタ)] [資料集め ▶ 天使像(美術)+] [掘り出し物Tシャツ] [ロートレック] [谷崎潤一郎] [未レポートが貯まってます] [まとめてレポート#3] [まとめてレポート#2] [まとめてレポート] [いつか取り上げられるとは思っていましたが。] [ゴシックリヴァイヴァルの化身] [LVモノグラム=ゴシック+ジャポニズム?] [おたく] [待ちわびたカレンダー] [ミュシャづくし] [恐怖のポスター] [ミュシャフィギュア!] [ミュシャ展とエミール・ガレ展] [倒錯書籍] [シンクロニシティ] [レポートしなくちゃ] [Macの主治医] [今週も来週も] [Beheading] [やっぱりそんなことない] [群馬の森] [目白押し] [夢の美術館 印象派100選] [東山魁夷展。] [山口薫 展] [年末年始のすごしかた その3] [・゚・(ノД`)ヽ(゚д゚)ヨチヨチ] [癲 狂 院] [出来上がった後で] [ビアズリーのカレンダー、届きました。] [それと、カレンダー] [ラストバイブル∩レンブラント=エサウ] [レンブラントからの手紙] [レンブラント展] [ロートレック] [ゴシック(建築)] [夢の美術館 〜決定版! イタリア美術100選〜]

 
 オルセー美術館展2010||2010年5月26日-8月16日||国立新美術館

 なんとなく気にはなっていたものの西洋絵画はいままでに色々と見てきているので、あまり観る気はありませんでした。オルセーってたしか元々は印象派の絵画を蒐集した美術館だったと聞くし、それだたったら、モネ、ルノワール、マネ、セザンヌ…好きな画家ですが、ものすごく好きっていうほどでもないし…特に調べなかったのがいけませんでした。


 事の発端は、うちの親がこの展示会を観てきてからでした。この絵があの絵が良かったなどと感想をぼーっと聞いていたら、「モローのオルフェウスが良かった」なんて言うではありませんか!

 ええぇっ!? モロー?オルフェウスって、あの「首を竪琴にのせて俯くトラキアの娘」を描いたあの絵???

 展示リストを見せてもらったら、本当にある!!! あの絵がオルセー所蔵であることは知っていましたがまさか来るとは…思いもしませんでした。だって、モローなんて同時期の印象派の絵に隠れてしまうし、作風も決して万人受けするようなものでもないので、そうそう来るものではないと思っていました。

 
 神話ではトラキアの娘に八つ裂きにされたというオルフェウスなのですが、モローのこの絵に描かれているのは、まるでかつての恋人の首をいとおしく想い静かに抱く様な、とても八つ裂きにしたとは思えない、トラキアの娘の表情がそこにはあります。それと驚くほど精緻な衣服の描き込み。それがこの絵の気品高く感じさせる要因の一つでもあるように思えます。

 これだけでも個人的には観るべき展示会なのですが、リストをその後も見ていくと、見逃したヴィルヘルム・ハンマースホイの絵も1枚あるではありませんか! おまけにロートレックの「黒いボアの女」も!これは以前のロートレック展で見ていますが、やっぱり見たい。

 
 さっそくチケットを買ってきました。
8/16日までだっていうし、早めに観に行っておこうと思います。
ちょっと調べたらモローのミュージアムグッズもそこそこあるみたいです。…たのしみです。


 余談ですが、展示リストのモローの絵のタイトルが単に「オルフェウス」だけになっていました。画集や本で記載されているものはたいてい「オルフェウスの首を抱くトラキアの娘」だったのに…、このタイトルの長さ、「首を抱く」「トラキアの娘」という文が入っているからこそ、モローらしいファムファタルな絵画を想起させるタイトルなのになあ…。

† 23:15 | トラックバック | Topへ▲ †

加山又造展 | 2009年1月21日(水)~3月2日(月) 国立新美術館

 
 どうしても見たいと思っていた展示会、加山又造展。
見終えた直後の感想は、「見応えたっぷりの内容だった」でした。以前、東京国立近代美術館で琳派展や加山又造 + 所蔵作品展で、加山又造の絵を知って「わりと好みの画家」ではあったのですが、今回の展示会を見て、お気に入りの画家のひとりになりました。

 美術や絵画の専門的な知識はない素人ですが、個人的に或は「このブログ的」にお勧めの展示会です。琳派が好きな人ならもちろん、琳派も含めて日本画とか古くさいしあんまり.....なんて言う人にもお勧めです。今回は久しぶりに弟も一緒でした。デザイン関係は好きみたいだけど絵画は別に、という感じなのに、今回のは割とウケた様子でした。日本画とか古くさいし....なんて言う、ずばりそんな弟でしたので。でも見るまでは散々なことを言ってたなあ。「どうせ会場はじーさんとかばーさんばっかりなんだろ?」とか失礼な事を色々。たしかに日本画だからその傾向はあります。でもそれって若い人に日本画の偏見があるのだと思います。たとえば大和絵、雪舟などの水墨画などはともかく、近代でも伝統を受け継いだ横山大観、或は西洋のエッセンスを取り入れた東山魁夷でも、たしかにそう思われるふしもあるかもしれません。(個人的にはそうは思わないが) 

 しかし琳派、とりわけ加山又造の作品は、かなりデザイン的な絵画だと思います。特に加山又造のは、琳派をさらにモダンに押し進めたコンテンポラリーな琳派だと思います。そのことは公式サイト内に紹介されている作品からも窺えると思います。

 サイトには紹介されていませんが、七夕や天の川を題材にした作品などは印象的でした。たしかにそれまでの琳派のスタイルではあるのですが、画面構成やその題材が斬新でとても驚きました。幻想的で宇宙的というか....ある意味SF的というか、非日常的な空間が描かれている日本画、という感じ。表現という意味では水墨画も頭に思い浮かべるものとは違い、見る作品ひとつひとつに驚かされました。金屏風に黒い牡丹が描かれた「牡丹」は金と黒の強烈なコントラストの中に妖しく輝くようでしたし、「華と猫」は日本画には従来出てこなかった様な長毛種であるペルシャ猫が描かれた和む作品.......。また描かれる動物などが特に顕著だったと思うのですが、輪郭が美しい。狼、キリン、ゾウ、鳥、そして竜.....何と言うか輪郭だけは写実的というか各々の動物の躍動感を表しつつも美しさと併せ持たせる様な線を描くと言うか.........。


 もうひとつは何と言っても裸婦画です。レースを纏った裸婦画の一連のシリーズのひとつを以前見ているので、その素晴らしさは一応分かっているのですが、今回は四曲一隻の屏風など、非常に大きいサイズのものがいくつも展示されていて、その美しさとともに魔的な雰囲気が漂っていました。(....と思いたい) 前に見たのは屏風ではなくコンパクトなサイズに黒薔薇と白薔薇の模様のレースをそれぞれ纏った裸婦の絵が対になって飾られていたものでした。が、今回は屏風絵。裸婦画の屏風絵なんて斬新すぎます。しかも薔薇のレース模様だなんて。これらの絵は裸婦がレースを纏っているだけでなく残りの背景にもレース模様が敷き詰められています。黒薔薇の方は見やすいですが、白薔薇の方は光を照らす様に見ないと見えませんでした.......。(あんまりまじまじと見ていたら変態とか思われるしなあぁ.....。) この作品だけは個人的にはゴシック調と吹聴したいです。背景に鏤められた華麗なレース模様に流麗な輪郭による裸身との組み合わせが単なる裸婦画ではないもっと普遍的な美を表しているかのように思えます。


 ここで4年前と同じ様に再び引き合いに出してしまうのですが(Diary of a Madman: 谷崎潤一郎 [+] 癲 狂 院)、やはり文豪・谷崎潤一郎と重なる点があるように思えてしまいます。 谷崎は初期の作品では西洋のモダンさを取り入れたりしたものの、後期では「細雪」「春琴抄」に代表される様な日本の美を精緻な文章によって描いています。丸谷才一の解説に確か、谷崎は日本の美を回顧したのではなく美を追求し行き着くところが日本の美だった......と書かれていました。加山又造もまた画家人生の中でたどり着く先が日本の美だったのではないかと思うのです。例えばそれが前述のレースを纏った裸婦画だったり.......。谷崎の「陰影礼賛」でも西洋と日本のそれぞれ女性の美を比較した話が載っていましたっけ。
 そういうわけで新潮文庫の谷崎潤一郎の表紙カバーが加山又造によるものなのはうなずけます。
関係ないですが猫好きで猫を飼っていたっていうのもありますね。w

 
 それと公式サイトで初めて知った装飾品!!! 中でもアームレットはクリティカルヒット! 腕輪ですよ腕輪!!!  加山又造展 | みどころ(第章 生活の中に生きる「美」) 他にも装飾品では花びらのネックレスなども展示してありました。焼き物の器、きものなどもあり、琳派の画家と似たところがありますね。今回の展示作品を見ていると、本当に限界のない自由な美の世界があり、それを満喫出来たことが嬉しく思うとともに、それらがすべてひとりの人間によるものだと思うと、加山又造の素晴らしさ、凄さをまじまじと感じるのでした。


 これは余談ですが、ふたつめの休憩室に飾られていた(映されていた)絵、付随して書かれていた解説文を見てこれにもびっくりさせられました。マッキントッシュにアドビのフォトショップとA3サイズのペンタブによって描かれた小作品。日付が1998だったので、まだ機能的には加山自身には満足出来なかったようですが、今だったらどうだったかなあ....。1998年というとインテュオスも初代が出たばかり?だったような気がするし、ソフト的にもフォトショップはアナログ絵画的な表現は難しかっただろうし、その当時のペインターも.......。ネット上の自分の作品に対する感想などを見て楽しんでいたり、これからのCGなどのデジタルによる絵画の在り方に興味を持っていたようですし、そう思うともっと長生きしてもらいたかったと思わずにはいられません。


 いつものようにカタログを購入しましたが、今回はDVDとのセットのものにしました。DVDセットというのは初めてお目にかかりましたが、これはとても良いと思います。展示内容、カタログと内容がリンクしていて加山又造本人の映像や家族によるコメントなどDVDならではのコンテンツで、これからの展示会ではカタログにDVDが付録するのが定番になりそうな予感がしました。


 というわけで、個人的には既に今年一番の展示会となりそうです。見て良かったーーーーー!!!

† 21:45 | トラックバック | Topへ▲ †

 「風神雷神図屏風」や「燕子花屏風」などの他に気に入った作品のうち、いくつかの感想を。

 伝俵屋宗達「桜芥子図襖」…上部に描かれた降り注ぐ様に鏤められた桜の花と下部の芥子の花の対照的なデザインがすてきです。琳派にはそういう対照的な組み合わせが多いように思えます。対照的なモチーフを組み合わせる事によって両者をより際立たせるのかもしれません。
 
 尾形光琳「孔雀立葵図屏風」…兎に角、描かれているクジャクがすばらしい。経年変化の色合いの結果もあるのでしょうが、描き込まれた一枚一枚の羽が気品と風格を感じます。クジャクの刺青というならこういうのでないと。緑、青、赤.....原色でないところに良さがあると思います。対照的なタチアオイとの組み合わせもいい感じ。

 酒井抱一 「夏秋草図屏風」…前回の琳派展でも飾られていた作品。元は尾形光琳「風神雷神図屏風」の裏側に描かれていたというネタで有名な屏風です。風神雷神に合わせて、風に吹かれ雷雨に打たれる様が叙情的に描かれているところが好きです。ミュージアムショップで、これのミニ屏風を買ってきました。きちんと二曲一双になっていて作りもしっかりしていて、その分値段も高めで悩みましたが(5250円)、買ってきて正解でした。

 酒井抱一「柿に目白図」「柿図屏風」…柿の木.....終わりゆく秋の面影を残すかのような数個の柿の実と、しなやかに伸びた枝振り。たわわに実っているわけではないところに良さがあると思います。数カ所の鮮やかな柿色が程よいアクセントになっているというか。観ていて自分だったらもう少し柿の実を描いてしまうだろうなあと思いました。


 俵屋宗達「唐獅子図杉戸」…琳派というよりも安土桃山文化の豪奢な感じがする荒々しく威厳のある雰囲気。気に入ったのが唐獅子の表情とそのポーズ。重厚だけれどもしなやかな体の曲線が観ていて心地よいというか見事に「嵌っている」感じで好きです。

 きもの…前回の琳派展では尾形光琳が手掛けたとされる小袖が2着あったと思うのですが、今回は江戸時代に流行した琳派のデザインの着物が数点飾られていました。.........去年観られたら、去年の年賀状での着物の柄を描くのに苦労しなかったかも。w 流行したというのだから当時はもっとたくさんあったのでしょう。そう思うとうらやましいですね。

  蒔絵…精緻な作りが見事です。硯、硯箱、戸棚などに綺麗な装飾が施されているのです。動植物がデザインされているのですが、和むというか可愛いらしさと上品な具合が組み合わさっていて......「ひとつ欲しい....」なんて声がよく飛び交っていましたが、同感です。それをいうなら展示作品全部に言えますが。w

 鈴木其一「萩月図屏風」…このほかの其一の作品もそうなのですが、他の絵師の作品と比べて、どこか落ち着いていて、空気に溶け込むかの様な雰囲気を感じました。さらっと薄めに描かれているせいでしょうか。屏風よりも掛け軸の作品では特にそう感じました。例えば茶室に飾られることを意識してのことでしょうか。光琳や抱一とは異なる雰囲気がまた好きです。


--------------------------------------------------------------

 ところで、今回展示会場となった東京国立博物館。上野駅からそこへ行く途中に過ぎる国立西洋美術館で妙に気になる展示会がありました。「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」。その長くカッコいい響きの名前で記憶に残ったのもそうなのですが、ポスターに使われていた絵を観て、非常に興味がわきました。自分が無知なのもあるのですが、初めて聞いた画家です。西洋美術館のレストラン「すいれん」でご飯を食べたついてに、売られていたカタログをちらっと見たのですが、「静かなる詩情」という副題が付けられているのがぴったりな内容でした。特に何もない部屋.....開いた扉に格子窓、奥に覗かせる隣の部屋。黒いドレスを着た女性の後ろ姿。写実的なのに幻想的な雰囲気。絵の中に描かれた主題が見るものに訴えかける様な感じのものではありません。どちらかというと見るものが絵の中に誘い込まれる様な....そういう感じです。

 とても嵌りそうです。まだ展示しているので.......観に行きたいな。

 ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情  Vilhelm Hammershøi:The Poetry of Silence

† 01:04 | コメント (6) | トラックバック | Topへ▲ †

大琳派展 ~継承と変奏~| 尾形光琳生誕350周年記念

 先月末に一度観てきたのですが、今日ふたたび観に行ってきました。
開催期間36日という短い間に琳派の集大成というべき作品数、そして国宝、重文の作品も数多く、非常に見応えのある内容で、いたく感動した次第です。

 数年前に、東京国立近代美術館で琳派展が開かれましたが、あの時とは趣や作品数などかなり異なっていました。あの琳派展は全体的な作品は控えめで、尾形光琳はもちろん俵屋宗達の作品はかなり少なく、展示後半は独自の解釈として、琳派のスタイルが窺える、琳派とはまるで関係のない画家の作品を取り上げていたりと、なかなか意外性のあり楽しめましたが、今回の展示は王道の内容でした。本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳・乾山、酒井抱一、鈴木其一と、琳派の流れを汲む作家の作品で占められていました。ここが凄い。今回の展示を見るまで、これほど琳派の作品があることを知りませんでした。


 今回、なぜ2回も観たかと言うと、それはずばり期間内の展示替えで一度では観たい絵が観られないからでした。事前に公式サイトから展示目録に目を通していたので、最初からそのつもりでした。特に絶対観たかったのが、俵屋宗達の「風神雷神図屏風」、尾形光琳「燕子花図屏風」。どちらも国宝に指定されている作品です。あいにくこの2作品の展示が前後期と分かれていました。国立博物館や国立近代美術館などの所蔵ではないので、なかなかお目にかかれないものですし、近場で観られるのなら是非と思いわざわざ2度も足を運びました。


 しかし、それに見合う感動でした。もうなんて言ったら良いやら..........国宝だから良い、というのではないのです。それをいうなら、知らなかった鈴木其一の「風神雷神図襖」は衝撃的でした。「風神雷神」のオーソリティである俵屋宗達のそれはやはり見事としか言いようがありませんが、鈴木其一の「風神雷神」もすばらしいです。襖8面......幅5、6mはあるのでしょうか、その大パノラマに大胆に余白を空けた中に浮かぶ風塵と雷神。後期の展示では、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一のそれぞれの「風神雷神図」が一堂に集まり、同じ空間に飾られているその景色といったら!!!!!!  その中でも鈴木其一のは一番躍動感が感じられました。琳派の中でも一番最後の人とあって、過去の風神雷神図を参考にオリジナリティのあるものにしようとしたのでしょう。それまでの屏風絵でなく襖絵である点、風神雷神の纏う衣のうねる様な表現、背景のたらしこみ技法による雷雲と風の表現、この雷雲と風の表現が一番描かれていたと思います。

 展示室内で聞こえる話に耳を傾けてみると、多くの人が「やっぱり俵屋宗達のが一番。迫力がある」という意見でしたが、確かに俵屋宗達のは時代がまだ安定していない安土桃山・江戸初期ということもあってか、鬼神のような重厚さと気迫さが漂っています。尾形光琳、酒井抱一のそれぞれは、どこかデザイン的な、どちらかというと絵の内容よりも見た目を意識した様な、そんな気がしました。鈴木其一のは、モダンながら轟く雷鳴と激しい強風の音が聞こえてきそうな臨場感があり.........個人的な表現だと、RPGに出てきそうなモンスターと言うかビーストのような感じでした。ゲーム画面でサウンドエフェクトと共に出現した瞬間のような、そんな感じです。鈴木其一のが一番お気に入りかも。

 
 琳派といえば、身近な植物をモチーフとした絵、これがまた素敵すぎるのです。タチアオイやキキョウ、ウメ、サクラ、アジサイ、ユリ、アサガオ、カキツバタ、日本に昔からある身近な存在の植物たち。その植物を写実的というよりはデザイン的に配置、描かれたその絵の美しさ。展示室どこを観てもそんな絵ばかりでしたから、もう感無量です。前後期あわせて6時間くらい観ていたと思います。自分も植物が大好きですし描かれている植物のいくつかを育てていることもあって、それぞれの植物の良さを本当によく捉えていると、いたく感心しました。大仰しい絵ではないのです。掛け軸というと固くて近寄りがたいような雰囲気を想像してしまいますが、そういう感じではなくて、もっと瑞々しくて柔らかい感じがあって、和ませる様な、そういう雰囲気です。そういう親しみのある内容がとても好きです。

 こんなに充実した内容ゆえか、展示期間が短すぎます。1ヶ月ちょっとですよ!? しかも期間内にちょこちょこと色いろ作品が入れ替わっています。実際には前期後期というわけではなくて、6期に分かれています。期間内通して展示されている作品が大半なのですが。


 展示も明日で終了という時に、勧めるのも時既に遅しですが、近くの人は是非ご覧になる事をお勧めします。見逃した人も、将来またどこかで琳派展が開かれる時には是非ご覧になってください。日本人ならこの良さは文句無しに分かるはず。


 ............余談。1度目を観た時は、実を言うと東京都美術館で開かれていた(現在も開催中)の「フェルメール展」を同日に観たのですが、正直なところ、フェルメールの作品も良かったですが心に深く印象に残ったのは「大琳派展」でした。よく美術館に足を運びますが、近年観た展示会の中では個人的に一番かもしれません。それくらいすばらしかったです。

 ちなみに公式サイトのデザインも好きです。アーカイブ保存してしまいました。

† 16:16 | トラックバック | Topへ▲ †

おととい見てきました。
まずは当日の館内の様子から。

 日曜の朝9時半前に(東京メトロ千代田線)乃木坂駅 美術館直結の出口に着き、国立新美術館のシャッター前に30人程度、すでに人がいました。たしか9時半になってシャッターが開き、美術館へと行けたと思います。既にチケットを持っていたので館内へ入り、閲覧開始時間を待ち、これも記憶が定かではないのですが、9時45分くらいには(展示会場へ)入れさせていたと思います。

 入ってすぐに会場中程にあるフェルメールの「ミルクメイド」へ。
絵の前に客足を前後へ二手に分けるロープが張られていて、前は立ち止まれないが近付いて見られる列、後は少し遠いがじっくり立ち止まってみられる列、というふうに分けてありました。当然、開館時間すぐに入れたので、その時は並ぶ必要もなく前列の本来立ち止まっては見られない場所でもしらばく立ち止まって見ることが出来ました。5分か10分すると、チケット売場も開き、そちらから人が来始め混雑してきたところで、2列に分かれルールに従うよう、アナウンスが。

 よく見られたので、それから他の絵を見て回り、再びミルクメイドのフロアへ来た時は、人だかりが出来ていました。

 見てきた感想としては、絵をじっくり見たいならば、双眼鏡は絶対持っていくべきです。事前に買っておいたので本当に重宝しました。あるとないのとではだいぶ満足感が違うと思います。結局、近くから見られる前列でも立ち止まって見ることが出来ないので、せいぜい1分の間に1.5m先の40cm四方の小さな絵を見ても、「見た」というだけで「観た」という具合にはならないと思います。それなら後列から双眼鏡でじっくり観た方がずっと良いです。後列のロープ前でなくてもそれよりずっと後の、5mくらい離れた所からでも双眼鏡ならば問題なく細部まで観ることが出来ました。

 事前に買った双眼鏡は、「Vixen 双眼鏡 アクティM8X21 7257」です。アマゾンでお急ぎ便で注文しました。本当に指定された日(翌日)に届きました。コンパクトですし、かさばりませんし、これくらいのサイズの双眼鏡はお勧めです。


 照明具合が悪い....という情報を前に書きましたが、確かに場所によっては照明が反射し見辛い場合があるかもしれません。(特に近付いて観た場合) 双眼鏡を持って後から観る分には大丈夫だと思います。絵も比較的高めに掛けられているので、人の頭で観られないということもそんなにありませんでした。

 ちなみに、混雑具合は、同美術館でこの前まで開かれていたモネ展ほどではありませんでした。それでももちろん混み合いますが、思った程ではなかったと思います。


 肝心の絵の内容ですが、言われている程フェルエール以外の絵が悪いとは思えず、むしろなかなか良かったと思えました。確かに画家によって質感の表現等のクオリティの良し悪しがあるのは確かなのですが、何気ない、ごくありふれた当時の生活が1シーンのように額に収められているかの様な、そんな気がして好きです。活き活きとしている、そんな感じです。観ていて気付いたのが、描かれているものが多彩で、メインの人物以外の絵の隅々まで事細かに描かれているのが多く、いろいろな発見が出来て見つけた時はおもわずにまっとしてしまいました。動物も多く、犬が描かれているのが数点ありました。また、どの絵も、背景が暗く、全体的なトーンも茶色ぽい感じで、落ち着いた、レトロな、それでいてどことなく明るさを感じる......そういう雰囲気でした。


 フェルメールのミルクメイドは、「フェルメールだから」というわけではなく、やはり素晴らしかったです。たとえばパンの描写なども他の画家のとはリアルさが違います。他の画家でも緻密な描写がなされていたのもあったのですが、それでもフェルメールのはやはり独特で、..........なんなんだろう.......リアルなのに単なる描写に終わらず、整然と絵としての風格があるというか...........。

 フェルメールは構図を綿密に行っていた画家だったようで、カメラオブスクーラとよばれるカメラの元になった機具を用いてパースペクティブを正確に捉えたり、レンブラントの光にも通じる様な、窓から差し込むやわらかい光を光源にしたり、色彩を鮮やかにするために高価だったラピスラズリを顔料にして、青色に使ったり下地に使っていたりしていたようですし、名画の裏には数々のアイデアが盛り込まれているわけですね。事実、今回のミルクメイドにも試行錯誤の跡が確認されていて、映像等でも館内で解説されていたのですが、背景の壁に何か書き足したり消したりした跡があちこちにあるようですし、パースを正確に書くために、消失点にピンを留めてそこから糸を引き当たりを付けていったようです。あとフェルメールの特徴として、光沢を白い点で表現するというのがありますよね? ああいうのはやはり双眼鏡でないと分かりません。


 ...................と短くまとめるはずが長くなってしまいました。フェルメールも良かったけれど、その後、上野の森美術館で観たシャガールのもとても素敵でした。優しくロマンティックで和む絵。若い女の人が割と多めだったのも頷ける。こちらは入場料が1000円だったけど、それ以上に充実していたように思えます。シャガール展もかなりお勧めです。こちらは混んでいないし建物も小さめですので、どこか和んで観られる気がして、けっこうお気に入りです。シャガールの絵ってなんとなくうっとりしてしまうんですよね。また観てみたい気にさせられます。あぁぁ...西洋美術館ではムンクもやってるし都美ではフィラデルフィア美術館展もやってる.............。まさに芸術の秋ですねえ。

† 23:07 | トラックバック | Topへ▲ †

 タイトルを見て、おもわずムッハー(;゚∀゚)=3 となったあなた、思っていたのとは微妙に違うかもしれませんね。


展示会が始まりました!!!
フェルメール 「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展

......というわけで、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」の「みるくメイド」でした。間違ってないよね?w ドメインも「http://milkmaid.jp/」だし。アキバで口にしたら何人か振り返りそうな言葉ですが。w


 ムッハー(;゚∀゚)=3 
............またフェルメールの絵が日本で見られるなんて...........!!! これを見られたら3枚目になります。「画家のアトリエ」、「窓辺で手紙を読む若い女」、そして今回の「牛乳を注ぐ女」。


 もちろん見に行くつもりです。実は先週、ぎりぎりで前売りチケットを買いました。モネ展やゴッホ展ほど混まないとは思いますが、そんな美術に関心がなくても知っている画家の名前を冠した展示会は本当に混みまくる。フェルメールの名前は絵に多少なりとも関心があれば知っている名前ですが、そうでなければそれほど知られていない気がするので、思うほどには混まないとは思いますが...........フェルメールの1枚だけ、すごい人だかりになるのは必至ですね。

 もう既に見に行った人の話によれば、「画家のアトリエ」の時と同様に、1.5m近く離れて鉄柵.........みたいです。あ、でも「画家のアトリエ」の時のガラス張りではないみたいなので、それと比べれば見やすそうかと思えば...........この「牛乳を注ぐ女」、サイズがとても小さいのだそうですね。ディティールを見るとするならオペラグラスが必要なくらいみたいです。それに加えて照明も難ありだそうで......おまけにオバさん達の言動がxxxだとか。...まあオバさんに限った事ではないですが確かに邪魔というかイタい人が美術館にいるのは確か。........そうなんだよなあ.....「画家のアトリエ」の時、罵声を浴びせてた中年の男がいたんだよなあ。(´・Д・`) ヤナヨカーン


 フェルメールの1枚の絵のためだけの様な展示会ですが、実は合わせて展示されるオランダの風俗画にも密かに期待しています。というのも「恋煩い」というタイトルの絵を描いたヤン・ステーンの絵が来ているみたいだからです。(展示される詳細な絵のリストを知らないのでわかりませんが)「恋煩い」の絵が来ているとは思えないのでそれほど期待しているわけではありませんが、フェルメールと同時期のオランダの絵は、画風やタッチが個人的に好みなので、有名な絵でなくても楽しめる気がします。風俗画も時に滑稽でユーモアに満ちたものも多いので、しかめっ面をしながら見る必要もないので、その点もいいです。

(ちなみにそのヤン・ステーンの「恋煩い」の中で好きなのがこの絵。(違う構図で同タイトルの絵が何枚かあります)
http://www.salvastyle.com/images/collect/steen_zieke02b.jpg
ラブレターを手にして恋の病にかかった女の人が医者に診てもらっている(脈を取っている)、という絵です。)

 それと...........今回は展示場が国立新美術館なのでその点も良いと思います。それまでよく展示場にされていた東京都美術館(都美)は、建物も古くなにより狭いので、混雑しやすいんですよね。天井も低いので圧迫感を感じる人もいるみたいです。国立新美術館はそれと比べて大きな建物ですし、天井も高い。開放感があり心地よいです。今後は大物の絵は国立新美術館の方で飾られる事が多くなるのかもしれません。

 あ...........都美の話が出たので余談ですが..............、あそこの2階のレストラン....というよりは食堂っぽいですが、あそこの従業員.......いわゆるアキバとか萌えの「メイド」ではない、「メイド」っぽい雰囲気がありますよね???  濃紺と白の色の組み合わせの制服がなんとも古き良きメイド服、って感じで。もちろんフリルとかが付いているわけではなくてメイドっていうより女給って書き表した方が似合ってそうですが。.............いろんな意味で都美は古いですよね。別に悪くないけど.....というよりはあそこはあのままの雰囲気でいいような気もします。


 
 なにはともあれ、みるくメイド。(その書き方やめr
ムッハー(;゚∀゚)=3

† 21:23 | トラックバック | Topへ▲ †

去年辺りから六本木へ行く事が増えました。増えたと言ってもまだ3回ですが。森美術館と国立新美術館へそれぞれ2回行っています。過去にフィリップスコレクション展、ポンピドゥーセンター所蔵作品展、モネ大回顧展、そして昨日はル・コルビュジェ展を見に行ってきました。

 防衛庁跡地を再開発したのが、六本木ヒルズや六本木ミッドタウン、国立新美術館の....あの一円なのですね。確か....国立新美術館内に、戦前の陸軍兵舎の模型がありましたね。そんな急激な開発によりすっかり様変わりしてしまった六本木。六本木ヒルズ、ミッドタウンにはそれぞれたくさんのお店が入っているので、かなーり見て楽しめそうですが、いつも美術館のついてなのでたくさんの時間が割けず急ぎ行脚でしかも「迷いつつ」右往左往しているので、何が何だかいまだに良く分かっていません。.........どなたかにこんなおのぼりさんをガイドして欲しいくらいです。w 

 街以前に交通関係でもあたふたするくらいです。そっちのほうは最近になってだいぶ分かりましたが、以前はけっこうひどかったものです。w それでも群馬から湘南ラインが出ているので、乗り換えせずに直通で新宿、渋谷、恵比寿などには行けるので、地下鉄日比谷線か大江戸線に乗り換えて六本木駅で降りるだけなので、考えてみれば至極簡単なはずなのですが。それはともかく、上野辺りに行くのとは違って若干遠く感じます。赤羽から恵比寿まで40分近くかかってしまうし。ふらっと出かけて見に行く、なんてことができないので、その度に東京に住んでいる人が羨ましく感じます。


MORI ART MUSEUM [ル・コルビュジエ展]
 
 昨日見たコルビュジェ展.........実を言うと弟に連行されて行ってきました。建築が好きで建築関係に携わっている故に見に行くと言い出して、弟には負けるがそれなりに建築が好きなことを知られているのでどうもカモにされたような気もしないです。コルビュジェというと.......ランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと共によく近代建築の3大建築家として大変知られている建築家です。コンクリートの打ちっぱなしを多用し、大きく緩やかなスロープ、螺旋階段、大きく広いピロティ、真っ白な外壁、整然と並べられた格子状の窓、屋上庭園......ラ・ロッシュ邸やサヴォア邸、ユニテ・ダビタシオンなどがそうで、一方、直線的ではない有機的なフォルムをまとったロンシャン教会などもまた有名です。そんな数々の建築の模型はもちろんのこと実寸大に再現されたモデルルーム(?)などもあり、建築を手掛ける前から行っていた絵画や彫刻なども多数展示されていました。

 建築家の展覧会なんて面白いのだろうかと見る前は疑問に思っていたのですが、模型と共に、映像による説明なども随所にあって、そんな様々な見せ方でなかなか楽しめました。一番大掛かりだったのが、集合住宅の「ユニテ・ダビタシオン」の1ユニット分の実寸模型。中に入る事が出来、モデルルームの様なものでした。ああいう建築家のマンションなんてすごく住みにくそうだと思っていたのに、実際に入ってみると実に良く作られていて、さほど広くはないけれどそれぞれがうまく機能していて意外でした。あれなら住みたい。

 今回の展示ではとくに説明されていなかったと思うのですが、コルビュジェは若い時に.....30代初めだったと思いますが、網膜剥離で片目を失明しています。絵画なら未だしも、立体的な創造をしなくてはならない建築を隻眼でこなすのは、かなりハンディになると思うのですがどうなのでしょう。このことは最近になって知りました。たしかに丸い黒縁に牛乳瓶の底のようなレンズをはめたメガネを掛けていましたが、片目が見えなかったとは。余談ですが、一時期コルビュジェの弟子として建築に携わっていた、作曲家のクセナキスも内戦で顔面を負傷し片目を失明しています。クセナキスもコルビュジェと同じくけっこう好きなのですが、意外な共通点ですね。頭の下がる思いです。_| ̄|...○ボトッ

 話を戻して、今回のコルビュジェ展ではあちこちにコルビュジェのイスが置かれていたことが嬉しかったです。コルビュジェのイス.....建築同様に有名でテレビや雑誌でもよく見かけますね。LC1、LC2、3、4.......そんな垂涎のイスに座れた、というのが今回の展覧会で得た収穫の1つでもあります。なかなか実物にお目にかかれないし、なにより値段が高いっ!  LC3だったら車が買えそうだもんなあ。LC2とLC3は単に一人掛けか二人掛けの違いだけなのかと思っていたら、座面のクッションの硬さが違っていました。わりと固めなLC3の方が好みでした。あぁ......いいなあ。LC4のラウンジチェアもイームズのそれとは異なり小振りでスマートなラインが素敵でした。弟が話していましたが、なんでも著作権が死後50年経つので失効し、色んなメーカーから発売されそうとのことで、値段もピンキリになりそうなのだとか。.......案の定、弟は狙っているそうです。先日もオリジナルのイームズのシェルチェアを買ったそうだし。...........やっぱりいいよなあ。密かに自分もマッキントッシュ(パソコンのそれではありません。念のため)のハイバックチェアが欲しかったり..........。


 来週で展覧会は終了だとしてもいくら建築界では超有名とはいえ、世間一般的に見たら、こないだまでやっていたモネなんかと比べるとやはりマイナーだろうからそんなに混まないのかな...と思っていました。ほとんど開館と同時に入ったのですが、やはりそれほどの混みではなく、ゆったりと観られました。コルビュジェのイスにも座れたし。ところが見終わって出てみると、チケット売場/入り口付近がすごい混み。早く来て良かった〜。展示方法が絵画とは異なり、映像を見たり、実寸大の部屋の中を順番待ちで見て回ったりするし、また休憩用のイスもコルビュジェのものなので、混み合っているとそれらを堪能するにはえらく時間が掛かってしまいそう。


 見終わった後、ミッドタウンのインテリアのお店を見て回って、へとへとになってようやく帰りの電車に乗れたと思ったら、なんと人身事故で30分も遅れて参りました。都内だったら比較的多いのかもしれませんが高崎線ではめったに起きないはず....なのでびっくりしました。事故が起きた時は桶川あたりで恵比寿から桶川まで1時間、30分停車して....復旧したすこしあとでようやく座れたので、まあ1時間半、立ちっぱなしでした。ああいうときはブーツはきつい.........重いし。でもブーツの方が似合うんだよなあ........。

† 23:22 | トラックバック | Topへ▲ †

 ここ1、2年、気のせいかゴスの格好をした人を美術館で見かけるようになりました。

気のせい........確かに気のせいなのかもしれませんが、以前より見かける箏が多くなったのは確かです。特に現代美術に近くなるにつれてその傾向が高い様な.......気もします。が、これは自分が単に見に行く展覧会の内容が比較的近代のものが多く(日本美術などのものはあまり見たことがないし)、かなり主観的になってしまうからかもしれませんが。


 去年の年末に見に行った、ダリ展(上野の森美術館)。割と若い年齢層が多めでした。子供も多かったし。それにしても修了間近だったこともあってか、朝早く出かけたにも拘らずずごい混み様でした。見終わって美術館を出たら(ちょうど正午過ぎ)、それ以上の長蛇の列にびっくり。あれじゃあ日が暮れそうでした..........。

 で、見かけましたよ。ゴスの人。ふたり連れで共に女性でしたが、..........よく知らないので分からないのですが、ひとりは王子役(?)の人なのかな.......男装っぽい感じで(ダブルのジャケットにパンツって感じ)髪もわりと短め、もう一人の方はカワイイ飾り用みたいなちっちゃなシルクハットを頭の上にちょこんと載せていて、紅いバラと茨の飾りをしていました。こちらは髪は長め。共にほとんど金髪に近い感じ。どっちかっていうとゴスパンクっぽい感じだったかも。エナメル調のパンツやバッグだった気がします。

ダリ展の時もそうでしたが、先日のオルセー美術館展のときも見終わった後は、西洋美術館内にあるレストランでご飯を食べたのですが、美術館内のロビーで、そのどちらの日にもゴスの格好の人を見かけました。(もちろん別人だろうけど)やっぱりふたり連れて、ひとりはやっぱり王子役みたいな。なんかそちらの人達は背が高くて顔立ちも綺麗で男の目から見てもカッコ良かったです。ひとりは金属のフレームに覆われた黒い小箱を手にしていました。ああ、髪はやっぱり金髪に近い感じ。オレンジっぽかったかな。こちらはどことなくヴィジュアル系ぽいというか王道っていうか、典型的なゴスのスタイルだった.....かな。好感だったのは表情がヤンキーくさくなかったってこと。時たま表情がコワい人いるでしょう? 眉毛が細すぎたりとか目つきが異常にコワい人とか。そういう感じじゃなくて.........何て言うか.........やっぱり綺麗、って言葉が似合ってる感じ。上品な感じといえばいいのかな。


 逆に思い返してみると、そういえば最近見かけないな〜と思うのがロリィタの人。よくお人形さんみたいな.......ローゼンメイデンみたいな格好をした人を必ず見かけていたのですが、最近見ないです。 白ロリみたいに白一色ってわけじゃなくて、本当に人形みたいな雰囲気の格好です。
 ミュシャ展の時はよく見かけました 。あの時はそもそも客層がものすごい偏ってて、男女の比がいつもだと5:5か4:6くらいなのが、2:8くらいだったもん。しかも普通なら中高年が多めなのに、おもいっきり若年層なんだもん。あれは異常な空間だった。w  なんか絵と同時に鑑賞してた気も..........。シネヨ(# ゚∀゚);y=ー(・ω・)・∴ターン 

 前にも書きましたが、意外だったのはモロー展。魔性の人がたくさんいるのかとちょっとそっちも期待してたのに(ぉぃ、全然居なかったこと。(ゴスパンク風の人ひとり見かけたけど。) 早く見たくて展覧会の開始日に観に行ったのですが、それが平日だったからかも。いつも以上に年配の人達が多かったです。


 .............なんて書くと、人間観察みたいでアレですが、言い分けさせてもらうと、ゴスの人はすごい目立つんですよ! 全身漆黒だし、髪の毛だけ鮮やかだし、もうね50m先からでも目立つくらいなのですよ。あんまりじろじろ見るのもヘンだから長く見てられないですが、素敵だなあといつも思います。 見かけた多くが、ふたり連れだったからかもしれませんが、絶えず笑顔が見られたからそれが良かった....と思います。


 好奇の目で見ているわけではないので、どうか怒らないで下さい。(´・Д・`)  ゴメン
一応撃っておくか。カチャy=ー( ゚д゚)・∵. ターン

 
  
 ちなみに、(ゴスとかではなくて)逆に変な人を見ることも美術館ではまた多く見かけます。こちらは.......敢えて伏せておこう。でも先日のオルセーでは怖い人を見ましたよ。怖いっていっても風貌とかではなくて.......その..........ま、一例くらいならいいか、絶えずぶつぶつ独り言を言っている人がいました。独り言っていっても、普通に人に話しかけている様な声の大きさで、しかも文句を言っている様な言い方で表情も怒ってる。側に来たときはびっくりしましたよ、本当に。しばらく絵の前に居たから邪魔だったのかなと思って、そちらを振り向いてみると、どうも様子が変であちこち向きを変えながら人が居ない方へも話しているから、こ.......これは..........も、ももしかして、xxxxxxxxxxxxxxx。


振り返れば今まで見てきた中で、靴を履かず裸足で見ている人とか、見ている側で勝手に絵について蘊蓄を垂れ始める人とか、有名な絵で人だかりでちっとも動かないところで後の方から「さっさとどけよ〜」みたいな罵声を出すDQNとか...........居たな...............。

 も、もしかして、来る場所を間違えた....かな。((;・д・))ガクブル


もうこれ関係はきりがないです。喋ってばっかりで(しかも絵の内容じゃない。)ろくに絵を見てないおばさんグループとか。(うるさい......)  後から押してきたり割り込んできたり(無茶しすぎ、痛い)、なんかいろんな香水が混じってすごい匂いになってたりとか..........もう勘弁してください。

† 02:10 | トラックバック | Topへ▲ †

オルセー美術館展 19世紀 芸術家たちの楽園

 今日、観に行ってきました。
オルセーと言うと印象派辺りの絵画をメインに所蔵/展示している美術館として、歴史の浅い美術館にも拘らず人気があり有名です。ネームバリューもさることながら、宗教観の無い日本人にとって取っ付きにくい宗教画が全く無い、つまりそれが逆に人気の理由の1つでもある印象派メインの展示でしたので、これは混むだろうなと美術館へ着く前から予感はしていました。

 美術館へ着いたのは9時半過ぎだったのですが、既に入場規制(一定の人数ずつに分けて間隔を空けて入場させる規制)されていて展示入り口から長い列が出来ていました。開館は9時なんですね。入場規制といっても20分も経たないうちに入れましたが、やっぱり中は混んでました。


 今回、気になったことは、展示絵画の位置や順序。大抵、入り口付近の最初の展示絵画は、あまり有名でない...と書くと失礼ですが、そういう場合がほとんどなのですが、今回はいきなり入り口すぐにモリゾ「ゆりかご」とルノワール「ジュリー・マネ」の絵があって驚きました。.....モリゾは.......知らない人もいるかもしれませんが.......個人的には、モネとかルノワールなどと同等....って書くとまたアレですが、引けを取らない絵画だと思っています。モリゾの絵の方が好きなくらい....です。ちなみに女流画家の人です。今回の展示会のマスコット的な扱いになっているマネの絵「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」に描かれている女性も実はモリゾだったりします。(タイトル通りですがw)

 ともかく、作品の展示具合が悪過ぎる気がしました。通路を抜けて次の部屋の一番最初に、とか階段を上ってすぐのところに、とか.....あとはコーナー(隅)にとか、そういう場所に有名な画家の絵が飾られているので、人の流れがすごく悪いんです。前述のマネの絵は階段を上ってすぐのところでした。確かそのフロアの少し先に、ゴッホの「アルルのゴッホの寝室」と「アルルのダンスホール」が並べられていた気がします。そちらはフロアの真ん中だったので見辛くはありませんでしたが、人が溜まり過ぎ。同じ様に不満を口にしていた人が何人もいました。


 絵の方は..........パッと見できれいなものばかりなので、知らない画家の絵でも充分楽しめました。大抵の展覧会だと、........また失礼ですが、「個人的な」当たりとはずれの差が大きいのですが、今回のははずれはほとんどありませんでした。写真とルドンの版画の数が意外に多かったので、その部分は割とざっと目を通しただけで済ませてしまいましたが。

 でも..............いままでそれなりに美術館へ足を運んできて気付いたことは、全てに同じ時間を割いて鑑賞する必要はないのだということでした。もちろんそれなりに有名なものや気に入ったものには、より時間を掛けて眺めていましたが、最近はパッと見て好みじゃなかった絵は本当にざっと目を通しただけで済ませてしまう様になりました。なぜかというと、気に入った絵の記憶が、そうではない絵の記憶によって薄らいでしまうからです。家に帰って思い返した時に、記憶が散漫になってしまって、気に入ったはずなのに思ったほど印象に残ってないなあ?....なんてことが度々あったので、最近はそういう鑑賞をしています。そうでないと時間も掛かってしまうし、疲れてしまうというのもあります。


 全体を見て感じた点は、黒色が多く用いられている絵の良さが際立っていた感じがしました。印象派というと明るい色彩のものが思い浮かびますが、今回のは個人的かもしれませんが、黒色の絵が印象に残りました。なのでゴッホの「アルルのゴッホの寝室」は浮いてた気がします。w  同じゴッホでもとなりにあった「ダンスホール」の方のは、ゴッホらしかぬタッチと色彩でしたし、その点「寝室」の絵は輝いていたとも思います。あぁ...ルノワールのも、後期のでっぷりした裸婦像とかではなくて割と初期のものが多かったのも良かったかも。(後期のルノワールの絵は苦手です。肌フェチがエスカレートした結果の絵って感じで。)


 そんな中..........事前に特に展示作品を調べていなかったので、見た時は吹っ飛びそうになった絵がありました。...........ま、永らく当ブログをお読みの方はお気づきかもしれませんが、モローとロートレック。

 ロートレックの方が先に飾られていたのですが、やっぱり自分の眼には飛び込んでくる絵です。モデルのポーズといいタッチといい、色彩といい、すべてツボです。何がどうしてこんなに惹き付けられるのか.....文章では表現できないのが悔しい...却ってそれこそが絵画とも言えるものなのかもしれないと、偉そうなことを言ってしまいそうな絵です。........他の人はモネとかルノワールの絵にしがみついてロートレックのは素通りしてるけど。.つд`)ウウッ モローもそうでしたが、ミュージアムショップにも全然グッズになってないし。モローのは2つばかりありましたが、ロートレックのは皆無。モローよりはずっと名が通ってる画家なんだけどなあ........。

 逆に近年、モローの評価が高まっていることはそれはそれで嬉しい限りです。
公式サイトにも主な展示作品としてモローのが取り上げられていますし、今回の展示会とリンクした内容だった、今日の「新日曜美術館」の番組内でも取り上げていましたし、ファンとしては超ご満悦。(^∀^)サイコー 
 展示の方も、他の絵と距離を置く様に(そう感じられました)フロアの片隅に、うっすらとした照明に照らされて、目映いオーラを放っていました。通路を抜けた先にあったので、遠くから「ん、あれはもしや!!!!!!!」、近づいて「うお! ガラテアだーーーーー!!!!キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!」って感じでした。 しかも額縁がすごい。あんな額縁は初めて見ました。神殿風の庇と柱が付いた額縁で、まさにモローの絵にぴったり。

 絵自体は知っていたので、解説ガイドなんかは無くても問題なしです。w 画集やらモロー関連本などいろいろ持っていますので。実際、間近で見て気付いたことは..........これは周りで同じく観ていた人も言っていたのですが、ガラテアが身に纏う装飾品が、油彩で描かれているにも拘らず、その細緻なタッチからか、まるで宝石、ビーズのようなキラキラした輝きに見えるんです。装飾部分の絵具による隆起が照明によって照らされることによってキラキラ光る様に見えるのだと思いますが、その辺りはさすがモローといった感じです。前にも書いたと思いますが、モローは1つの作品のために膨大な資料収集をして、ラフスケッチなどをたくさんこなした後に取りかかることが多かった様で、このガラテアも同様に、海草類や珊瑚などのスケッチを事前にいくつも描いていたようです。
 「新日曜美術館」の方で取り上げた際に、絵の両脇に人の顔が描かれているとか指摘していましたが、実際には全然確認できませんでした。絵を見る前に知っていれば分かったかもしれませんが.........それでもどうかな........かなり照明が暗かったし、モローの絵は、一見真っ黒に近い部分でも色々と描き込まれているんですよね。ネット上にある大きなサイズの画像を見るとよくわかります。


 モローとロートレックが見られれば、もうそれだけで満足度100%になってしまうので、今回は満足度180%くらいかも。実を言うと、今回の展示会、行くのをためらっていたんです。有名なのはわかってるけど、印象派のは今までいろいろ見てきたし、好きだけど何が何でも見たい絵っていうわけでもないし.......、それに今回に限ってはちょっと(身体の)調子が悪かったので(先週にたちの悪い風邪を引いてまだひきずっていました)、行くのやめよっかなあ.........って。片道、電車で1時間以上かかるし〜〜って。

 ああ、でもやっぱり神のお導き。(ぉぃ このまま行かずに展示終了後にそんな絵があったと知ったら..........どうなっていたことやら。w


 余談ですが、東京展よりも先に神戸の方で展示されていたんですね。...........それのせいかな.....ここ数ヶ月、「モロー ガラテア」の検索ワードで当ブログに訪れる件数が多いです。.........すみません、全然役に立たないしつまらない文章で。

† 01:15 | コメント (1) | トラックバック | Topへ▲ †

アートとジャズ好きのために....「美の壷」

「美の壷」

NHKでやっている美術番組です。番組サイトを見て知りましたが、今まで「新日曜美術館」の制作に携わったスタッフが手がけた番組なのだそうですね。番組の内容は、「くらしの中の美」というテーマらしいですが、タイトルからも彷彿とさせますがどちらかというと「伝統の和の美」がメインな気がします。「壷」と「ツボ」を掛けている訳ですね。

..........まあ、いささかおっさんくさい...というか比較的年齢層が高めの気がしますが、アートが好きだったらたぶん誰でも楽しめるとお思います。それに加えて、ジャズ好きだったらそれこそ至福の時が過ごせるはずです。

 というのも、番組中流れるBGMがみなジャズばかりだからです。「枯葉」や「What's New」「My foolish Heart」「Blue Moon」「Blue Bossa」.....などのスタンダードなどがぎっしり詰まっています。ミュージシャンも、ビル・エヴァンス、マイルス、ウェス、チャーリー・パーカー、サラ・ヴォーン、オスカー・ピーターソンなどなど.....有名どころばっかり。曲が流れるたびに思わず(^∀^)ニヤリしてしまうはず。w

 再放送は3度も積極的に流しているので、好きな時に見られますし、超オススメ!  第1回からほとんど欠かさず見ています。25分間ですし、小気味良くて良いです。

 
 話は少し変わりますが..........、ここ半年間、密かに....というかモロバレですが、谷崎潤一郎がマイブームです。実は、この番組を見てても今までに数回、谷崎ネタが出ていたり.....と何気にメディアでも偶然にマイブームにリンクしていたりします。 谷崎ネタが出ていたのは......覚えている限りでは、「File26 文豪の装丁」「File24 和の明かり」「File21 蒔絵」に谷崎の「鍵」「陰影礼賛」から引用されていました。......どう考えても「陰影礼賛」を読んだ事のある、もしくは谷崎ファンが制作スタッフの中にまぎれているように思えてしまうのですが....どうなのでしょう。

 そうそう! その美の壷で使われた谷崎の写真が......何気にかっこいいんですよ! かっこいい...といっても60過ぎ位の写真だと思いますが。w 新潮文庫に使われている「狸親父w」とは違っていて、斜めに見下ろした表情がかっこいいんです.......。詳しい人なら知っているのかもしれませんが、何となくその新潮文庫の写真と連続で撮った写真の様な気がします。風貌や服装がそっくりだったので。単にポーズが違うだけなのに......やっっぱり谷崎潤一郎。


 それと、個人的には、アール・ヌーヴォーと明治期の洋館を取り上げた番組が良かった。.....金魚も良かったかな.....。
明治期の洋館では、上野の池之端にある「岩崎邸」を取り上げていました。前に行った事もある、近代建築で好きな建物の1つでしたから、嬉しかったです。


 ......というわけで、最近見たいな..と思わせる美術番組がなかったので、この「美の壷」には満足しています。

(2006/11)

 でも年が明けてから放送時間が変わってしまって、見逃すことが多くなってしまいました。。・゚・(ノД`)・゚・。 録画しておけば済む話では有りますが。

† 00:11 | トラックバック | Topへ▲ †

 嵌まっていた....というよりは資料集めをしていたのが高じての結果なのですが、神話や悪魔、それに魔術関係についての資料を、5〜6月の2ヶ月余りに渡り漁っていました。これは少し前に書きましたが、ラストバイブルファンサイト「ルシフェリウム」のサイトデザインのためでした。


 それなりに悪魔や堕天使に関する本は持っていましたので全く知識がなかったわけではありませんし、今までの雑記などでも度々話題にしてきました。「ルシフェリウム」のデザインの大きな要素となったのが、天使像、ルシフェルの紋章、召還呪文の3つです。今回は一番時間を掛けて苦労した、天使像について。


天使像といっても例えばガブリエルのような伝達係系天使よりも武装している天使の像を必要としていました。なにせルシフェリウムですので力強くないといけません。調べてみると、天使像といえば子供の天使や女性の天使はすぐにみつかるのですが、武装している天使はそれらと比べるとずっと少なくて本当に苦労しました。 よくよく考えてみると武装している天使で有名なのはミカエルくらいなんですよね。

 まあともかくグーグルのイメージ検索で、まず「angel statue」辺りで一通り時間を掛けてチェックして、それで気になった天使像が3つ見つかりました。


 1つは、次のサイトのページ上部に載っている天使像。 http://216.254.31.219/lucite/lucite.asp   この天使像、あるCDジャケットに描かれているものに似ている様に思うんです。なので意外に有名な天使像なのではと思っているのですが、グーグルのイメージ検索では見つからないし、作者や名前も分からないのでお手上げです。ちなみにそのCDジャケットは、TNTの「TILL NEXT TIME」。以前当雑記で紹介したこともあるCDです。このジャケット裏には顔の部分をアップしたものがあって、それと見比べるとやっぱり似ている気がするんです。同じ巻き髪、ティアラ、ポーズ.....CDジャケットの方は手描きのような感じですので、推測ですが天使像を参考に描いたのではないかと..........。大きな画像はこちらで。http://homepage.mac.com/jreffner/Artwork/tnt/till_next_time.jpg 

.......似ていません?どなたかご存知の方いらっしゃいましたらぜひお教えください。かなり気になって仕方がありません。この女神風の天使に萌えです。

 結果的にミカエル像にしましたが、この天使像を見つけて、これの無料で使える写真を探そうと当初は考えていました。ラストバイブルも1と2はサブタイトルが「女神転生外伝」だし、1にはフォースの女神も登場していたのでかなり雰囲気も似ているし、それでいこうと思っていたのですが、前述通り詳細が分からないので諦めました。


 2つめはこの天使像  http://binturong.us/pics/brighton/angel_statue_closeup-big.html
どうやらこの天使の詳細は分かりました。イギリスのブライトンにある像.....らしいです。 http://americanairlines.wcities.com/en/record/,214065/202/record.html

 オーブを左手に手にしているので、これもラストバイブルのルシフェルに通じるところがあったので候補でした。ラストバイブル1ではルシフェル達が魔獣達を救う為にオリハルコンを奪うのですが、海外版ラストバイブル=「REVELATIONS: THE DEMONS SLAYER」には、オリハルコンが「Orb」と書き換えられています。聖書などにも登場する球体の宝玉です。音響機器/レコードメーカーの「フィリップス」や、元はパンクファッションのブランドだった「ヴィヴィアン・ウエストウッド」もロゴにオーブが使われていますね。
 断念したのはフリーの写真を見つけられなかった事です。先ほどの大きな画像のアドレスは個人撮影のものですし、使うわけにはいきません。もしかしたらメールで使用許可を求めれば承諾してくれる可能性もあったかもしれませんが......。


 3つめは、ルシフェリウムのトップに決めた天使像。
剣をかざし表情も憂いのある様な或いは何かを見詰めている様な、そんな表情でしたし、ポーズもよかったし男の天使でしたので、これ以外に似合う像はないと即決。ヒット数も多かったので詳細もすぐに判明。イタリアのローマにある「サンタンジェロ城」というお城でした。

サンタンジェロ城 - Wikipedia

 日本語で訳すと、そのまま天使城なんですね。.............ルシフェリウムにこれほどぴったりなものは他には本当にありません。ルシフェリウム...ルシフェルを筆頭に堕天使の棲む魔城......ミルトンの「失楽園」に出てくるパンデモニウムのようなものです。
 サンタンジェロを調べてみると、城の手前に架かっている橋の欄干にはそれぞれ武装した天使像が違ったポーズをとっています。剣、メイス、槍、十字架を武器として握っています。サンタンジェロ城に立っている天使はミカエルでしたから、橋で構えている天使達にもそれぞれ名のある天使なのかもしれませんが、そこまでは調べられませんでした。

...........サンタンジェロ.......こんなお城(遺跡)があるのを知らないなんて不覚でした。Wikipediaの日本語ページに載っている位ですから有名なのでしょう?  検索ワードを「Castel Sant'Angelo」に切り替えて再びイメージ検索。すると.......何と嬉しい事にフリーで使える写真があるではありませんか! .......もう運命だと思いました。(ぉぃ


 そういう経緯でやっと天使像の写真が決まり、サイトデザインの制作を始められました。トップページのそのことだけで2週間くらい掛かっていました。トップページはサイトの顔ともいえる存在ですので時間を掛けます。トップページを各ページに流用した方が手間も省けますし、デザインの統一感も出てきますので、やはり重要です。 ミカエル像はトップページのみにしようと思っていたので、各ページページ左側にはメニューを配置していたのですが、その部分の背景に、橋の欄干に立っていたメイスを握る天使像を載せる事にしました。


 他にも、堕天使の像などもいろいろ見つかりキープしたものもあります。彫像に限らなければ絵画でも気になる絵も見つかりましたし。その中で特に見つけて良かったと思ったのは、ミカエルが描かれた絵画のうちの1つに。グイド・レーニが描いた絵だったとは......びっくりでした。

 グイド・レーニはたぶん日本ではマイナーな画家なのだと思いますが、海外ではけっこう人気があるとか耳にした事があります。また当時はラファエロの再来ともいわれ、近年の古典絵画の再評価と共に本来の評価になりつつあるそうです。テレビ番組の「美の巨人たち」でも前に取り上げていましたが、「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」が、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」とどこか似ていて、もしかしたらフェルメールがそれを参考にしたとか..........番組(下記ページにも書かれています)で紹介されていました。

 詳しくは下記に載せたページに書かれていますが、ベアトリーチェが実の父親に関係を求められ、それに耐えきれなくなり殺害してしまった罪で処刑されたのですが、その場所が、前述のサンタンジェロ..............。

グイド・レーニ「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」
http://www-cvr.ai.uiuc.edu/~slazebni/personal_page/scrapbook/paintings/beatrice_cenci.jpg

フェルメール「真珠の耳飾りの少女」
http://www.ibiblio.org/wm/paint/auth/vermeer/i/earring.jpg

EPSON〜美の巨人たち〜: グイド・レーニ「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/picture/f_041218.htm

† 01:09 | トラックバック | Topへ▲ †

 去年の今頃に下書きしてそのまま放置(未公開のまま)していました。
以下その時のまま

------------------------------------------

 普段、ウニクロ(ごめん、なぜかそう読んでしまう......)で買うものといったら家で着るものか、インナーくらいなのですが(ごめんなさい)、この間たまたま処分品のワゴンを見てみたら、アンディ・ウォーホルなどの作品をプリントしたTシャツがたくさんあって、思わず漁ってしまいました。

 そんなコラボTシャツを売っていたことは知っていましたが、その時は、ふ〜ん...という感じで、特に気に留めていなかったのです。もともと現代アートはそれほど好みでもなかったので。 でも、処分品を漁っていたら、(アンディ・)ウォーホルのキャンベルスープのプリントのものがあって、ネタにはよいかもと思い他にもないかなと漁っているうちにだんだん嵌まっていってしまって.......。w  ワゴンの中を必死に漁っている姿は、端から見たらちょっと危ない人だったかも.......。

キャンベルスープは、ウォーホルの作品の中でも(モンローのシルクスクリーンなどと同じく)有名な代表作の1つです。

 漁っているうちに、おっ、っと思ったのが、「Compositions」と書かれているノート風の柄のもの。そのノートの柄が素敵で、黒地に白色プリントのモノトーンが気に入ってしまい、誰のだろうと思ったら、リキテンシュタインの作品のようでびっくり。リキテンシュタインというと、アメリカのコミック風の作風で、どう見ても同じアーティストのものとは思えない柄でした。とにかくこれも即決。

ここに載っているのがその柄。ちなみにこのノートには名前を記入する欄まであったりします。w 実際このシャツに名前を書ける強者はないでしょうが。
http://www.artnet.de/magazine/reviews/kletke/kletke08-24-05.asp


 値段も値下げしてあって1枚700円くらいだったので、ついつい他にも、「おっ、これはっ」とか「うわっ」とか言いながら、漁っていた自分が...........恥ずかしい。


 ユニクロはいろいろな分野とのコラボ商品を出していますが、前に、楽器メーカーのロゴをプリントしたTシャツを売っていた時があったのですが、ご存知の方います? あれを知ったのが、もう販売終了後だったのですごく悔しかったです。あわててサイトを見るとまだ商品のリストが載っていて、MXRとかジムダンロップとか....楽器やらない人には分からないだろうメーカーがたくさんあって..........だから逆に楽器をやっている人には嬉しい商品でした。
 なんでもそれぞれメーカーの説明がついていたようで、MXRには、「ランディ・ローズが(distortion+を)使っていた事で有名な..........」というような感じに書かれていたとか。

 是非とも手に入れたかったね..........。

まあそれはもう仕方無いけど、今回の掘り出し物には満足出来たしなかなか良かったです。

----------------------------------------------
.........というわけで、ユニクロに限った事ではないのですが、探すと良いものがあったりしますね。
ブランドとか値段に関係無く選んで買っているので、時々そういうことがあります。ユニクロ以外だと、うちの地方だとアベイルとか。開店したてのアベイルへ行ったとき、なんか田舎のヤンキー臭い感じのとか多かったので、ここはダメかも.....と思っていたのですが、時が経つにつれてそういうのが少なくなって、けっこう気に入るものが見つかる様になりました。ユニクロは.....無地が多いので、やっぱりインナーとか下着類になってしまいます。でもユニクロの靴下は、なぜかすぐ伸びるので参ります。

 ユニクロでの他の掘り出し物っていうと、傘です。暗めのワイン色の無地の傘で、柄の部分は木製で骨は黒の金属で、すごくシックというか高級感のある雰囲気でお気に入り.........でした。いや、今も時たま使う事もあるのですが.......ちょっと穴を開けられてしまって。たぶんタバコの火による穴だと思うのですが、いつのまにか開けられていて、すごいショックでした。同じ様な傘がまた売られないかな...なんて思いつつお店を覗いたりするのですが.......ないですね。。・゚・(ノД`)・゚・。

† 09:42 | トラックバック | Topへ▲ †

 ........書こう書こうと思いつついつのまにか2年も経ってしまいました。

 ロートレック〜葡萄酒色の人生〜(直リンだとトップに移動してしまうのでコピペで)
http://www.biograf.cz/filmy/1999/02/lautrec/index.html
  という映画についての感想を交えつつロートレックについて書こうと思っていたのですが、感想をうまくまとめられず下書きのままいつのまにか放ったらかしにしてしまいました。とはいっても相変わらずの事、たいしたことは書けないのですけれど。


 この映画は、ほとんどロートレックの生涯を綴った内容になっていますが、見た後調べたところではスポットとして当てたのはシュザンヌ・ヴァラドンとの恋愛だったようです。ロートレック、ヴァラドン共に画家で、ロートレックは死後になって人気が高まり、ゴッホの様に破滅的な画家としても有名です。ヴァラドンは同じく画家のユトリロの母親として名が知られていますし、同時期の画家のルノワールやドガのモデルを務めていました。この映画の内容がどこまで事実に基づいているのか詳しくは分からないのですが、手持ちの画集の解説やネットで調べた情報と照らし合わせると、おおよそ史実に忠実な内容の様です。


 今でこそ、ロートレックの風貌や人柄を少なからず知っていますが、まだ名前くらいしか知らない頃は、ロートレック(アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック)という名前の響きに随分と紳士的なイメージを抱いていたのですが、写真(上)を見てそんなイメージは消し飛んでしまいました。写真を見て不思議に思われるかもしれません。子供の頃に誤って足を骨折してしまいそれ以降その足が成長する事はなかったそうです。原因は、両親の近親間の婚姻によるものだと言われています。

 フランスでも指折りの大富豪と知られていたトゥールーズ家の御曹司としてそれまで寵愛されてきたのが一変、その奇形から見放されてしまい、その後の活路を見出そうとした結果、画家になる事を決心します。ちなみにトゥールーズ家は絵の上手い家系だったことで知られています。


 パリに移り住んでやがて夜の歓楽にふけるようになります。よく....酒と女に溺れてゆくようになる....つまりこれが破滅型の画家の端的な表現ですが、個人的には「溺れた」という風にはあまり思えません。もちろん結果的にはアルコール中毒と梅毒により命を落とします。しかし、彼は大変な美食家だったといいますし、性欲が「人並みはずれて」旺盛だったと言われています。また自身の境遇に屈する事なくひょうきんで明るい性格だったとも言われます。そして言うまでもなく大富豪の生まれであるのです。それらから察するに、溺れた、堕ちた...というようなネガティブな風には感じられないのです。ほとんど無尽蔵にある財力を元に、「純粋に」 したいことをしたいままにしたまでのことで、その結果その止めども無い欲望に身体がついてゆけなかっただけなのだと...........そう思っています。なので彼がそれほど不幸だったとは思えないのです。それでも「破滅」はしていることには違いはないのかもしれませんが。

 この映画でも描かれている様に、シュザンヌ・ヴァラドンという一人の女性に愛されています。その関係は長くは続きませんでしたが、映画を見た限りでは幸福の時間であったに違いありません。その頃の場面がまたまぐわってるところばかりで、一瞬違う映画を見ているのかと思ってしまう感じでしたがw、満ち満ちる葡萄酒の様な雰囲気が感じられました。共寝して朝起きてxxx、朝ご飯食べてたらxxx、シュザンヌをモデルにして絵を描いていたらxxx、ワインを飲み交わしながらxxx............(*ノωノ)
 ついでに書いておくと、シュザンヌ役の女優がまためちゃめちゃ綺麗な上に身体も素敵で......実際のシュザンヌはどうっだったかは知らないけれど、ま、あれだったらああなってしまうのも当然です。w 


 「大きな注ぎ口のついたコーヒーポット」と自らをそう評していた様に、絶倫だったロートレックにとってシュザンヌひとりでは満足できなかった...と何かでそう書かれていたのですが(ソースは失念)、それのせいで娼館に入り浸っていったのだという推測もできます。また酒...とりわけアブサンの飲む量がしだいに増えていきます。アブサンというのは、麻薬性のあるアルコール度数の高い緑色の酒で、これで身を滅ぼした芸術家は多いです。ロートレックの他に画家ではモディリアニがアブサン漬けになっています。

 そんな荒廃し始めたロートレックに気性の激しいシュザンヌは怒り上がってしまって、もう大変。アトリエ内に並べられていた酒の瓶をなぎ倒し立て掛けてあったイーゼルをぶちこわしてアトリエ内はめちゃめちゃに.....。娼館に居すわっているのを察したシュザンヌが押し掛けて、「アンリ、出てこい!」なんて罵声をあげたや否や、「アンリをだせっ!」と、娼婦相手に詰め寄ったりで、もう迫力満点。w

 そんな争いもやがて終わりすっかり愛想を尽かしてシュザンヌはアトリエから出て行ってしまうのですが、それ以降ロートレックもすっかり娼館が住処になってしまいます。


 ロートレックと言えばムーランルージュ。ポスターを手掛けた事で有名ですね。素早く描写することに長けており、踊り子や娼婦の絵をたくさん残しています。時々、ルポタージュ的だとも言われる様に、当時の風俗を題材にしてありのままに描いたのですが、他の画家と違う点は同じ境遇の世界に浸りその中からの視線で描いているということだと思います。決して娼婦達を軽蔑することはなく、..........映画を見た限りでは、友達みたいな間柄の様。娼館での朝食で娼婦から「アンリ、ポテト食べてく?」なんて声かけられて、何十人も並ぶ長いテーブルに一緒に腰掛けて、食べている場面がありましたが、あれはちょっと異様というか可笑しかった。ひとりだけ背の低い男が入り交じってにこにこしながら食べているんだもの。と同時に妙に微笑ましくも感じるのでした。

 ただし、手持ちの画集の解説には、ロートレックがアルコール中毒になった理由として、毎晩その娼婦達から飲まされていた事が原因だと書かれています。当時、酒の量に応じた報酬でもあったので、できるだけたくさん飲ませてあとは外へ放り投げてタクシーへ送らせていた.....とか。なかなか強かで抜け目ないですね。

 ちなみに....娼館はかなり大きな建物で、1階が大広間で客が品定め(?)するための場所で、カンカンやったり踊ったりする所で、2階が個室になっています。前述の様に広い食堂はもちろん中庭なんかもあるような感じ(....だったはず...)。ロートレックが、閉ざされた空間内での共同体、女子修道院の様な場所であることに興味をそそられたという理由もあったようですが、確かにそういう雰囲気がありました。

 なるべく史実に基づいて映画化されていると思われますが、その中でも演出臭いなと思ったのは、いつもの様に部屋で娼婦(2人)を描いている最中に、いきなりある客が入ってきて、誰かと思いきやなんとロートレックの親父だったのです。お互いに気付いて親父は逃げようとするのですが、他の3人はやる気満々。「ベッドも2つあるし、しようしよう」なんて言ってるし.........。w 

 その辺りまでが楽しめますがそれ以降は、だんだん悲惨になってゆくので見ていて可哀想に思えてしまって......。梅毒感染されて、水銀注射されるし、アルコール中毒の悪化で譫妄(せんもう)状態に陥って精神病院に収容されてしまうし、どうにか退院でき家に帰ろうとするのかと思いきや、開口一番「ムーラン街へ!」なんだもん。もうほとんどヨロヨロ状態で歩行もおぼつかないのに、それでも笑顔で向かってしまうのを見ると、開き直っているのか、それともそれで楽しんでいるのか.......もうどうでもいいからとにかく欲望の果てまて突っ走る、って感じがして本人がそれを望んでいたならそれで良いけど見てる方は痛々しかったから心境は複雑です。


 最後の臨終の際の演出は史実通りか分かりませんが、遺体を運ぶ途中、道際から娼婦達が「バイバイ、アンリ」みたいなノリで笑顔で見送って終わりでした。ちょっと作ってる感じがしたのでいまいちでしたが、結局のところロートレックにとって見送られるにはあれが一番だったのかもしれません。


 そういえばこの映画で知ったのですが、ムーランルージュってとても明るい雰囲気なのですね。......それまでずっと、妖しくて暗い感じだと思っていたのですが全然違いました。「天国と地獄」をバックに大音量で流れる中、フレンチ・カンカンの華やかで(健全ではなく)健康そうな明るい妖しさが満ちあふれていました。

ARC :: Henri de Toulouse-Lautrec (1864-1901)
Musee Toulouse-Lautrec(トゥールーズ家の屋敷を改装して美術館してある)
MOULIN ROUGE (Site Officiel)ムーランルージュのオフィシャルサイト。今でも変わらず営業していて観光名所になっています。

左絵から順に、「Moulin Rouge」、「The Englishman at the Moulin Rouge」、「Woman with a Black Boa」。「Moulin Rouge」はロートレックと言えばまず引用される絵の1つ。このポスターは公開当時から好評でした。「The Englishman 〜」は、群馬県立美術館で「西洋の誘惑」展において展示されていました。石版画なのであちこちにあるようです。ちなみに展示のものは...確か三重県立美術館だったはず。 少ない線で表情や雰囲気を的確に表すのはさすが、ロートレック。モネ、ゴッホ、ドガ等と並んで日本の浮世絵に影響を受けたことが、平面的でシンプルな作風がポスターには打ってつけだったのでしょう。「Woman with a Black Boa」は、日本国内では検索してもヒットしなかったのでマイナーなのかな....。でも個人的にはここ最近お気に入りです。

 .........他にも好きな油彩画があるのですが紹介しきれない.......。ポスターが有名ですが、個人的には油彩画の方が好きです。顔の表情が独特なのです。どこか儚げで物憂い表情をしているのが多くて、それに....ロートレックの背が低いのが関係しているのか、肖像画などはこちらから見上げた様に描かれているものが見受けられます。そういうのが表情に表れているのかもしれません。今まで何度かロートレックの油彩画を間近で見た事がありますが、その展覧会のトリがモネやルノワールだろうと、自分にはロートレックの絵が一番輝いて目に飛び込んで来るのです。

† 00:22 | トラックバック | Topへ▲ †

谷崎潤一郎「刺青・秘密」

  先日読み終えたドラキュラよりも前に読み終えていたのですが、谷崎潤一郎の作品にも嵌まりそうです。

 買う前までは、名前くらいしか知らず、何と言うか....敷居が高そうな気がして敬遠していました。自分には純文学のおもしろさが分からないのではないかと思う事がよくあって、それでも日本人として或る程度たしなんでおかないといけないとも感じているので、少しずつ手を伸ばしています。

 とりあえず代表作の中から選んで、タイトルで惹かれてこれを読んでみたのですが........これは.........嵌まるかも!

 「刺青(しせい)」は、ほんの20ページくらいしかない、とても短い作品なのですが、その中身がとても凝縮されたかの様な濃さなのです。

 簡単に言えば話の内容は、刺青を入れる際に悶える姿に快感を得ると言う刺青師が、自分の作品(刺青)が似合う女を探し続けてようやく見つけた吉原の遊女に半ば強引に入れるのですが、その遊女はその入れられた刺青によって本来の素性を覚醒し、それまでの刺青師との立場が逆転してしまい.....話の終わりに「…お前さんは真先に私の肥やしになったんだねえ」.....と女は言い放ち、男は「帰る前にもう一遍、その刺青を見せてくれ」と言い返すところを察するに、刺青師はその遊女の姿を前にして堕ちていったのでしょう。

 アマゾンのレビューや巻末の解説を見ると、サディズムとマゾヒズムの対照を描いているようなのですが、個人的には、この女は、いわゆるファムファタル的な存在のように思えました。


 そんな「刺青」の他に収録されている作品を読むと、どれも女が関わっている内容です。
gooの辞書で調べたら.......あぁなるほどやっぱりそういう作風なのですね....。

たにざき-じゅんいちろう ―じゆんいちらう 【谷崎潤一郎】
(1886-1965) 小説家。東京生まれ。東大中退。第二次「新思潮」同人。美や性に溺れる官能世界を描く唯美的な作家として文壇に登場。関西移住後、古典的日本的美意識を深め数々の名作を生んだ。代表作「刺青」「痴人の愛」「蓼喰ふ虫」「春琴抄」「細雪」「鍵」、現代語訳「源氏物語」など。
 
.....この「刺青・秘密」に「異端者の悲しみ」という、ほぼ事実に近いらしい自叙伝が収録されているのですが、その話の中では、友人から借りたお金でさえも遊びのために使い果たしてしまう程、遊蕩し放題です。(しかも貸してくれた友人は返してもらえないまま病気で急死してしまうし.....ひどい) おまけに少々マゾ気質があったようですし(巻末の注釈に記述してあるし、作品内でも書いてあるところからたぶんそうなのでしょう....)、その辺りを踏まえると何となくそういう作風になるのもうなずけます。

 「少年」という作品なんかは......ほとんどSMの女王様とその奴隷状態.........。おまけにスカトロぽいし。まあ、子供同士なので多少微笑ましい部分もあるのですが、「刺青」の様に、途中から立場が逆転して行為がエスカレートしていくのを読んでいくとちょっと鬱です。

 そんななか最後に収録されている、夢オチで終わる「母を乞うる記」は母を慕う優しげな作品で、しっかり終わりを締めている作品の選び方/並べ方も、この本は良く出て来ていると思います。

 それと........意外だったのがカバーデザイン。誰が手掛けていると思います? なんと加山又造なんですよ! 惜しくも亡くなられてしまいましたが、日本画家の巨匠でしたね。思えば、谷崎潤一郎と重なる作風がありますね.........。日本画といえば日本の自然の美を表現したものを思い浮かべますが、加山又造はもちろんそれらがメインだったでしょうが、意外な作品を以前、東京国立近代美術館で見た事があります。黒薔薇と白薔薇模様のレースを1枚羽織っただけの女性のヌード画です。2枚で1対になっているもので、大きさはよく憶えていないですが、等身大に近い大きさでした。......ヌードっていっても.......その.......ヘア付きなんです。えぇ?日本画で???.....って感じですが、事実です。でもまあそんなことはどうでも良い程、純粋に流麗で華やかさの或る絵でした。

 そう.........そんな作風でありながら谷崎潤一郎の文章表現も素晴らしいのです。2、3行に渡る長い文章が多いのが特徴だそうですが、そんなつらつらと流れる様な文章の中に、先ほどのgooの辞書に書かれてあった「古典的日本的美意識」が溢れています。

 源氏物語の現代語訳も有名だそうですが、もし源氏物語を読むとするならば、個人的には谷崎潤一郎のを読んでみたいです。以前、漫画家の江川達也のを買って読んだ事があるのですが(こちらは当然マンガ)、確かに内容に忠実に沿って描かれているのでしょうが、とにかくストレート過ぎると言うか.....悪く言うと下品過ぎて美麗な雰囲気が感じられずがっかりしてそれ以降買っていません。谷崎潤一郎が手掛けた源氏物語ならば、自分には読める気がします。

 巻末の解説で、「糜爛(びらん)の極致に達したデカダンスの芸術の好適例....」と永井荷風が絶賛したと書かれています。.........そうに違いありません。しかしまあ、いろいろ本を読みあさっていくうちに自然にゴシックやらデカダンスの辿りつくべき場所に辿り着いている事が、不思議な気がしてなりません。


 それと、なんかタイミングが良い事に、近々、「刺青」が映画化されるのだとか。
http://news.goo.ne.jp/news/sanspo/geino/20060120/120060120029.html
でも早速こんな批評が.....。
http://www.eiga-kawaraban.com/06/06011103.html


 書いていたら.....モローの刺青のサロメの絵が浮かんでしまいました.......。
躍るサロメ(通称:刺青のサロメ)

† 02:36 | コメント (2) | トラックバック | Topへ▲ †

 最後に書いたのはフェルメールとレンブラントがトリだった「ドレスデン国立博物館展」..........。

 振り返ってみれば、その後もけっこう美術館へ足を運んでいました。

フィリップス・コレクション展 / 六本木ヒルズ
ギュスターヴ・モロー展 / Bunkamura ザ・ミュージアム


レオノール・フィニ展 /群馬県立近代美術館(リンク先ページはBunkamura)


プーシキン美術館展 /東京都美術館
北斎展 /東京国立博物館


以上、5展。
フィリップスコレクションとモロー、プーシキンと北斎展、それぞれ同日に見ました。モロー展は公開初日でした。

...........1つだけ先に書いておきたい事。
モロー展で見かけたのですが..........UKゴスパンク風のいでたちの女のコが見に来ていたのですが、目立ち過ぎてた.....。
どういうわけか初日に来ていた人は中年以降が多くて若い人はほとんどいなかった中で、あれは目立ち過ぎてたけど.......個人的には「来る」と思っていたのであんまり驚かなかったけど........(*゚ー゚)bイイ  
 いや.....もっと凄い人が来るかと思っていたんだけど....あいにくそういう人は見かけなかった。
「わたしの肥やしになる男を捜しに来ました」みたいなヒト。w
 あれほどファムファタルを描いた画家は他にはいないし.......、ちょっとファムファタルとは意味合いが異なるけど、たぶんそういう人には打ってつけの絵画だと思います。w

† 00:28 | トラックバック | Topへ▲ †

これを書いたのは....8月だったから、6月末か7月辺りの話.....。


 ドレスデン国立博物館展。

これは先月見に行ってきたもので、昨日辺りまで開かれていた展示です。ドレスデン展とは言っても、結局はフェルメールの絵を見るのがお目当てなわけです。もちろん展示作品の大トリ的扱い。事前に調べたところではレンブラントの有名な「ガニュメデスの誘拐」をはじめとした絵画や、宝飾、陶磁器など、様々な作品が展示される、とのことでしたのでかなり期待していました。

............実際見てみると、正直言うと、あんまり惹かれるものがありませんでした。まずとにかく展示物の数が多くて1つ1つじっくり見る気が起きないのと、絵画以外の分野の展示物が、個人的には楽しめなかったこと、それとフェルメールの絵が見たくて仕方無かったので...........という感じで、コインや陶磁器辺りはあまりじっくり見ませんでした。この展示会に限らず、必ず見に行った展示会はカタログを買って帰るので、後はカタログを見ればいいかな....と思ってしまって.........。


博物館展でしたので、ある程度は、そういう工芸品なども展示されるのは承知していましたが、思っていた以上に数が多い上に、絵画でも知らない画家によるものも多かったので、ちょっと期待していたのとは違いました。それでも、細かい装飾が施された武器(斧、ピストル、剣など)は、目を見張るものがありました。実用されたものもあったようですが、とにかく装飾が凄いのです。これは装飾のネタになるなと思ってじっくり見ていました。 あとは.........宝飾。あんなにダイヤモンドの輝きが強烈だったとは今まで思いもしませんでした。本当に突き刺さる様な輝きなんですね.....。


 でもでも!やっぱりフェルメールの絵は素晴らしかったです。この1枚だけでも元はほとんど取った様なものです。今回展示されたのは、「窓辺で手紙を読む若い女」でした。以前見た、「画家のアトリエ」と比べると、多少粗い感じがしました。それでもあの何とも言えない空気感はありましたし、横顔で静かに俯く女性の姿が印象的でした。また、色彩も決して明るくはないトーンで柔らかい光が窓辺から差し込んでいる.....フェルメールの特徴ですが、本当、この光や空気の捉え方が凄いです。写実的ではありますが、他の写実的な絵とは明らかに異なる雰囲気です。
 しかも!!! フェルメールの絵なのに、手前に柵もなく、間近で見られたのが嬉しかったです。以前のは1mぐらい離されて分厚いガラスの奥に展示されていたのに........本当にこんな展示の仕方でいいの?...とこちらが心配になってしまうほどだったのに。


.........というわけで、展示数が非常に多かったので、全てをじっくり見る、というわけにはいきませんでしたが、見たいものは見られたし、見てきたので、もちろん満足でした。

† 06:18 | トラックバック | Topへ▲ †

 続いてラ・トゥール展。
実は、最近まで知らなかった画家です。日本にはかなり昔から展示されてきたことがあるようですし、全く知られていないわけではないのでしょうが、超有名というわけでもありませんよね....。しかし、海外ではフェルメールなどと並ぶ程、評価が高く、有名なのだそうです。

 そんなラ・トゥール。今後、まとまった数で展示される事はないだろう....とか囁かれていたので、それなら見なくちゃ!というわけで、見に行ってきたわけです。ラ・トゥールもラッキーな事に、テレビ(新日曜美術館)で取り上げていたのを見てから展示を見る事が出来たので、楽しめました。同日見たゴッホ展と比べると、物凄く空いていました。........まあ当たり前といえば当たり前ですよね....。でも見る側にしてみれば、空いている方が楽です。落ち着いてじっくり見られますから。

 展示室へ入ってびっくりしたのが、室内の暗さ。ゴッホ展のが明るかったせいもあるかもしれませんが、かなり暗いと感じました。さらにラ・トゥールが題材に取り上げたものが、暗い.....というか世俗的なものの中に潜む暗さ、みたいなのが多くて、そういう画風も相乗効果で、独特の雰囲気が出ていました。..........本当、ゴッホと比べると対照的かもしれません。

 その中で今回展示のトリ的な作品だったのが、「いかさま師」と「マグダラのマリア」でした。「いかさま師」ってタイトルも凄いですが、確かにいかさま師を描いています。カード(トランプ)をしているのですが、いかさま師が4人でグルになって、お坊ちゃんから巻き上げようという絵です。いかさま師の一人が、ひそかに背中にカードを隠しているところが描かれていたり、いかさま師のボスであろう女いかさま師が餌食のおぼっちゃんを見詰める表情、それとは対照的に嵌められている事に気付かないお坊ちゃんののほほんとした表情............それぞれ違った表情が描かれていて、なかなか面白い。

 「マグダラのマリア」は、少し前流行った(?)、ダヴィンチコードでよく取り上げられていた、マグダラのマリアです。イエスの母のマリアとは別の人物で、もともと娼婦だったのですが、イエスに悪霊を追い払ってもらって以来、信者になり、イエスの復活を最初に知ったのもこのマグダラのマリアであり、その際に「ノリ・メ・タンゲレ(私に触れるな)」と呼ばれた人で有名です。聖書に登場する人物なので、他の画家も多く取り上げているようですが、ラ・トゥールの描くマグダラのマリアは、かなりダークな雰囲気です。真っ暗な闇の中に小さなランプの灯で照らされていて、その表情も憂いのある様な、俯き加減で、何となく静寂感の漂う絵です。複数、マグダラのマリアを描いていて、今回展示されていませんでしたが、ドクロを抱えている絵もあるようです。.........ちなみドクロは悔悛の意味を表すもので、マグダラのマリアには必携のアイテムの如く、合わせて描かれる事が多いのだそうです。


 作品展数も少ないにも関わらず、かなりの数(とはいっても70点程だったと思います)が見られたというのは確かにラッキーなことなのかも。ちなみに、この展示が企画されたのも、西洋美術館がラ・トゥールの絵を購入した記念だったそうです。

 取りあげる題材や色彩などが、例えば印象派の様な綺麗な風景.....というようなものではないので、万人向けではない作風であることは確かでしょうが、他の画家があまり取り上げなかった俗っぽい世界を描いた絵は、何となく不思議な気にさせられました。

 そうそう..........ミュージアムショップでおもしろいグッズを見つけました。ラ・トゥールの描いた、マグダラのマリアには、ランタンを手にしている絵があるのですが、その描かれているものと良く似たデザインのランタンが売られていました。2種類あって、1つは銅製の小さなものと、もうひとつは鉄製の大きなもので、こちらの方が描かれているものによく似ていました。.............それで、なかなか気に入ったので買ってしまいました。家に帰った後、早速、窓辺に吊るし点火。.........久しぶりにロウソクの火を間近で見ましたが、なかなか風情があるものです。それからというもの時々点けています。...........真夜中の夜道を歩く時もこれを持ち歩けば危なくないね。w (.......却って危ない。w)

† 00:29 | トラックバック | Topへ▲ †

 書きそびれていた展示会のレポートをまとめておこうと思います。

ゴッホ展 (東京国立近代美術館)
ラ・トゥール展(国立西洋美術館)
ドレスデン展(国立西洋美術館)


 ゴッホ展とラ・トゥール展は、午前中にゴッホ、午後はラ・トゥール、と同じ日にまとめて見に行ってきました。........ちょうどゴールデンウィークの間に行ってきたので、もう3ヶ月も前になりますね。普段、日本画や日本の画家の絵を展示している、近代美術館でゴッホ展をやるというのが意外でしたが、美術館へたどり着くと.......凄い事になっていました。美術館の敷地内にひしめき合う人だかり。おまけに2階の方まで.........。G.W.期間に来たのが失敗だったとこの時気付きました。(遅かった...。) それで、まずチケットを買うためだけに並ばなくてはいけないのですが、なんと最後尾が2階のテラス。うそだろ〜、って思わず言いたくなる程でしたが、見ないで帰るわけにも行かず仕方無く2階へ昇り並ぶ事に。.........この混み振りは、以前、横浜美術館で見た東山魁夷以上です。.....異常です。20分くらいしてやっと地上に降り立つ事が出来たかと思ったら今度は迷路の様にくねくねと長い列が.........。しかもこの日は日差しが強くかなり暑かったので、じっと待つのがかなり応えました。その間、周りを眺めていたのですが、個人的な推測ですが、日頃、美術や絵画にさほど興味のない人がゴッホというビッグネームに引き寄せられて見に来た....という感じがしました。というのも家族連れがかなり多く、年齢層も偏りなく幅広い感じでしたので。それと.............まあ、周りから聞こえてくる会話を聞く限りでは、あんまり美術への知識がないようだったし.........。だからといってそれが悪いというわけではないですよ。念のため。(第一、自分だってろくに知らないのだし。)

 結局、チケットを買うまで40分くらい掛かったと思います。.........それだけ人がいるという事は当然館内も凄い事になっているわけです。ゴッホ展と名前が付いていますが、もちろん展示全ての絵画がゴッホであるはずがなく、ゴッホメインの後期印象派の展示という具合でした。なので、モネやセザンヌ、などもあるわけなのですが、なぜか.....というか当たり前なのか、ゴッホ以外の絵はみなスルーしてしまうんです。(ゴッホの絵の背後の壁には側に色がつけられていて遠くからでも識別可能でした) セザンヌなどの絵だってめちゃめちゃ素敵なのに..........。その代わり、ゴッホの作品、日本の錦絵を模写したものや、ちょっとしたデッサンまで、どの作品の前も動かない程混んでいるんです。なので、順番はあまり気にせず、空いているところから見る様にしました。

 しかしやっぱりゴッホの作品には本当に素晴らしいものがあるのも確か。展示物の中に、ゴッホが色の組み合わせを考える為に、さまざまな色の毛糸を組み合わせた毛糸玉があったのですが、これが意外でした。それまでゴッホというといかにも天才肌という感じで、色彩等全て感覚でやっているものだと思っていたのですが、そうではないのだそうです。日々、いろいろ試行錯誤していたそうで、あのゴッホ独特の鮮やかな色彩も、考え抜かれたもののようです。 本当は絵具で色彩を試したかった様なのですが、絵具を買うお金がなかったために毛糸で代用したそうです。その残された毛糸玉の色の組み合わせは、まさしく「種まく人」などの絵に描かれているものを同じ。薄紫色と黄色。赤と緑、青とオレンジ、いわゆる補色の関係にある色を組み合わせたものが多かったです。

 展示の中でトリともいえる、「種まく人」、「ひまわり」、「夜のカフェテラス」。確かこの3枚が並んで展示されていたと思いますが、とにかく圧巻。その展示室も超混雑。とにかく補色を意識した色彩の対比が見事で、あのうねるような筆致が間近で見ると本当に迫力があります。思った程、厚く塗られているわけではないのですが、生々しいタッチが拝めるのはやはり展示会ならでは、ですね。
 それらの晩年の作品はもちろん素晴らしいのですが、個人的には初期の、画家になろうと決心した頃に描かれたものも素敵でした。聖書や古靴、かなり暗いトーンで対照的な作品ですが、この重厚さが気に入ってしまいました。タッチも晩年とは異なる感じですが、それとは別に素晴らしい筆致なんです。


ちょうど見に行く前に、テレビでゴッホを取り上げた番組(新日曜美術館)や、BSで、かなり昔のものでしたが、ゴッホの生涯を綴った映画なども見たので予習ばっちりの状態で見られたので、あの混雑ぶりには参りましたが、とても充実した時間を過ごせました。...........ゴッホの生涯を知ってしまうと思わず同情してしまいます。生前に売れた絵はたった1点。耳切りや自殺などは有名ですが、他にもネタが尽きないほどいろいろあったりして、本当、報われない人生だったような気がして悔まれます。今日、沢山の人に愛されていることを知ったら、どう思うのでしょうね。

.............と、いろいろと書きたい事はあるのですがとりあえずこの辺りでやめにしておきます。

† 23:56 | トラックバック | Topへ▲ †

先週の「美の巨人たち」で取り上げていたのは...........山田かまち。
地元、群馬の人なので県民以外でどれくらい知名度があるのか分かりませんが、(って言ったって県民だって知らない人はいるでしょうが。)マイナーな存在には違いないはず。それに別に画家ではないですし。将来そうなっていたかもしれませんが...。

 美の巨人たち


 番組冒頭で、いきなりローカル臭さ100点の高崎駅前の映像が.......。 その後は、護国神社へ続く道が映って .....。いやあ、群馬テレビ(ローカル局です。県民でも見る人すごく少ない...はず)を見ているのかと思ったよ。w  確か広瀬画廊の近くに山田かまち水彩デッサン美術館があったような気がしますが、行ったのは随分前の事なので憶えていません。

 昔、親に連れられて見に行った事がありました。........ちょうどかまちが亡くなった歳と同じ位の時。 その頃絵画なんて全く興味がないし、はっきり言って連行されに行った様なものです。絵よりも飾られていたギターの方が気になって仕方無かった....という具合でしたし。なぜギターが飾られているかと言うと..........、晩年、ギターを弾くのに夢中になっていたのと、...........それで亡くなったからでしょう。この少年の名を知っている人はおそらく知っているはずですが、死因はそのギターによる感電でした。

 17歳による死、永遠に少年のままだから、そのことが同年代の人を惹き付けているのだと思います。館内に展示されているのは絵だけでなく詩も多いです。良く言えば青春の輝き、悪く言えば青臭さ.......、そんな雰囲気です。番組でも取り上げられていましたが、館内にはノートが置かれていて、びっしりと来館者のメッセージが書かれています。...............申し訳ないですが、そういうのはダメ.....なんです。来館したのは同年代だったにも関わらず、ああいうのは受け入れられませんでした。前述の、青臭さで充満しているように見えて、ひどくつまらなかったんです。すごく好きだと言う人ももちろんいるでしょうしそれを否定することはしません。好みの問題であれは受け入れられなかった、ということです。

 実際、飾られている絵は、上手いと思います。子供の頃描いた動物の絵は特に上手いと思いました。各々の動物の雰囲気をよく捉えた色彩、動きのある線、..........番組でも同じ事を館長がおっしゃっていましたが、やっぱりそこが特筆すべき点なのでしょうね。(番組内では語られていませんでしたが、確か、井上房一朗もその才能を高く評価していたとか訊いた事があります。井上房一朗というのは、地元群馬の中堅ゼネコンの社長だった人ですが、いわゆるパトロンでもありました。)  とはいえ、あの美術館は、純粋に絵を見るということではなく、たぶん、瑞々しい青春の輝きを見てほしいのだと思います。


 館内2階(だったと思う)にはギターの側に氷室京介のメッセージが飾られています。なぜかというと、当時かまちと友達だったようで、一緒に集まってギターを弾いていたりしていたとか。............生きていたならどうなっていたのでしょうね。晩年は本当にギターにのめり込んでいたそうで、自作曲の譜面も発見されているんですよね。確か、世界に通用する音楽を演る、とか言っていたそう..........。絵もうまいし、きっと音楽にもその才能はあったはず。.........そう思うととても残念です。生きていたらもっと有名になっていそうな気がします。

 ちなみにかまちのギターは、確かグレコのストラトだったはず。ナチュラルフィニッシュのもので、そういえば最近はあんまり見かけない仕様かも。当時、フェンダーやギブソンは高嶺の花だったので、国産のコピーモデルがポピュラーだったようですが、中でもグレコのはクオリティが高かった..........とか。目の付けどころが鋭いかも。


 余談ですが、かまちのギターによる感電死のせいで、ギターを買うのをためらった過去があります。 本人には申し訳ないですが、本来、ギターによる感電死はありえないはず。確か、ケーブルが短いとかで2本のケーブルを強引に繋ぎ合わせた、線がむき出しになった部分が、真夏の暑さで汗だくになっていた体に触れて感電だったとか..............。

† 22:53 | トラックバック | Topへ▲ †

 先々週の「美の巨人たち」では、天才技師ギュスターヴ・エッフェルによるエッフェル塔を1時間スペシャルで取り上げていました。......もう感激です!  というのも、あのエッフェル塔、実はフランスにおけるゴシックリヴァイヴァルの具体化として傑作の建築だからです。

 ゴシックという文化は、12世紀あたりから14世紀辺りに最も栄えた文化ですが、その後ルネサンスに移り変わりゴシックは衰退していくのですが、1750年、イギリスのストロベリー・ヒルにゴシック風の館が建てられたのを機に、徐々にフランスやドイツなどで、再びゴシックが持てはやされる様になるんです。これをゴシックの復興ということで、「ゴシック・リヴァイヴァル」と呼ばれたりします。

 フランスのゴシックリヴァイバルに貢献した人物と言えば、やはり「ヴィオレ・ル・デュック」でしょう。この人物は、パリ大聖堂(ノートルダム大聖堂)のステンドグラスの修復など行ったのですが、彼は単にかつてのゴシックの模倣に止まる様な事はせず、当時のゴシックの理念を継承し新たに建造する事が目的だった様です。

 産業革命と共に現れた新たな建材である、鉄、ガラス、コンクリートの中の、最も力学の構造が鮮明に現れる鉄を、ヴィオレ・ル・デュックは特に注目していました。エッフェエル塔の設計はエッフェル......だと思っていたのですが、厳密に言うと彼ではないそうです。エッフェルの建設会社に勤めていた社員二人によるアイデアとその社員の上司である建築家のステファン・ソヴェストルが手直しして作られたものなのだそうです。このステファン・ソヴェストルという建築家は、ヴィオレ・ル・デュックの理念を継承する建築家グループに加わり、1878年のパリ万博で、鉄骨による建築物を展示していた人物でもあるそうです。

 まあ、そんなうんちくは抜きにして、エッフェル塔は緩やかな曲線とは裏腹に内部に張り巡られた無数の鉄のフレームの組み合わせが何とも言えないかっこよさ! 鉄材を留めるリベットがあたかも中世ゴシック大聖堂の表面を飾る突起物で、無数のフレームがリヴ・ヴォールトのように思い起こさせてくれたりして、ホント、ゴシックリヴァイヴァルの化身って感じがします。東京タワーと同じ様なものかと思っていたのですが、構造が違う感じ。それにフレームのデザインも異なるし、なにより色が違う! くすんだ赤茶色というか焦げ茶色というか.....ダークな色彩が、これまた(^∀^)イイ


 番組内では、特にゴシックリヴァイヴァルやヴィオレ・ル・デュックうんぬんの話は出てこなかったのですが、代わりに知らないネタを拝められたので満足です。(^∀^)

あとのネタはこちらでどうぞ。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/picture/050319.htm


 余談ですが、先週は、大好きなロートレックでした。最近の「美の巨人たち」は知らないものが多く個人的な好みではないものが多かったので少し退屈だったのですが、2週続けて大満足!!! (^∀^)

† 23:14 | トラックバック | Topへ▲ †

....................気になるといものには、やはり理由があるというわけなのかも。

たぶん、ご覧になった方も多いと思うのですが、去年(2004)の12/14の読売新聞紙面に「ルイ・ヴィトン 時空を超える意匠の旅」展の紹介が載っていました。この展示には読売新聞が主催として関わっている様なので、他の新聞でも同じ内容で載っていたかはわかりませんが、そこには展示の内容と同時に、モノグラムのルーツについていろいろ書かれていました。

 以前から、どことなく気にはなっていたルイ・ヴィトンのモノグラム。1つも持ってはいませんが、今では当たり前の様に目にするので見かける度に、これって何かに似てるんだよな.......と思う事がありました。

 LVモノグラムの考案は、創業者のルイ・ヴィトンではなく、2代目 ジョルジュ・ヴィトンによって、1896年に初めてモノグラムが誕生したようです。当時、パリでは、ジャポニズムという日本の文化が流行り、例えば画家だったら浮世絵などに影響を受けたりしていましたし(モネ、ドガ、ロートレックなど......)、その日本的な自然さや曲線が、アール・ヌーヴォーの文化にも影響を与えたと言われています。ジョルジュ・ヴィトンは、当時のアール・ヌーヴォー作家とも交流があったために、モノグラムにそのような影響があったと、紙面広告には書かれていました。

 紙面に、日本の伝統の文様が合わせて載っていたのですが、それと比べると確かに似てる! 4つの花びらがついた模様なんかは、かなり似てるかも.........。


 で、もう一つ影響を受けているかもしれないと言われるのが、中世ゴシックなのです。ジョルジュ・ヴィトンは、アール・ヌーヴォーと共に中世ゴシックにもかなり興味があったようなのです。日本の文様と同じく、ヴェネツィアの有名なゴシック建築、カ・ドーロ(Ca'd'Oro)の写真が載っていたのですが、そう!これっ!!! ど忘れしてた。別にこのカ・ドーロに限らず、ゴシック建築ではお馴染みのモチーフである、円形を4つ組み合わせくり貫いたデザイン、そっくり〜〜〜。もう一つの先ほどの4つの花びらを菱形の中にくり貫いたデザインもまたゴシックには見受けられます。

 う〜、モノグラムにそんなルーツがあったなんて...........ってだからといって買う事は............一生ないと思うけど。w 当時の、今となってはアンティーク、あるいはヴィンテージともいえる、ルイ・ヴィトンのトランクもいくつか載っていましたが、昔の方のが良いかも! 金具とかリベットの雰囲気がクラシカルで、モノグラムの敷き詰め方ももっと詰めてあって雰囲気がだいぶ違います。 しかもでかいトランクケースは、扉を開けると中身がタンスみたいに引き出しがいくつも付いてたりして.....いかしてる! でも基本的なトーンは100年前のもちっとも変わっていないのが凄い。きっと100年後も変わっていないのでしょうね。

 ゴシックを取り入れたバッグなどは無いと思っていたのに...........さすが王者は目の付けどころが違うよ! というか、ゴシックとかアール・ヌーヴォーっていうのには模様のネタが宝庫な気がします。 ゴシックの模様に関する洋書をいくつか持っていますが、実は意外にも幾何学的模様であり、コンパスで描けるデザインが非常に多いのです。ゴシック様式が生まれ流行った時代は、尖頭アーチのデザインが有機的だと言われ使い続けられてきたそうですし。(それを否定したのがイタリア。イタリアゴシック建築には尖頭アーチがあまり見受けられないのはそのせい)

 ちなみにこの展示、兵庫県立美術館でしか開催されていないと思い違いしていたのですが、実は東京でも、六本木ヒルズ内の森アーツセンターギャラリーで、今月21日まで展示されているそうです。(ちなみに兵庫の方はすでに終了) 創業150年を記念して、創業当時のアンティークトランクから現代のバッグなどの展示の他に、資料等とともにモノグラムのルーツについての展示も。また会場デザインは安藤忠雄によるもの。

 大事な事を忘れてた。 そうだ、ゴシック、ヴィトン、モノグラムに加えて、安藤忠雄が会場デザインするとかいうから新聞の切り抜きしたんだった!  見に行きたいけど、内容が内容だから......でも滅多に見られないだろうし.........でも、六本木の方はこっちからは遠いんだよね.....上野辺りなら電車ですぐなんだけど.................。ま、ヴィトンをこよなく愛する人は行くべきでしょうね。


カ・ドーロの写真
http://www.jssgallery.org/Essay/Venice/Casa/Ca_d_Oro.jpg

† 22:17 | トラックバック | Topへ▲ †

 以前見つけた、とあるサイトをネタに書こうと思っていたら、昨日の新日曜美術館でそれを取り上げていました.....。もうびっくり!

 何についてかというとですね、タイトル通りです。 はい、「おたく」についてです。
去年、ヴェネチアで開かれたビエンナーレで日本が出展したのが、ずばり おたくの文化です。アニメ、ゲーム、フィギュア、同人誌......などなど、混じりっけのない100%ピュアなおたく要素です。時代も変わったものです。まさかNHKでおたくを(しかも美術番組に)取りあげるとは...........なんということか.....................。

とりあえずサイトをご覧になって下さい。おたく:人格=空間=都市
本気でおたくを文化として真面目に取り上げて、それを出展したようです。

 番組内でも細かく紹介されていたのですが、普段、クラシックな、もしくはアカデミックな美術を取り上げているあの番組の視聴者は、どう感じるか興味深いです。何かをむりやりカテゴライズしたり分析したりするのは、特にこういうものには無理があるような気がするので、これらを偏に文化だとか美術だとかそういう風に捉える事は難しいと思うし、説明するのも苦労すると思います。 おたくの要素の1つでもある「萌え」の意味についても取り上げていたのですが、これも同様に、説明する事は難しいと思うのです。 Don't think! Feel It!!って感じですよね..........。でも、「萌え」られないのにどうやって「萌え」を理解するんだ......なんて突っ込まれそうですが。w

 いや、自分自身、「萌え」の定義がよく分かっていませんでした。.........."架空のキャラクターやその特定要素に対する、疑似恋情を表す言葉"だそうです.........。そうだったの.........。ということは、ゴシックは萌えない、ランディも萌えられないし...........ちょっと使い方が間違っていたかも。う〜ん、あ、でも、サロメとマタハリには萌えられるかも。w もうとっくの昔に死んじゃってるけどね。 2次元の世界のキャラには萌えられないよなあ......これが萌えられると、立派なおたくの一員なの?


 他にも、おたくの部屋をミニチュアで再現したものや、海洋堂によるフィギュアなどいろいろ紹介されていました。ビッグサイトで毎年行われているコミケも取り上げられていましたね、そういえば。......また間の悪い事に、インタビューを受けた人が、おたくな風貌な人で........あーあ、これだからまたイメージ悪くなるんだ............。これがめちゃめちゃイケメンだったら受ける印象も随分違う気がする..........。なんというか、おたくの空間って"素人には窒息しちゃいそうな濃厚な香りが充満する空間"、ってイメージを浮かべてしまうんです。

 ああなると、すぐ、やばいイメージに繋がってしまうし(ロリだとか)。そうなると、実際、性犯罪や誘拐/殺人事件なんかを起こした人間がそういう要素を含んでいた事実があからさまになると、ますますイメージは悪くなる訳で.........なかなかイメージをプラスにすることは難しいから、こういう番組等取り上げられる事は良い事なのかもしれません。

10年後、20年後.........."おたく"がどう変貌していくか、少し楽しみです。.........まだ、少しだけだけどね。w

† 23:00 | トラックバック | Topへ▲ †

 うぅ、やっとカレンダーが届きました。......注文したのは去年の年末だというのに。

買ったカレンダーはね、フェルメールの!!!
かなり嬉しいです。

去年、都美で「栄光のオランダ・フランドル絵画展」を見に行って、お目当てのフェルメールの絵(「画家のアトリエ」)を間近に見られて(とはいってもこの絵のみ分厚いガラスケース&柵で1メートルくらい離れてでしたが)、感激してしまい、それ以来すっかり虜になってしまいました。

 フェルメールはかなり謎の多い人で、なおかつ生前に描かれた絵の数も大変少なく、約36枚くらいしか見つかっていません。また、超人気の画家でもあるので、狙われ易く、実際、2枚程盗まれてしまい今も行方不明(だったはず)。絵も各国に散らばっている状態ですからどこも門外不出状態なので、お目にかかれる事は難しい。(日本国内には1点もありません) 

 ですから、この展示を知って、見に行かなくてどーすんの!って感じで、ほとんどこのフェルメールのたった1点目当てでわざわざ都美に行った様なものです。......というか、実際、ほとんどの人がそうだったと思いますが。事実、フェルメールの絵は、大トリ扱いで、館内出口直前に前述の様に、この絵のみ柵+大袈裟なガラスケースに護られて展示されていて、それを見るのにえらい時間が掛かってしまいました。だって物凄い人だかりなんだもの!!! そこだけすごいの。5、60人くらい固まってて全然動かないんだもの! 遠くからでは全然拝めないし、これを見ずして帰れるか!って感じで、もう覚悟決めてとりあえず並んで、30分くらい並んで、ようやく絵の前に..............!!!!

 絵の分からない自分にも一瞬見ただけで、この絵は今まで飾られていた絵とはまるで違う!!!ってピーンと感じました。......本当に違うんですよ。空間というか、なんか空気が描かれている様な感じに見えるんです。色彩は物凄く綺麗で、深みのある物静かな雰囲気なのに、どこか生々しいというか、不思議な錯覚に陥る様な...........何と言ったら良いやら、言葉では表現できないです.........。


 フェルメールの絵は以前から知っていましたが、それほど有名な画家だとは知りませんでした。初めて見たのは、高校の音楽の教科書の表紙なっていた絵かな。......当時、フェルメールなんて名前どころか美術の知識もなかったにも関わらず、「この絵、なんか不思議な絵.....。」と感じたのを憶えています。何故かその絵が気に入ってしまい、その教科書だけは片付けず、ずっと手元に残してありました。その絵は「音楽のレッスン」というタイトルのもので、展示されていたものと同じ感じで、室内で後ろ向きにピアノに向かっている女性が描かれている絵です。この絵には、ちょうどピアノの真上に鏡が掛けられていて、ピアノを弾いている人物の表情が映っているんです。その隣で(おそらく先生)男性が弾く様子を窺っています。.....どことなく、恋人同士にも見えてしまいそうな...俯く顔と横顔が何ともいい感じなのです。


 フェルメールといえば! 青の魔力を存分に活かした画家です。 個人的にこのネタはお気に入りです。だって、大好きなラピスラズリだから! そう、フェルメールは、当時、金と同じ位高価だったラピスラズリを絵具にして、青い部分はもちろん、下地として他の色の部分にも塗っていたそうなんです。影の黒い部分、肌の部分、青色でないのに塗ってあるのだそうです。ラピスラズリの深く鮮やかな青色が、見る人に直感的に何か訴えているのでしょうね。まあ、他にもフェルメールのネタは尽きないのですが、とりあえず今回はここまで。収集つかなくなります。w


 本当、フェルメールのカレンダーが部屋に飾れるだなんて嬉し過ぎ!  モローの絵が一瞬、頭の中から消えてしまいそうな.....程だから。w あの展示でも......そういえば、レンブラントやルーベンスといった巨匠たちの絵もあったのですが、あの時だけは、巨匠たちの絵もフェルメールの絵に座を譲るしかなかったですね。もちろんすごく良かったけど。有名なルーベンスの自画像があったし、レンブラントも、ああやっぱりこの光と影はレンブラントだけだよ.....って思っていたけど、最後のフェルメールに全部持っていかれちゃった。w

 カレンダーが今になって届いたのは、もうひとつの品物がちっとも揃わないからだ.......。未だに入荷されていない状態で自動的にフェルメールの方だけ発送されたという訳なんです。そっちのちっとも来ない品はね.........ビアズリーのカレンダー。......2つもカレンダー買ってどーすんだよって感じだけど、こっちは画集の代わりで買った様なものだから。 3〜5週間かかるなんて.......何やってんだ〜。発送予定は3月上旬って.........あはは。w 気長に待つよ。ビアズリーのカレンダーも部屋に飾るだけで、部屋の雰囲気が変わってしまう.....くらいだから。
Beardsley, Aubrey 2005 Calendar

Vermeer 2005 Calendar: Master of Light
 「真珠の耳飾りをした少女」.....この深いまなざしと瑞々しさ....最高!激萌え!

あ、書き忘れる所だった....。 なんだかまた日本にフェルメールの絵が来るとか耳にしたけど.........。本当だったら絶対行く!

† 23:26 | トラックバック | Topへ▲ †

 今夜の世界美術館紀行は、チェコのプラハ美術館を取りあげるのですが、中身はほとんどミュシャだったりします。.....実はこの番組、地上波に先駆けてBSで同じ週の火曜日に放送するんです。なので、既に見ているので内容を知っているというわけなのです。 冒頭、他の画家の絵も取り上げていたのですが、その後はずっとミュシャばっかり。初めて手掛けたポスター「ジスモンダ」などから、後期の傑作「スラヴ叙事詩」まで、30分番組なので、なかなか詳しい所までは紹介されませんが、それでも一通り拝めました。
 たぶん、このプラハ美術館はミュシャばっかりなのではないと思うのですが、きっと、現在、都美でミュシャ展が開かれているからなのでしょうね。

この番組「世界美術館紀行」は、好きです。コンパクトにうまくまとめられていて良いです。同局の「新日曜美術館」は、なんか個人的にxxxxxだし、テレ東の「美の巨人たち」は、有名どころは既に出尽くしてしまった感じで、最近はマイナーばかりで、ちょっと、ね。
 まあ、世界美術館紀行の方も、ルーヴルやオルセー、プラド、メトロポリタンなど、メジャーな美術館は既に放送されてはいるのだけど.....。細かくシリーズにして分けているから今後も取り上げられるとは思うので、まだまだ楽しみです。


 それにしても、ここんとこミュシャづくしだ......。

† 18:32 | トラックバック | Topへ▲ †

ムンク / マドンナ
モロー/救済される聖セバスティアヌス

 以前、群馬県立近代美術館へ行った際に、ミュージアムショップの奥を物色していたら、過去に開かれた展示会の告知ポスターがいくつかあったので、見てみたらなんと、モローの絵がポスターになっているのがあるではありませんか!!!! しかも¥200だなんていう破格の安さ。 もうひとつ、おっと思ったのが、ムンクのマドンナ。実は、その時開かれていた「西洋の誘惑」展でも展示されていたもので、またかなり前の買った(新潮文庫の)ボードレールの「悪の華」の表紙にもなっていたもので、結構好きだったので、これも合わせて買ったんです。

 で、先週パソコン周りの整理が終わったのでようやくそれらのポスターを飾ったんです。
..........ところが..................。

 夜、ふと目が覚めて見えたのが...........ドクロ顔の女!!!! ............ひぃっ.、幽霊!?....って感じであわてて明かりを付けたら、そのドクロは、ムンクのマドンナでした...........。明るい所では別にそうでもないのですが、薄暗い所で見ると、どう見ても顔がドクロにしか見えないんです.......。ベッドの脇に立て掛けてあった上にけっこう大きめのポスターだからなおさら。迫力満点! いや、冗談抜きで怖かったです。 

 .......まったく、部屋に飾る絵は暗い雰囲気のはやめとけって言われてたけど、う〜ん、やっぱりそうだね。 だめだ怖過ぎる。まさに死の女!!! あんなのに本当に霊が憑いたりしたら........(((( ;゚д゚)))アワワワワ


 その点、モローの方は別に問題ないからよいけど。しかも元の絵よりもサイズが大きいっていうのが(・∀・)イイ。 実際の絵のサイズは本当に小さくて、モローが同様のセバスティアヌスを取り上げた大きな絵を描いていることから、なんとなく習作みたいな感じなのかもしれませんし、たたでさえサイズが小さいのに描かれている人物も隅の方にちょこっと描かれているだけだったので、なおさらです。 拡大されたポスターだと、なんとなくイメージが少し違う様に思えてきました。もっと味わい深くて憂いのある様な色彩にすっかり骨抜きにされてます。

 とはいえ、やっぱり有名な方のセバスティアヌスの方が好みといえば好みですけど。これですね。 描かれているどちらの人物も好きですが、特に右側の天使が好きです。目がくりっとしていて、セバスティアヌスに目を向ける表情としぐさが、萌え。 あとは、上から血が滴り落ちる様な十字架も、なかなかモローらしく好きです。
 この聖セバスティアヌスは他の画家も良く取りあげる聖書の中の1シーンなのですが、どの絵も、みなセバスティアヌスの露出度が非常に高く、かなりきわどいものもあるのですが、モローのはその中でも一番かも。ほとんど「竿」に布切れが引っかかってるだけじゃないの....。w 

 話を戻して、近代美術館では過去に開いた展示会の全ての告知ポスターがたまたま展示されていて、その中に、ビアズリーの「サロメとヨカナーン」の絵が使われていたポスターが!!! 完全にモノクロのポスターで、.......最高に欲しいポスターでしたが、在庫のポスターは残念ながらありませんでした。・゚・(ノД`)・゚・ ムンクとモローの絵が使われているポスターはまだいくつかあったのですが。(....ということはあれかい、あんまり人気無かったってこと? ..........う〜) しかもビアズリー展が開かれていたなんて! もっと早く気付いていれば............かなり悔まれます。 

 でも......サロメとヨカナーンのポスターなんて飾ったら.............夜が怖過ぎる............。萌え死にするか、首が飛ぶか、どっちかだね。w

† 08:54 | トラックバック | Topへ▲ †

アルフォンス・ミュシャ フィギュア ミュージアム

 うわ〜、こんな食玩が発売されていたなんて!!!
かなり欲しい........。
 原型は食玩/フィギュアでは超有名な海洋堂だし...サイトの写真を見てみたけど、かなり細かい!!! もともと2Dだったものを3Dにするのって、貴重だと思うんです。 それがミュシャのなんだからなおさらのこと。
くっ.........まだ売っているのかな........?  デモンズクロニクルにしろいつも気付くのが遅過ぎる..........。

 ここ に書かれていますが、『本格的女性向け玩具付き菓子』.........客層を拡げるため.....? 確かに今までの食玩は、ちょ〜っとヲタ臭い感じがなきにしもあらずという感じだったから、まあこういうのもいいとは思うけど、果してミュシャの食玩に気付く女性は多いのかどうか、気になります.......。

 ミュージアムショップに積まなきゃダメでしょ! (なかった、よね....?)

† 02:23 | トラックバック | Topへ▲ †

ミュシャ展
エミール・ガレ展

 今日見てきました。最初にエミール・ガレ展が開かれている、両国の江戸東京博物館へ行き、その後、ミュシャ展の東京都美術館へ行ってきました。

 江戸東京博物館で、エミール・ガレっていうのも何だか似合っていない様な気もするのですが(個人的には、庭園美術館辺りが似合ってそうな気がしますが...)、久しぶりに常設展の方も見てきました。

 エミール・ガレは、ガラス職人だった人で、ご存知の方ならもちろん知っている、昆虫や植物などがモチーフにされた、有機的な装飾の花器やランプなどが一挙に展示されていました。このエミール・ガレが手掛けるガラスは、多層構造になっていて、........すごく表現できないのですが、とにかく普通のガラスの花瓶なんかとは違うのです。ガラスを付け加えたり、象嵌にしたり、削ったり、とにかく精緻で素晴らしい作品ばかりです。先週の「美の巨人たち」でも取り上げられていた、最晩年の傑作、「手」も展示されていました。エミール・ガレの作品を見たのは今回が初めてではなくて、以前、庭園美術館で開かれていた「ベル・エポック」で見たのが最初でした。あの時は、ガレだけの展示ではなかったので、ほんの数点だけでしたが、今回は本当にたくさんの展示数で、初公開のものも多数あったとのことで、大変充実していました。

 驚いたのは、ガレが手掛けた家具です。.......ガレといえばガラス作品だけかと思っていましたが、木材を使ったテーブルや棚などの家具も手掛けていたんですね。知りませんでした。 この家具も素晴らしく、細かい象嵌が施されていて.....そのテクニックぶりに感動しました。 しかも、平面的/立体的にデザインされていて、家具自体があたかも空間であるかの様にも見えてしまう作りには本当に驚かされました。

 そういえば館内の別ブースで、テレ東系列の「お宝何でも鑑定団」の公開収録(出張鑑定?)していました。エミール・ガレ展にちなんで西洋アンティーク関係の内容だったらしいです。若干当日空きがあったようですが、すごい人だかりでした。あれはすぐ閉め切ったでしょうね.....。


 そして、都美のミュシャ展。ミュシャは人気があるので、人が多いのでは....とは思っていましたが、やはり予想通り凄い賑わい。中へ入っても人が全然動かないし......、牛歩状態。足を止めたくなる程どれも(・∀・)イイですものね。ミュシャは、画家でもありますが、どちらかというとポスターなどを手掛けたイラストレーターの先駆けみたいな感じに捉える人が多いと思います。実際、サラ・ベルナール主演の劇の告知ポスターなどは、ミュシャが手掛けた代表作でもありますし、あれこそがミュシャのスタイルでもあります。........本当、アールヌーヴォーの素敵な箇所を全て押さえているかの様な作風。華麗な草花の装飾、フレームに、デザイン的にカールした女性の髪など...あの、独特の線画が好きです。絵描きさんにもファンが多いのもうなづけます。印象的なシンプルなラインがまずあって、そこからパーツごとに細かく描かれている様な....そんな風に見えます。個人的には、すごくポップに感じます。幾何学というか.....本当、線画がはっきりを縁取りされたところがすごく印象的なんです。.......あとはとにかく綺麗。もうこれについては言うまでもありませんが。


 どちらも、共にアール・ヌーヴォーの美術です。つまりガレもミュシャも生きた時代がほぼ同じだったということですね。お互い影響を受けた事は......なかったっぽいですが、共通する部分が随所に見受けられました。


 そんな充実した一日で終わるはずだったのですが..........、実はミュシャ展を見終え、さあ帰ろうと都美の正門を出た瞬間、段差に足をもろにくじいてしまいました。........曲がってはいけない方向へ足首を曲げてしまい(内側にですね。)、瞬間、(骨の折れる音ではない..と思う)ボキボキっと鈍い音が.........。こんなのは初めてで、まともに歩く事が出来ず、救急車でも呼ぼうかと思った程痛くて.......。それでもなんとか足をひきずりながら上野駅まで到着し、運の悪い事に、遠い15番線の高崎線のホームまで行き......まあ、なんとか電車にも乗る事が出来て、家にもなんとかたどり着く事が出来ました。帰ってきてから足首を見たら.......なんだかめちゃめちゃ腫れていて.....もしかしたらやばいかも.......。何もしていなければ痛くはありませんが、ちょっとでも動かすと痛くて....ろくに歩けない状態。とりあえず湿布を貼って様子見です。

 なんだか......結構凹みました。
それに実は、ミュシャ展......(異常な程)カップルばっかりで.....泣きたくなりました。あれってきっと彼女に連れられて彼氏は一緒に来ていたのだと思いますが........羨ましいです(羨まし過ぎる)........。独り身にはかなり応えます。あんなにカップルばかりだったのは初めてです。......しかも年齢層も自分と同じ年くらいのが一番多かった感じだし.....ああいうのは本当楽しそう.....。

 思えば、年明けて、トラブル続きだったりします。.....日記には書いていませんが、MDレコーダーが突然壊れ、オーディオインターフェイスは不具合続きでOS9では使えないし..........、今年の不幸はこれで終わりにしてほしいと切に願います。....なんだかみじめな気持ちです.。.....本当、泣きたくなりました。ウワーン・゚・(ノД`)ヽ(゚д゚)カワイソーニ


 それはともかく、とりあえずエミール・ガレ、ミュシャ共にお勧めです。ミュシャは、お絵描きする人には特にお勧め。きっと参考になる所があると思います。.......あ、でも一人ではいかないほうがいいかも.........。オメーニイワレタクネーヨ(# ゚∀゚);y=ー(・ω・)・∴ターン

† 21:24 | コメント (2) | トラックバック | Topへ▲ †

昨年同様、年末年始のためにいろいろ本をアマゾンから注文したのですが、結局全然読んでません。
けっこう買い込んだのですが..........ろくに目を通してもいない状態......。
いちおう買った本を書いておきます。(誰も関心ないとは思いますが)

アート・ライブラリー ロートレック
エロスの美術と物語 -魔性の女と宿命の女-
江戸300年吉原のしきたり
天使になった男
少女地獄
セックスボランティア
スクールランブル
xxxHOLiC

...........相変わらずめちゃめちゃな組み合わせだ......。しかもなにげに怪しげなタイトルばかり.....。w

 「エロスの美術と物語」というのは、アマゾンのレビューを見れば分かるのですが、はっきり言ってタイトルが内容と合っていません。サブタイトルの方が近いです。要するに、ファムファタルを取り上げた絵画を紹介している本です。サロメがメインで取り上げられていて、その他ユディット、メデューサなども載っていました。......ほとんどサロメ大集合本、って感じ。w ネットでサロメを取り上げた絵画をかなり見つけたと思っていたのですが......甘かった......。こんなにいたとは! 首、首、首の嵐。頭を掴んでいるものもあれば、抱いているもの、キスを交わしているもの、すごいことになっています。取り上げた画家は、モロー、ビアズリーがメインに、象徴主義/ラファエル前派のロセッティなどでした。 全く持って個人的ツボをしっかり押さえられていた内容で、激萌え。 後でじっくり見ます。

 「江戸300年吉原のしきたり」は、.....まあ詳しく吉原の事が知りたかったのと、樋口一葉を理解するには、吉原は避けて通れないかな、と思ったので読んでみる事にしました。

 ロートレックのは画集です。また詳しい解説も載っていたので、彼の人生や性癖が良く分かりました。w 西はムーランルージュ、東は吉原、って感じで.........あぁ倒錯してる........。

 「少女地獄」.....タイトルが、ロリ臭くて、勘違いされそうですが、夢野久作の作品です。夢野久作といえば、「ドグラ・マグラ」が有名ですが、とりあえずこちらの方が読み易そうかなと思ってこれを先に買いました。.......狂人が書いた小説だとか言われていますが、そのミステリアスで退廃的な雰囲気がするのに惹かれます。........癲狂院の雰囲気は結構近いかもしれません。けっこうお勧めです。別にやばげなものではないと思います。

 スクランとホリックはいつも通り。スクランはやっぱりどこか懐かしいというか少年の記憶を辿る様な....そんな気にさせてしまうので好きです。絵も......7巻の沢近のドレス姿に萌え。.....ほんの少しだけ天広さんの描く咲耶や千影に近いものを感じます。ホリックは、和のゴシックという感じで、和風+ゴシック+魔術の世界に浸りたいなら、絶対お勧め!! キャラの表情、衣装、装飾、背景、どれをとってもそのスタイルで描かれています。....ゴシック好きなら買うべきです。

 残りの2つは、新聞等でも取り上げられていたものなので、きっと皆さんご存知でしょう。

............買ったリストを見て思うことは、非日常な世界/雰囲気に惹かれる/味あう為に読みたがるのかも.....ということです。まあ、最近はデカダンス+ロマンスみたいな世界にはまっているので、ムーランルージュ、吉原に興味があるというのもあるのですが、これらをまた創作に活かせればと思っています。

 癲狂院のデザインはおそらくそうでしょうし、以前作った「Burgundy Night」はまさしくデカダンス+ロマンスのイメージで作り上げたものでしたし.........いつかは、吉原の世界を独自に解釈して、曲に....してみたいです。

† 00:17 | トラックバック | Topへ▲ †

 過去に名を残した人物や歴史などの調べものをしていると思わぬ共通性に気付かされることがあります。亡くなった歳が同じだったり、あるいは同じような運命を辿った人達.....、偶然として片付けてしまえばそれでおしまいですが、どこか不思議な、.........同じ星から生まれて同じ星になった.....様な、そんな風に思えてしまうのです。そう思わせた人達の中でぱっと思い浮かぶのがやっぱり、ロックのキングとクイーンと言っても間違いないと思いますが、ジミ・ヘンドリクスジャニス・ジョップリン。それと、こちらは希代のトリックスターと言ったら言い過ぎかもしれませんが、マタハリ川島芳子。どちらも同じ歳で亡くなっています。(もっとも川島芳子は、銃殺刑を逃れ中国国内で、ある日本兵と同棲生活を送り子供も生まれ、しばらく平穏な生活が続いた後に、何者かによって撲殺された、との話もありますが。) 特にジミとジャニスの場合は、ジミの死を追うかの様に亡くなっています。
........そんなシンクロニシティを満喫できそうなサイトを発見。

人生のセイムスケール

 現在およそ1500人が掲載されています。前述のジミなどに貼ったリンク先も同サイトです。個人によるサイトなので取り上げる人物に多少偏りがあるのは仕方無いところなのでしょうがそれでも個人サイトでこの充実振りは素晴らしいです。あれこれ人物を思い出しては、掲載されているかどうかチェックしてしまいます。ベルト・モリゾが掲載されているのに、カミーユ・クローデルがないのはちょっと残念。どちらも女流画家/芸術家ですが、人生の明暗がはっきりと別れています。モリゾはモネやルノワールなどの巨匠達に恵まれ、その才能を発揮したくさんの素晴らしい作品を残し、おそらく人生も幸せだったはず。それとは対照的に、カミーユはその美貌からロダンに見い出され、彼の元に弟子入りし才能を発揮し始めたのは良かったのですが.....ロダンの作品と同じ位素晴らしく、どちらの作品かが分からなくなる程その才能は卓越したものだったのですが、いくら作品を発表してもロダンの作品を真似ているとしか評価してもらえず、挙げ句の果てにロダンとの不倫の末に精神を病んで精神病院へ入院してしまい、それ以降一切の作品制作を行なう事なく病院で亡くなっています。ロダンの言い分はちょっと同意できないかも。カミーユに同情してしまいます。.....だってあまりにも可哀想なんだもの......。いくつか作品を見れば分かると思うのですが、人によってはロダンのよりもカミーユの方が好きっていう場合もあるかもしれません。ttp://www.geocities.com/Broadway/3628/camille1.jpg

 あとは......ジム・モリソンがあるのに、マーク・ボランがないのも残念かも。ジム・モリソンといえばドアーズのボーカリストで有名なロッカーですが、マーク・ボランだってT-Rexのボーカルとして、同じグラムロックのデヴィッド・ボウイと肩を並べる有名なロッカーでした。......でもボランは交通事故で死んじゃったんだ......。フライングVが似合う、美形のボーカリストだったのに......。ドラッグのオーバードーズで命を落としたロッカーも多いですが事故死もまた多いです。スティーヴィー・レイ・ヴォーンはヘリコプターの墜落死、ランディ・ローズはセスナ機による墜落死。オールマンブラザーズバンドの牽引者(もしくはデレク&ザ・ドミノス(エリック・クラプトンがいたバンド)「いとしのレイラ」でプレイした人と言った方がピンとくるかも?)、デュアン・オールマンはバイクを運転中に前に走るトラックを避け損ねて転倒し亡くなり、その同年に同じバンドメンバーだったベリー・オークレーもまたバイクによる事故で亡くなりました。事故死っていうと......俳優ですがジェームス・ディーンもそうでしたね。シルバーのポルシェ・スパイダーで亡くなってしまった.....。昔(といっても10年程前ですが)、リーバイスのポスターでジェームス・ディーンが写ってるのを見たことがあってあれがすごくカッコよくてリーバイスを履くきっかけになったような気がします。メガネを掛けた優しそうな表情も最高。

 .........なんか忘れてるな...と思ったら、そうだ、シドを忘れてた! パンクのオーソリティ、セックス・ピストルズのベーシストだったシド・ヴィシャス。彼の場合は、恋人を刺し殺しちゃった挙げ句にオーバードーズだから.....ちょっとフォローのしようがないのですが、破滅型のロッカーのスタイルを極めている....とも言えるかも。21歳で亡くなっているし、何より美形です。ttp://www.r2tc.net/rockposters/ST2403.jpg

 シドといえばもうひとりいます。シド・バレット。こちらはプログレのオーソリティ、ピンク・フロイドのバンドリーダーで、現在も存命です.....が、健康状態が気になります。というのも、バンド在籍時にドラッグと心身の疲労により精神に異常をきたしてしまい、脱退後、精神病院へ入院してしまい、その後は音沙汰無しの状態だからです。数年前のギターマガジンに載っていた記事には、母親が亡くなってさらに病状が悪化し、持病の糖尿病も悪化し失明寸前らしい....と書かれてあったので、ミュージシャン復帰は最早絶望との声も.....。ガセネタであればよいのですが.....。ttp://www.flupe.com/molm/images/syd.jpg


 カミーユ、ボラン、オールマン、シド辺りは是非とも追加キボン。
ランディ・ローズが載っていたのは満足。伝説の美形ギタリストなんだから。.....ちなみに、東山魁夷の絵の良さが分かってもらえないなんて.....ショック。そうだ、山口薫も載ってない....あぁ。10代を見てみると.......山田かまちも.....一応載せておいてほしいです....。

ともかく眺めていると色々と考えさせてくれるサイトです。

† 01:12 | コメント (2) | トラックバック | Topへ▲ †

 Notebookの中で今までいくつか美術館に行ったことを書いてきましたが、他にも書いていないだけで行ってきたのがいくつかあります。どれもとても良く書きたいのですが、書かずにずるずると放ったらかしにしてしまいました。

 未レポートは以下のとおり。

マルモッタン美術館展(東京都美術館)
パリ1900 ベルエポックの輝き (東京都庭園美術館)
栄光のオランダ・フランドル絵画展(東京都美術館)
常設展+所蔵作品展 加山又造 + 所蔵作品展 近代日本の美術 佐伯祐三 (東京国立近代美術館)
横山大観「海山十題」展 (東京芸術大学大学美術館)
RIMPA 「琳派」(東京国立近代美術館)
西洋の誘惑 (群馬県立近代美術館)

......はっきりいってどれも素晴らし過ぎました。
今でも記憶は鮮明に脳裏に焼き付いていますので、くどく書けます。w

 西洋の誘惑は今でも展示していますので、近場にお住まいの方は是非! 開館30周年を記念しての展示ですので充実しています。 個人的にはビアズリー、ロートレック、モロー、モディリアニが拝めたのが何よりの収穫ですが、全体的に文句無しの内容です。地方だからといって大したものがないと思ったら大間違いです。ピカソのゲルニカのタペストリーも今回飾られています。(世界で3枚うち日本にはここのみ) モネ、ルノワール、シスレーなどの印象派、ユトリロにヴラマンク、ローランサン、シャガール、ルオー、ルドンなどの後期印象/フォーヴなど、そして、ダリ、キリコ、マグリット、クレー、ミロ、カンディンスキーなどの近代.....と、誰もが知っているというような代表作はなかなかありませんが、それでも一目見て誰のか分かる絵ばかり。 常設展示では山口薫や福沢一郎、湯浅一郎などの群馬出身の画家の絵も多数展示されていますし 見る価値は絶対あります。 

http://www.mmag.gsn.ed.jp/

† 22:55 | トラックバック | Topへ▲ †

 ようやく「Norton SystemWorks」を買いました。
今まで使っていたマックにも当然入れてあったのですが、そのバージョンではOS Xに対応していない上に、サポートも終了してしまったので、新しいのを買いました。(以前、古いバージョンのノートンで新しいマックを診断してしまい、起動できなくなってデータもお釈迦にしてしまったことがありましたが(って、ついこないだだけど。過去のNotebook参照)) 優待販売でシマンテックストアから購入したおかげで、半額近い値段で買う事が出来て嬉しかったです。

 これで新しいマックも安心です。
本当、今までノートンを入れていない状態は心配で気が気でない心境でした。初めてノートンを入れた時以来、何かトラブルがあってもきちんと解決してくれるし、なによりいつも密かにマックを見守っていてくれるので、とても信頼しています。

 ディスクユーティリティにウイルス防護の両方を兼ね備えている上に、他社ソフトのバックアップソフトなども付いているので、至れり尽くせりです。


 そういえば、このノートン先生、もちろん実在する人物で、ピーター・ノートンという方なのですが、意外なテレビ番組で見かけた事がありました。なんとその番組はNHK教育の「新日曜美術館」だったのです。確か、現代美術の画家である、奈良美智(ならよしとも)を取り上げた時だったと思います。村上隆と同じく海外でも有名な方で、今では絵1枚で5000万はするとか言われる程、評価も高まってきています。そんな奈良美智の絵が好きで集めている...というアメリカの実業家を訪ねるということになり、本人が姿を現した瞬間、「あれ、この人どこかで見かけた様な.....」と思っていたら、テロップが表示されて、「ピーター・ノートン」って書いてあるではありませんか。 後に調べてみたところ、この方、現代美術のコレクターでも有名なのだそうです。意外な一面をかいま見た感じでした。

† 02:49 | トラックバック | Topへ▲ †

 昨日の新日曜美術館は、なんとエミール・ガレでした。アールヌーヴォーの主役的存在なガレでしたが、本当に素晴らしいです。
 ガレはガラス職人でして、ガラス多層の技法を用いて、なお且ガラスの透明さと不透明さを巧みに操り、その上に緻密な植物/昆虫の表現と色彩を組み合わせた、何とも言えない、有機的なガラスに変化するのです!

 初期はガラス細工が主でしたが、徐々に、寄木細工とガラスを組み合わせたりもするようになります。.....もう本当にすごいの。


  エミール・ガレも素晴らしいですが、ルネ・ラリックも個人的に好きです。香水のカボティーヌの容器をさらに爆発wさせたような栓の大きさといったらもう! 容器よりも栓の方が大きいんだもの。美しすぎる!(いや....全然カボティーヌと違うだろ、って突っ込まれると思いますが、個人的にそう感じました....) ラリックは、目黒にある朝香宮邸(現在は庭園美術館)の内装/装飾を施したことでも有名なのですが、あれも素晴らしいんですよ!
 3月に、「ベルエポック1900」展を見に庭園美術館へ行ったのですが、あの、アールデコの建物は素敵すぎる....。内装も派手でない上品さで、さすが朝香宮自身アールデコが好きでフランスへ発注しただけある! 先日、フェルメールを見に上野の都美へ行ったついでに池之端にある岩崎邸を見たのですが、あそこも大変すばらしかったですが、朝香宮邸はそれを上回っている!....ちなみに岩崎邸、っていうのは、三菱財閥の創設者の岩崎弥太郎の邸宅です。最近不祥事続きで話題の三菱の親のお家ってことですね。

 .....そういう話はまた今度にして(相変わらず話が連想的に広がってしまう)、来週の新日曜美術館もすごい楽しみなんです。
なぜかというと、予告でちらっと、ルネサンスの巨匠ミケランジェロのサンピエトロのピエタと、バロックの巨匠ベルニーニのアポロンとダフネ(いや、プロセルビナの略奪だったかも)が映っていたからです!
 もうミケランジェロとベルニーニの作品は本当に激萌えなんです....。
サンピエトロのピエタなんか....もう本当に本当に好きです。あのマリアに抱かれてみたい...とかけっこう本気で思ったりするし...。(ぉぃ)"もしも死んだらこの亡骸をしっかり抱いておくれ"....ってね。(妄想が暴走してるぞ...)

 そういえば、ミケランジェロは、ゴシックを嫌悪していたとか聞いたことがあります....。サンピエトロ大聖堂を設計する際に、前案だったゴシック風の間取りを止めにして、シンプルな十字にした....はず。

 まずい。ノートルダムにピエタを鎮座させてしまった第七天を見たら、怒られそうだ。「オレ様の崇高な彫刻をゴシックなんてカッコわりぃ様式の犬小屋なんかと一緒にするんじゃねえよ、このクズが。これだから無能な奴は救いようがないぜ、ぺっ。」.....なんてことになりそうでこわい。(そこまで言わないかもしれないですが、実際ダヴィンチの作品に相当ケチ付けてたらしいからあり得るかも...。)

....あの世で会ったら相当説教されそうだ。(説教されてみたいけど。)

 *....後日改めて調べたのですが、どうやらミケランジェロは単にゴシックを嫌悪していた、というわけでもなさそうです。確かにサンピエトロの設計では前案のゴシックぽい内陣が長いラテン十字のような間取りをやめにした、というのは確かですが、ミケランジェロが目指したものは、その従来のゴシックをさらに改良したスタイルを目指していた様です。.....それがルネサンス、というわけです。
(たぶん)

† 23:09 | トラックバック | Topへ▲ †

......タイトル通りです。
 長崎の女子児童といい、イラクの人質殺害といい...タイミング悪くて全然載せられないじゃないか...。ほとぼり冷めてそろそろ大丈夫かなと思ったらまた...って感じなんだもの。

もう載せます。
デリカシーのないヤツと思われても(゚ε゚)キニシナイ。
ちなみに、以下の絵を見ても、真似しないように。

 まずはこれ。序の口。
http://www.artrenewal.org/images/artists/c/Caravaggio_Michelangelo_Merisi_da/large/Beheading_of_Saint_John_the_Baptist_WGA.jpg
直リンできないのでコピペしてご覧ください
まだ切られていません。
カラヴァッジョの作ですが、この人のはリアルな作風が多いです.....。


 次、これ。
http://www.artunframed.com/images/artmis7/fabritus99.jpg
既に銀のお盆に載っています。右側でとさかのような飾りを頭に付けているのが、サロメです。後ろで少しうつ向き加減の女性がサロメの母親、ヘロデアのようです。

 なんか右手が「グッジョブ!」って感じで思わず笑ってしまう......。w
でも、こういうふうにも考えられるかも。

処刑人:「王女様、どうぞ.....。」
サロメ:「........切り口が"なっていない"。あたしがお手本を見せてあげよう。」
処刑人:「ドキッ」
サロメ:「おまえ、表へ出ろ」←この場面
処刑人:「オ,オレノクビ...?(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル 」


みたいな。w

 ちなみにこの絵、去年の秋、国立西洋美術館でレンブラント展をやっていたときにありました。この絵は、レンブラントの弟子の中でも特に才能のあったファブリテイウスの作と言われていています。けっこう大きな絵で、実際はもっと青ざめた色彩で、ヨハネの身体と首は血の気のない感じで....、無気味でした......。この絵の辺りで「気持ち悪い〜」なんて言葉は飛び交ってましたけど、自分は全然平気でしばらく見てましたが。


 次はこれ。
http://www.casatourism.it/uffizi/images/decollazione.jpg
首の断面が見えてますね....。血もけっこう吹き出るように流れてます。盆を持って首を貰う人物は、やっぱりサロメか。ちなみに作者は"Giovanni da San Giovanni"という人。(すみません、この画家知りません...。)


 ここでちょっと違う話の題材を。これ。
http://www.artrenewal.org/images/artists/b/Bol_Ferdinand/large/Consul_Titus_Manlius_Torquatus_Beheading_His_Son_RJM.jpg
ローマ帝国の執政官だった、マンリウス・トルクァトゥス(Titus Manlius Torquatus)が不服従のために息子を斬首したのですが、ちょうどその場面のようです。"Ferdinand Bol"の作。(すみません、この方も存じません....。)


 元に戻して、再びヨハネの絵を。
はい、これ。http://gallery.euroweb.hu/art/t/tiepolo/gianbatt/2_1730s/05berga2.jpg
...なかなかグロく仕上がっています。...それ以外に特にコメントすることもないのですが...。右で指図してそうな女性がたぶんサロメ。もしくは風貌からするとヘロデアかもしれませんが。


 最後はこれ。http://www.artrenewal.org/images/artists/c/Caravaggio_Michelangelo_Merisi_da/large/Judith_Beheading_Holofernes_WGA.jpg
コピペでご覧下さい。
ちなみにカッターナイフではなくて刀ですが(゚ε゚)キニシナイように。
寝込みを後ろからさくっと斬り付けています。もう半分程斬れてますね。血も吹き出ているし。いやあ、右のユディットと左のホロフェルネスの表情がすごい...。無表情でさくっと斬ってるのが怖すぎ...。


 ついでに、少しサロメとユディットについて少しお話しします。

 まずサロメとヨハネですが、新約聖書に登場する人物で、イスラエル王のヘロデの兄とヘロデアとの間に生まれた娘がサロメです。洗礼者ヨハネが、ヘロデと兄の妻(ヘロデア)との婚姻を認めなかったために(理由は近親間の婚姻だということらしい)、ヘロデアはヨハネを憎むようになりました。ちょうど、ある宴会にヘロデ王が、サロメに踊ったら褒美を与えると約束し、それをチャンスと思ったヘロデアがサロメにヨハネの首を欲するようにそそのかします。......約束してしまった以上、断ることは出来ず、やむを得ずヨハネを斬首してしまう....という話です。というわけで、元々はサロメ自身がヨハネの首を欲しがったわけではないのです。それは、モローのサロメに影響を受けた、オスカー・ワイルドが「首を欲しがるサロメ」に仕立て上げたのです。モローが首を欲しがるサロメと想像して描いたかどうかは知りませんが、個人的には多分そういうのとは違う部分で描いたのではないかなあと思っています。


 ユディットとホロフェルネスですが、アッシリアの将軍ホロフェルネスが大軍を率いて、ユディットが暮らすベツリアという町を包囲します。絶体絶命なのですが、ここでユディットだけは観念せずにひとりで戦おうとします。数々の策を用いて敵陣に乗り込み、将軍ホロフェルネスに会い、ここで、ホルフェルネスは美しいユディットに激萌えしてしまい、すっかり舞い上がってしまい、とりあえずユディットを始末するのはいつでもできると思い込みとりあえず宴会を始めてしまいます。宴会が終わる頃にはすっかり酔いつぶれてしまったホルフェルネスを待ってましたとばかりに、ユディットはさくっと首を斬ってしまいます。(実際、ほとんど一振りで切り落したらしいです) その後、将軍の首を敵陣にさらしたら、兵士はおののき逃走してしまい、町は救われた、という話です。


 やはり洗礼者ヨハネのものが多いですが(ほとんど斬られ役だ。)、キリストの使徒の中でも特に有名なのだから仕方無い。他にもゴリアテの首を持つダヴィデやトラキアの娘に八つ裂きにされるオルフェウスなど、生首が描かれている絵画はありますが...、ここでは割愛します。


ここに少し情報が載っていますのでよろしければご覧下さい。
http://village.infoweb.ne.jp/〜elliot/kubi/kubi.html

† 23:08 | トラックバック | Topへ▲ †

....やっぱり海も山も空も森も林も川も湖もみんな素敵!

うぅ....大事なことをすっかり忘れてしまっていた....。
こないだ見てきたばっかりだというのに!

 そう! 東山魁夷の絵。
あらゆる自然の美しさが幻想的に描かれている!
あの人の絵を見たら、自然の美しさに誰もが気づくはず。
あんなに素敵な絵は....他にはないよ......。


...ずっと言いそびれていましたが、実は東山魁夷展は前期/後期と2度見てきました。だって最高なんだもん! 後期は、運良く平日に見に行けたのですが、これが裏目に出てしまって偉い目に遭ってしまったんです.....。
 前期のを見に行ったときは、休日だったので、とんでもなく混んでいたのだと思い、それなら平日なら案外空いているのではないか、と思い、平日に行ってみたのです。

 ところが、これが凄かったのです.....。前期の時はチケット購入のための列が横浜美術館の両端1往復半だったのが、後期は、2往復半......。美術館の前に4列も出来ているのです.......。その後、入場者数が30万人(だったと思うけど違うかも..)を突破したとかいうのを新聞で目にしましたが、まあその数はうなずける。だって....本当に凄いんだもの。おまけに館内は狭いし、.....そうそう、後期のを見に行った時は....年齢層が完全に偏っていました。前期の時は、30〜40代も割といたし、20代もぽつぽついたのですが.....後期は、完全に60代以上のご年配の方達でひしめき合っていました。....言うまでもなく、一人浮いていました。40代や50代も多くいましたが、圧倒的に年配の方達だったんです。....まあ、作風や時代から考えても、ある程度は覚悟していましたが、あれは、ちょっと驚きました。

 年齢層のせいか、ミュージアムショップの複製画(リトグラフのもの)が既に完売になっていました。50万以上するのに......。他のハガキやポスター、その他グッズ、飛ぶ様に売れていたのは言うまでもありません。..もうすごいの。館内どこへ行っても人波...っていうよりもう洪水の様でした。あれは相当売り上げたでしょうね。

 あ、でも....常設展の方は、すかすかでした。w
シュールレアリズムのが多いせいもあるのかも。マグリットのは好きだし見られてよかったけれど、他のは.....。展示数も少ないし、たぶんマグリットとダリがトリって感じ。あれなら群馬の近代美術館の方が見応えがあると思います。(常設展の場合、ですが) もっとも横浜美術館が出来たのは、まだ新しく20年も経っていないのもあるからかもしれないですが。

 といいつつ、一応、美術館のサイトで所蔵作品を検索してみたら.....ある!
モローのが!

 どうやら....探すと国内でもけっこうある様です。でも大きなものや有名なのは、やはりないようですが。それでも拝めるだけ幸せなものです。この前、庭園美術館で開かれていた、「パリ1900 ベルエポックの輝き」でもモローの2点拝めたし、最高でした。もちろん、それ目当てに言った訳ではないです。詳しくは、また後で。付け加えると、都美で開かれていた、「マルモッタン美術館展」も、同日見に行ってきました。....1日に2つも見るのは、さすがに疲れました......。


 あぁ...そうえいば東山魁夷も横浜生まれで神戸育ちだったっけ....。
.....なぜか妙に自分の周りを「横浜」のキーワードが巡っている様な.....。
なんだか手繰り寄せられている感じもしますが果して......。

http://www.yma.city.yokohama.jp/

† 23:31 | トラックバック | Topへ▲ †

 先日、ちょろっと群馬の森へ行きました。
クラフト展を公園内でやっていましたが、あれはね.....。
去年の今頃も同じように開催していて初めて見たのですが、個人的な印象はxxxx。
作りがxxxのものや、良いものだったりすると今度は値段がxxx、になっていたりと、あと一歩という感じがしてしまうのです。 もっとも、完全な手作りだということを踏まえれば、その提示されていた値段は妥当なものなのでしょうけれど。

 で、今回はそれが目的ではなくて、公園内にある県立近代美術館で催している「コレクション・クロニクル」という特別展示を目当てに行ってきました。


 開館して今年で丁度30周年を迎え、今まで所蔵/蒐集してきた美術品の中からより選りのものを展示した、ベストセレクションのような感じで、見応え感はかなりあったと思います。....意外にも県民のくせに今回初めて近代美術館の所蔵品を見たのですが、有名画家のをむらなく押さえてあるのが良かったと思います。もちろん群馬県出身の画家、湯浅一郎、福田一郎、山口薫、などは多めなのですが、個人的にも好める画風で満足です。ほぼそれぞれ1点ずつでしたが、国内を代表する巨匠、安井曾太郎、岸田劉生、佐伯祐三もありましたし、海外では、モネ、ルノワール、シャガール、ルオー、ルドン、ピカソ、ミロ、..と、ほぼ文句なしのリストだと思います。

 「ほぼ」文句なし、というのには理由があって、近代美術館にはギュスターヴ・モローの絵を1点だけですが所蔵しているのです。(所蔵カタログでそのことは既知していましたので。)なのに...展示してくれなかったのは...ちょっと残念かな、と思って。そりゃあ、美術史から言えば、重要な位置づけされている画家ではないし、人気もそれなりに多くありません。でも...同じ世紀末思想的な画風のルドンをいくつも展示したのならモローもいいでしょ?って気がしてなりません。

 まあ、とにかくそれだけを除けば大満足!
ルノワールの「読書するふたり」は、隠れた名画だと思う...。モネの睡蓮も、この前Bunkamuraで展示されていた睡蓮と同じ様な画風の、紫と緑色の鮮やかな画風で、あれも最高。同じフロアにはシャガールとローランサンがあったし...激萌え!


 しかも入場料が\300だし。たったの\300ですよ!? 自前の所蔵品とはいえ、いくらなんでも安すぎる.....。もちっと取ってもよいでしょう? カタログも用意されいなかったし。1階は空調設備が故障していて使用不可能らしいし.....資金集めにもっと励んでもよろしいかと老婆心ながらに思ってしまいます。 

 なので、とてもおすすめです。日曜でも、館内はスカスカだし.....。その割に館内スペースは広めなので、居心地も良いです。


 群馬の森でもうひとつ話題を。
以前も書きましたが、昔そこは陸軍の火薬製造工場でした。戦後、原子力研究所、群馬の森、日本化薬の3つに敷地を分割されたんです。なので、当時の面影が人気のないところへいくと見られたりします。以前から防空壕などがあるのは知っていましたが、日本化薬との境界辺りになにやら廃墟の様なものがあると、ネットで写真付きで掲載されていたのを前に見かけたのを思い出し、ちょっと散策してみました。

 そこのサイトによると、いつのまにか隣の日本化薬の敷地に出てしまう、という程、管理があまりされていないようでしたが、今はそうでもないようで、境界に沿うフェンスに真新しい有刺鉄線が張られていました。.....ということは、最近まで不法侵入する者がいたということなんでしょうか....。フェンスに沿って歩くと向こう(日本化薬)に、ズタボロの廃屋が数軒ありました。何に使われていたかは分かりませんが、とにかく古い建物で、ずっと前から使われていないような感じでした。さらに奥に進むと、1つの壁だけが残って建っていて、かなり不気味。なにやら土嚢で区分けされた箇所を行き来するためのトンネルがあったりと、別の世界。もうその辺りになると、こちら側(群馬の森)も草で生い茂るようになっていて、歩くとずぼっと足が少し埋まってしまう程.....。まだ奥に行けそうでしたが(けものみち程度の轍があったので、行けないことはないと思いますが。)、ちょっと気味が悪いのでその辺で引き返しました....。

 あぁ、写真に撮っておけば良かった。
久しぶりに見た廃墟だったし。....気になる人は行ってみてください。
群馬の森は、まだまだ行く価値がありそうです....。

† 22:15 | コメント (2) | トラックバック | Topへ▲ †

「モネ、ルノワールと印象派展」
Bunkamura ザ・ミュージアム
http://www.impressionist.jp/

「パリ マルモッタン美術館展 〜モネとモリゾ」
東京都美術館 
http://www.ntv.co.jp/marumo/

「パリ市立プティ・パレ美術館所蔵 パリ1900 ベル・エポックの輝き」
東京都庭園美術館
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/paris/index.html

今ならすべて見られますね。
こんな機会なんてそうないはず!

......というわけで、「モネ、ルノワールと印象派展」は、こないだ見てきました。
渋谷駅出てからBunkamuraへ行くのに迷いそうになったが(←田舎者)、なんとか辿りつき見てきました。

 もちろん目玉はタイトル通り、モネとルノワール。ルノワールは後期のがほとんどだった感じ。モネは逆に初期のものが中心だった気がします。アルジャントウイユの橋が両方見られたのも興味深かったです。(「美の巨人たち」でやってましたけど。)睡蓮は3点のみでしたが、どれも最高! これぞ印象派!というもの、リアルなもの、緑と紫のうねるような睡蓮の絵が個人的には好きです。いつまでも見ていたい絵です。ルノワールのはやっぱり.....あの髪の長い男のコ。....そうです、あれ男のコなんですねぇ......。知りませんでした。当時、風習として女のコのような格好をさせていたそうで........今まで可愛い女のコだと、まんまと騙されていたぞ。しかし、今回のルノワールのは、人物画が多かった(というかほとんど全て)。いや、ルノワールっていえば女性好きで女性を描いたものが多いのは周知の事実なわけで、当然なわけですが。両巨頭の他に、シスレーのも良かったです。シスレーのはあまり知らなかったのですが、ふたりのとはまた違った作風で、穏やかな静かに流れる時間.....のようなものを感じさせる絵だなあと......感じました。

 で、行く前から楽しみにしていたのが..........小さな巨人、ロートレックの絵です。ロートレックといえば、ムーランルージュ!ってイメージですが、飾られていた絵は、それとは違って、油彩できちっと描かれたものでした。
 これが最高で...........これだからロートレックは大好き!
あの表情と描き方! たった2点でしたが、他の画家達の絵の雰囲気の流れから解き放たれているように感じてしまう程、個人的にはインパクトが大きくて......立ち尽くしていました。グッズにロートレックのものがなくて(当たり前か)、すごく残念でしたが、ま、カタログにはきちっと載っていることだし、拝めたのがなによりの収穫。


 ベル・エポックのもすごく見てみたいんです。
今日の美の巨人たちで取りあげていた、クレランのサラ・ベルナールや、シャルル・ジロンのパリジェンヌ.......ぅぅぅ、見たい! どちらも狂える程好き! いかにもフランスっていう雰囲気が溢れる程出ている作風ですが、あれに見事にやられているわけです。サラ・ベルナールの目つき、パリジェンヌの横顔、衣装もすごくて.......真珠のような輝きのドレスと闇のような漆黒のドレス........。
 サラ・ベルナールって.....あの人、棺桶をベッド代わりにして寝ていたとは.....恐るべし! ひょっとして千影ですか?w  花が鏤められた棺桶で寝ている写真が美の巨人たちで写っていたけど、あれはすごいな。

 しかも、しかも.....サイトの紹介文を見てみると.......ギュスターヴ・モローの名も!!!..........やっぱり行ってくるしかないな。_| ̄|...○コロコロ って具合に逝ってきます。


 そういえば、印象派展とベルエポック展、どちらもテレ東が主催しているんだ....。テレ東と日経は一緒みたいなものですが、どちらも美術関係によく取り組んでいますよね。番組の「美の巨人たち」で何気なく展覧時期に合わせて紹介していたりと...自演していますね。(見事にそれにつられているわけだがw)

......ここ最近、しょっちゅう美術館へ赴いているような。
大丈夫かなぁ........。大地に異変でも起きなければ、いいけど。w

† 23:35 | トラックバック | Topへ▲ †

 そういえば感想を書いていませんでした。
地上波では2/11(祝)にNHK総合で放送されるようです。これもぜひ見てほしいなと、個人的にはオススメしたい番組です。

 今回の夢の美術館は、絵画で最も人気があると思われる、印象派にスポットを当てた内容で、「夢の美術館」サイト内の100選リストを見ても分かる様に、モネ、マネ、ルノワール、ドガの印象派、ゴーガン、ゴッホ、セザンヌの後期印象派画家の絵が複数選ばれています。それに加えて、新古典、ロマン、象徴主義などの絵もきちっと選ばれていて......おそらく見たことのある、超有名どころの絵ばかり登場するので、6時間の長い番組もあっという間に過ぎてしまうと思います。

 個人的には、以前書いた様に、モローとロートレック、ビアズリーが大好きですが、もちろんモネなどの絵も大好きです。今回リストに入らなかったオランジュリー美術館にある、巨大な睡蓮、あれは入れてほしかったです。ジベルニーに大きな庭園/池を蓮のために作り、そこで沢山の睡蓮の絵が生まれたわけですが、睡蓮の他にもルーアン大聖堂、カミーユ夫人に着物を着せモネらしくない、はしゃいだ作風の日本的趣味、そして同じくカミーユ夫人をモデルにした、日傘の女、サン・ラザール駅、どれも最高! さすが印象派のオーソリティ.......。でもまあ、やっぱりモネっていったら睡蓮か。あれだけ描いてしまうと、もう誰も睡蓮の絵は描けませんね。描いたとしたって誰があれより良い絵を描けるでしょう? 毎日毎日、睡蓮の池の前でスケッチをしていたというのだから、そして、朝、昼、夜と、変化していく様をも描いているのだから、すごい。同じ風景は二度とない、とか言っていたような。
 ルノワールも大好き。ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木漏れ日の下でのカフェの絵。あれを見ると、なんだかその場所へ行ってみたくなってしまうような、賑やかさと楽しさがあの絵には溢れていて....好きです。西洋美術館に展示してある、ハーレムも好きかも。中近東風のフランス人を描いただけなのですが、それを知る前までは、そのまんま中近東のハーレムを描いていたものかと、思い込んでいました......。


 あとはやっぱり、マネのオランピア。
番組内では、ヌードの代表作、ゴヤの裸のマハ(&着衣のマハ)、アングルのグランド・オダリスク、マネのオランピア、と紹介されていましたが(いや違ったかも)..........個人的にはオランピアが激萌絵。スタイルのいいモデルで描くのがふつうですが、オランピアは、娼婦をモデルにして、しかもそのまま娼婦を描いたわけで...その生々しさが、凄い! 目を逸らさずに、こちらを見つめている(というよりむしろ見下しているようにも見える。)あの挑発したような堂々とした眼差しにやられます。素っ裸ではなく、チョーカーとサンダルをさりげなく身に付けているのが妙にいい。.......いや、身体を張って生き抜いている人がモデルになっているのだから、強力なのもうなずける。生々しいといったら、印象派ではありませんが、ティツィアーノのウルビーノのビーナスも凄い。あれも一押し。青い血管さえも描かれている程に生々しい。
 そういえば、なぜかウルビーノ、オランピア、共に、傍らにネコや犬の姿が......。なぜなの。オランピアのネコはカワイイ。ぴょこっと右側に黒猫が描かれています。


 ミレイのオフェリアも好き。溺死した女性が仰向けになって水面から顔を出している絵ですが、内容の割に幻想的で、なんとなくモローにも通じるところがあるような感じ。

 で、モローの絵ですが、個人的には選んだ絵が違う気がします。「出現」はやはりルーヴルにある水彩の方を選ぶべき。油彩の方のは、サロメとヨハネのみしか描いていない感じだし、未完成っぽい感じがなんとも。サロメの表情は油彩の方が好みですが。もう一枚の「雅歌」、またマイナーな絵を紹介して..........日本でも見られる絵、ということで、大原美術館所蔵のこれを選んだのでしょうが........うむぅ。モローで選ぶなら、「オイディプスとスフィンクス」、「ヘロデ王の前で踊るサロメ」、「出現」(水彩)が妥当。「オイディプスとスフィンクス」の絵はたぶんモローの名を知らなくても見たことある人多いはず。「ヘロデ王〜」のは、かっこいい&綺麗の一言に尽きます。 それにしても、意外にもモローの絵の紹介に時間をかけてくれてなんだかすごい意外でした。軽く紹介されてすっとばされるものだと思っていたので、嬉しかったです。最初に紹介されたのは美輪明広によってだったので、うげっ、って感じでしたが、やはり色物扱いなのかなぁ、モローの絵って。そりゃあ、血のしたたる生首が宙に浮いてる絵が代表作じゃあ、仕方ないのか........。_| ̄|○

 ロートレックは、わざわざ絵以外にも、ロートレックのレシピを再現したのには、思わずにんまり。ロートレックは、美食家でレシピ集も出しているんです。(中には料理のレシピではなく社会を皮肉ったものもあるが) おいしそうな料理でしたね〜。出演者がみなおいしそうに召し上がっていました。

 そこで、出演者の話ですが、
高階秀爾にもう少しいろいろな話をしてもらいたかったのが一番の感想かな。美術評論家として有名な方で、西洋美術に大変詳しい方のハズ。前回の夢の美術館で的確に説明してくれていたので、今回もすごく期待していました。もちろん各話題ごとにきちっと話して締めてくれたのですが、もう少し時間をあげてもよかったのでは、と思います。
 他の出演者も.......山口もえにはなんていうかシスプリの亞里亞みたいで、なんだか話を聞いている内に日が暮れてしまいそうな感じで........。あの感じが良いのかもしれませんが。銅版画家の山本容子はけっこう好印象でした。芸術をやっているだけあって、意見が確か。ちなみに石澤アナはけっこう好き。以前、新日曜美術館の司会していたときから、好きでしたが、今回もはじけてくれるのかと期待していましたが、前回同様、やってくれた! ロンドンまで赴いてホームズに扮して名画を探っていました。演技はxxxだけど、爆笑。またやってください。w


 と、今回は、かなり視聴者を狙っているような内容でした。今まで絵を見たことがない人でも気楽に見られる様に構成されている気がします。オススメです!

...............見た後、オルセー、ルーヴルに行きたくなってしまうかもしれませんが。w
http://www.nhk.or.jp/yumebi/

† 15:50 | トラックバック | Topへ▲ †

 2/1に東山魁夷展が開かれている横浜美術館へ行ってきました。

 東山魁夷(ひがしやま かいい←名前がカッコよすぎ!)といえば、..........おそらく、日本で一番有名で人気もあり、「最も日本を代表する画家」といっても言い過ぎではない程、日本画の巨匠でしょう。1999年に90歳で亡くなられましたが、その長い生涯に渡って描かれた膨大な作品の中から今回は初期から最晩年のものまで多岐に渡る展示となっており、代表作ももちろん展示してあり、中でも、唐招提寺御影堂(みえいどう)の障壁画、「ふすま」に絵を描いたものですが、今回はそれをなんとわざわざ横浜美術館にまで運び、一部ですが再現されています。
 東山魁夷の絵は.........風景画がほとんどで、普通はカンバスに油絵具という画材でしょうが、魁夷の場合は和紙に岩絵具という組合せで描いています。..........なんて書くと、見たことがない方は、すごく古風な絵だと思われるかもしれませんが、それは違います。誤解を恐れずに敢えて言えば、和洋折衷、日本画に洋画のエッセンスを持ち込んだ画風、だと思います。
 油絵具とは違う岩絵具の質感が、見る人にしつこくなく、さらっとしていて画風と共に清涼感をほのかに感じます。また角度を変えて見ると、微妙な岩肌のような凹凸感、そして時折キラキラと光る具合が、良い感じです。

 そして、肝心の内容ですが、もうなんといってよいやら.......。
絶句です。大きな絵を描くのが好みだったのか、展示されている全ての絵が巨大で、まずその大きさに圧倒されてしまい、そして自然と大気の質感を幻想的な演出で描かれた風景......素晴らしい!! あの人は、間違いなく、自然や大気の色を知っている人だ!と感じました。あぁ、本当に素晴らしい.....。見たことがない方は絶対見ておくべき絵です。おそらく誰が見ても素晴らしいと思える絵です。印象派の絵が人気があるのと同じく、とても表現していることが分かりやすい画風だと思うし(いや、印象派よりも分かりやすいと思う。一目見て、キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!って感じだから。)、実際、多くの人に愛されているのが、それを証明しています。


 個人的に好きなのは、やっぱり「白馬の森」。
これが見たくて見たくてこの絵の前にしばらく立ち尽くしていた程です。あの、群青色に彩られた森の中に、うっすらと現れた一頭の馬。静寂に包まれた幻想の世界にもう感動......。魁夷の絵には岩絵具の関係か青色や緑色を多く使ったものが多いです。しかも落ち着いた色彩で、この辺りも「癒される」絵の一因となっているのかもしれません。

 「花明かり」
これもすばらしい。
月夜に大きな桜の木が描かれていて、絵の中央にどっしりと構え高く聳えようとする、生命感溢れる感じに圧倒。そして何よりも流麗。.....花見の桜よりも...きっと綺麗です。

 「冬華」
モノトーンの色彩で描かれた、冬景色。
ここにも満月が昇り、その下で大木がそびえています。日本画だけど、澄み切った、ヨーロピアンの雰囲気がする、絶妙な画風が神妙! くどいですが、素晴らしいです。そういえば月の描かれたものや、それを湖面に写した絵も多いです。

 「雪の城」
これもまた魁夷がたびたび訪れた北欧風の絵で、遠くにお城が、手前に雪の積もった木々が描かれているのですが、その雪の雰囲気と言ったらもう! .....本当に自然の美しさを知っている人なんだと....思ってしまいます。

 あとは......やはり「道」。
「道」は魁夷の代表作中の代表作だと思いますが、一筋の道が大きく描かれているだけですが、道=人生に置き換えた、その奥深さと、魁夷が次々と家族を亡くした辛い過去......そしてその後の希望に馳せる意気込み......そんなのがにじみ出ているような感じです。


 そして最後を締めくくったのが、唐招提寺御影堂の障壁画。
それまで見てきた絵も巨大で圧倒されっぱなしでしたが、この障壁画は......それをさらに上回る迫力。
ふすま14枚程にず〜〜〜〜〜〜っと描かれた「濤声」。
 .................。
もう本当に凄いというしか他にありません。実際に見てほしいです。
「濤声」の他に、「桂林月宵」、「揚州薫風」、「黄山暁雲」、「山雲」が実際に部屋の一部を同じ様に再現して展示されていますが、本当に見る価値があります。奈良の唐招提寺へ行ってもいつでも見られる絵ではないと思うし.......貴重です!

 この東山魁夷展は、横浜美術館では今月2/24まで。ちなみに、前期と後期に別れて絵の展示替えがありまして、前期は2/4まででした。それで、作品一覧表を見てみると、障壁画や「道」などの代表作十数点を除いてほとんどがごっそり替えられるようで、後期もすごく見たいです。見終わった後にカタログ(これが値段\2,500の割にすごくよい作りで......買うべし!)を当然買ったのですが、それを見ていたら、実際に見てみたくなってしまって。はっきりいって全部見たいのです! 横浜美術館の他に、(魁夷の生まれは横浜、育ったのが神戸にちなんで、らしい)神戸にある、兵庫県立美術館でも開催されるようで、そちらでしか見られない絵もいくつかあって(もちろん横浜でしか見られないものもありますが)悔しい。珍しい自画像は神戸のみ......。ぅぅ。


 本当..........あっという間でしたが、見終わって出てきたら、なんだかんだいって4時間ほど経っていました。

 最後にもうひとつだけ付け加えておくと、この日2/1、美術館に着いたのが午前10時半くらいだったのに、美術館の前ですごい行列.....。見る前から圧倒されました。そしてその人気ぶりを実感させられました。アナウンスがあって、チケット買うのに「70分待ち?」.......。 美術館の端から端まで並んで、その端で折り返してさらにまた長い列があり、ようやく館内に入ることができて、館内からチケット売り場までまた長い列......。結局70分も待たされることはなくおおよそ30分ほどでチケットを買えましたが、館内もすごい人の数。終始、絵の方に出来るだけしっかりくっついて見ていました。そうでないと、人波に流されていってしまうし、絵がよく見られないので。 見終わった時はすでに3時を過ぎていましたが、それでも相変わらず長い列が出来ていました。(さすがに折り返す程ではありませんでしたが。)

 しかし横浜まで出かけて、チケット買うのに待たされて、館内ぎゅうずめでも.......充分に見る価値はあったと断言できます。

img 端から端まで人がずら〜〜〜っ。実際にはまだ左右に列を作っていました。中央が玄関なのですが、一度端まで行って折り返さないとそこまでいけない程の行列。 

† 00:56 | トラックバック | Topへ▲ †

 東京駅に設置してある東京ステーションギャラリーという美術館で現在展示されている山口薫展を見てきました。両親が好きで、また弟も帰省してきているので、一家そろって見に行ってきました。なんかほとんど連行状態だった気もするけど...。

 山口薫という画家は、何を隠そう、我が群馬県出身(箕郷町出身 当時箕輪村)の画家なのです!日本美術史にも名を残す画家です。なので、群馬県立近代美術館にも多数所蔵されていて、過去に幾度か展示もされていますが、今回、ステーションギャラリーの展示には、各美術館の所蔵のものからも多数展示されているもので、内容はかなり充実していたようです。

 いや、実は、今回この展示を見るまで、山口薫の詳しいことは知らず、数点をちらっとしか見たことないので、正直、予備知識はほとんどなしの状態で見てきました。(連行されたわけだからw)
 しかし......実物を見ていくうちに......けっこう感動。粗朴で、優しさが溢れる雰囲気で.....。画風は、初期の頃は印象派に影響を受けたような感じなのですが、その後は、抽象的な描き方になっていて、"一見、見ただけでは何が描かれているのか分からない"という感じではありますが、じっくり見ていくうちに次第にどことなく表現したいものが......なんとなく分かる気がしてきます。
 娘のあやこを描いた作品がいくつかあるのですが......泣けそうになりました。
よく...わからないのだけど....何故だか悲しそうに見えるのです。とても穏やかで微笑んでいる様に描かれていますが....。といっても...顔には何も描かれていません。のっぺらぼうなのです(描かれているものも2つほどありましたが)。でも、おそらく微笑んでいるだろうと、自分には感じるのです。「あや子あやとり」、「白痴の愛」、「娘の肖像おぼへがき」、「あやこ月魂」....など。

 他には牛や馬の絵が多いのですが、特に病気に苦しんだ晩年には、馬がこれでもかといくつも絵になっています。こちら側に背を向けて月や太陽を見ている構図なのですが、死期を悟って、来世への絵だとか...説明されていましたが....、あれらはぐっと心に来ます。真っ白なカンバスに真っ赤な馬。

 一番好きだったのは、「牛と幼き娘」。
牛と少女が寄り添っていて、少女の表情がとても好きです。これは顔がきちんと描かれていて、その表情は微笑んでいます。.......優しい気持ちになれそうな絵です。
もしかしたら、この娘は、あやこなのかも。
 見る前は、あまり乗り気ではなかったのですが、本当に見て良かったと思っています。自分の好きな絵っていうのは、ぱっと見て何が描かれているかわかるものばかりでしたので、その分、とても新鮮で、見る者が絵から意図するものを読み取らなければいけないという気にさせる......気付かせてくれた画家でした。

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

† 01:13 | トラックバック | Topへ▲ †

 あと買ったものは、泉鏡花の作品。
鏡花は明治時代の作家ですが、あのミステリアスでファンタジーな物語が自分にぴったりで、いろいろ買い込んでしまいました。
「外科室」......かつで恋に落ちた男女が、外科医と患者として邂逅する...という話。「高野聖」......山中で男が謎の魔女にたぶらかされていく話。.....などなど。ぅぅ.......わくわく。堪能できそうだよ。

 それと、視覚デザイン研究所からシリーズで出ているもので、
絵画の見かた、マリアのウインク、ヴィーナスの片思い、悪魔のダンス、オレ達に明日はない、計5册を一挙に購入。どれもイラストを多用し、簡潔な文章で説明されていてとてもわかりやすく、なにより楽しめる内容が、GOOD。それぞれのシリーズの内容は、有名画家の紹介、聖書のシーンを取りあげた絵画/聖書の説明、同様に、神話、悪魔、黙示録....が取りあげられている絵画の紹介/解説になっています。神話や聖書、悪魔などが、絵画などと一緒にわかるので、一石二鳥!......悪魔に関しては、すでに悪魔辞典や堕天使に関する本を持っているので、それ自体は知っているけれど、絵画は知らないので。
 イエス、ヨハネ、ユダ、マリア、ヤコブ、アダム、イヴとかはもちろん、ロトも載ってます。w 悪魔は、ルシファー、ベリアル、アスモデウス、メフィストフェレス、ベルゼブル、サタン、サキュバス、リリス、リリム、リーパーなどなど、.......。もう思わずにまっと笑ってしまいます。 思いっきりツボ。.......そういえば、バールが出てこなかったなあ。ないの?

どれもとにかくイイ(*゚ー゚)b
 絵画っていったら!!!
今年も「夢の美術館」が放送されるのです!!!
しかも今回はなんと「印象派100選」。
絵画の中で最も人気がありポピュラーな分野。
ルノワール、モネ、マネ、ドガ、セザンヌ、辺りはもちろん、ドラクロワ、ゴーギャン、ゴッホ、などもばっちり押さえてあるようです。

 そして、個人的には.........、
モロー、「サロメ」 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
ビアズリー、「サロメ:クライマックス」 キタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
ドレ、「ダンテ神曲」 キタ━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━!!!
ロートレック、「ムーランルージュ」 wwwヘ√レvv──(゚∀゚)──wwwヘ√レvv─ピキーン!
萌絵......。_| ̄|.....○コロコロ

 今回も、美術評論家の重鎮、高階秀爾が登場。
あの人、国立西洋美術館の館長をしていたと思ったら....今は大原美術館の館長になっていた....。大原美術館は、えっと.....岡山の倉敷だったかな......? 大原美術館に、モローの絵があるんだよねーーー! 今回100選に入っているモローの2点のうちの1つは、その大原美術館所蔵の「雅歌」という絵。

 この「夢の美術館」、ハイビジョンではすでに放送されたようだけど....BSは1/4、地上波は放送未定になっていたけど、おそらく4月頃じゃないかな。(イタリア100選のときは春分の日だったし) ....うちはBS見られるので、1/4にまたーり堪能しようと思います。.......5時間ぶっ続けで放送だもんね......、たのしみです。

http://www.nhk.or.jp/yumebi/

† 17:20 | トラックバック | Topへ▲ †

......いつも通り、意味もなくクリスマスは過ぎていったのだけど...、自分には別の世界を見ている様に感じます。華やかに彩られきらびやかな世界には、なかなか辿りつけず.....。
 街行く人を見ると、羨ましく思います。
けっこう辛くなるけど、でも、ま、あんまりネガティブにならないようにしよう。頑張っていたら、いつか嬉しいことが起きると....、信じて。

 それで、ここ2、3日は何をしていたかと言うと、サイトのデザインを変えようと少し作っていました。クリスマスに合わせて期間限定バージョンを作ろうと思っていたのですが、ちょっと時間が足りなくて...完成できませんでした。おまけに、「Elixir」も限定でアップしようかな、とも思っていました。
 .....あの曲は、クリスマスにはもってこい、かなって思って。いや、曲調がクリスマスぽいのではなくて.....内容が、ある意味......ぴったりすぎる。_| ̄|○ エリクサーだもの。(もちろん不老長寿の霊薬ではない)曲調も自分の求めるスタイルに誤差なく一致していて、とても気に入っている曲です。ポップなゴシック調で、明るくて暗く、そして....たぶんキャッチーな曲(だと思う)。....聞いたことのある人は、ほとんどいないし、.....たぶん、みんな気に入ってくれる曲だと思っているので、サイトデザインとあわせて、ささやかだけど何かプレゼントできたらな、っと.....思っていました。
 (でもまぁ、クリスマスにこんな辺鄙なサイトに訪れる人もいないだろうと思うけど。)

 期間限定デザインは、おそらくそのまま新しいトップページのデザインにするつもりです。ミケランジェロのサンピエトロのピエタの彫像の画像を使う予定です。キリストがマリアに抱かれている像なのですが.....クリスマスにはぴったりだったかなって。.......なんというか、あのマリアは若すぎて、キリストの母って感じにはちょっと見えなくて。どっちかっていうとキリストの彼女って感じ。しかも抱き方が一番正統(?)な気がする。 他の画家のピエタは、泣き崩れるようなマリアや、表情もこっちまで悲しくなるようなのも多いのですが、あのピエタはすごく穏やかで、あのふたりには近付けない聖域を感じさせるオーラが出まくっているように感じます。  激萌えっ!

 ....サロメ×ヨカナーンもいいんだけど.....あいにく彫像は存在しないし。あったら最高なんだけど! ビアズリーの絵には血まみれのヨカナーンの生首を抱いてキスを交わしているっていうとんでもないシチュエーションの絵があるけど....。「最高潮(クライマックス)」というタイトルだったかな。

.......また話がずれた。
(好きなのがばればれだ......。ぅぅ)
「Elixir」は......またの機会ということで。

† 23:57 | トラックバック | Topへ▲ †

 やってしまった.......。

 トップページのデザインにいい加減飽きていたし、ちょっと改良したいと、もうずいぶん前から思っていていろいろ作ってみたものの、しっくりいかず、作っては放っておくという繰り返しで、2年ほど経ってしまっているところで、ちょっと試作的に変えてみました。

 新しいトップのデザインのためのデザイン、といった感じです。
彫像をアクセントする、というのは今後のデザインにも取り入れるつもりです。.......まあ、それより問題なのは、タイトルがなんで「癲狂院」になっているか、ってことだ。誤解を恐れずに言えば、「癲狂院」という言葉が好きだから。そして、「癲狂院」≒「SEVENTH†HEAVEN」だということ。

 お前、脳ミソ大丈夫?.....なんて言われそうなのは承知していますが、明治期の言葉とその意味の組み合わせの「癲狂院」という言葉からいろいろなイメージが浮かぶのです。もちろんそれは実際とはかけ離れているかも知れないし、ただの勝手に作り上げた妄想に過ぎないかもしれない、

 崩れかけ、廃虚のような西洋風の建築物、中は壁紙がところどころ剥がれ落ち、かび臭い匂いがかすかに漂い、誰も居ない待合室、飾り立てのない殺風景な通路、ひしゃげた椅子が転がり、誰かの爪の跡が壁に残っている、部屋の前はまるで刑務所のような鉄格子、そこには汚れたベッドただひとつ、真新しいシーツがやけに目立つ、廊下の遠くからうめき声と泣叫ぶ声が反響し合って聞こえる.........。
.......、もちろん、悪気などないし、患者さんが治ってほしいと強く願うよ。とても辛く哀しいこと.......。

 そんなこともあって、たぶん今年一杯のみの公開、のつもり。
でも、このサイトが「癲狂院」という位置付けだと、ここの「NOTEBOOK」が物の見事に、「Diary of a Madman」(=狂人日記)になるんだよねえ。この「Diary〜」はオジーの2ndアルバムのタイトルにして最後を締めくくる曲なのですが、これが最高なんです。 変拍子に独特の雰囲気のアルペジオに哀しげなストリングスに狂気のクワイア....で、オジーの歌w。この曲がある意味、オジー+ランディの生みだした傑作、な気がします。イントロのオリジナリティ溢れるコード進行によるアルペジオ、これ、今コピーしているのですが、フレット押さえるのがきつい.....。死にそう。しかしチャレンジし甲斐のあるフレーズ。中間のb5thを含んだハーモニックマイナースケールによるギターソロ、後半のギターリフ。

 ぅ〜ん、この曲聴いてくれると、このトップのデザインがわかってもらえるかも....しれない。
 今回は彫像にベルニーニを使ったけど、おそらく新デザインには、ミケランジェロのを......使いたい、なぁ。
 ちなみに今回使ったベルニーニの彫像は、「プロセルピナの略奪(プルトンとプロセルピナ)」(「The Rape of Proserpina」)、というもの。ギリシャ神話から引用されている作品、ですね。冥王プルトンから離れ逃げようとするポーズが劇的で、素晴らしい作品です。バロックでベルニーニ抜きでは語れないのも頷ける。
もちろん「聖テレサの法悦」(「The Ecstasy of Saint Therese」)も最高!

† 22:14 | トラックバック | Topへ▲ †

 その喪中のお知らせのデザインは、結局、もう一度書き直ししました。
今度のは、相変わらずへぼいですが、割といい感じに出来たと思っています。作る直前に届いた、ビアズリーの絵に影響を受けて描いたのがよかったかもしれない。それをスキャナで取り込んで、線画だけを抽出して、ImaggeStylerでテクスチャ適用して、出来上がり。
 いつもの通り、へぼいデザインをソフトのお力で、なんとか人に見せえられるレベルに到達できるのです。
....作り終わってから親に言われたのですが、どうも最近では亡くなった人のきょうだい、もしくは子、だけが喪中になるだけで、それ以外は、普通に年賀状を出してしまっても良いらしいのです。孫にあたる自分は、その喪中に当てはまらないので、年賀状を出してしまってもよいらしい。

 しかしまあ、喪中のデザインを作った上にさらに自分の年賀状を作るのはしんどいし、亡くなった祖母はうちの隣に住んでいたこともあって、軽々しく年賀状を出せる気分ではないし。

 もちろん、喪中でなかったら、前々から考えていた「申」のデザインの版画をやるつもりでした。その案は、12年後、かな。

† 22:49 | トラックバック | Topへ▲ †

 3〜5週間以内とか表記されていたのに、なぜか昨日届きました。
......どうなってるんだろう。
 書き忘れていましたが、実は一度キャンセルしてもう一度注文したのです。最初に注文した時は値段が\2,200ほどだったのですが、翌日チェックしてみると、商品ページのところには、\1,100になっていて....(゚Д゚)ハァ?って感じ。注文詳細のところを見たら\2,200のまんま。倍もとられちゃあやってられないと、キャンセルしてもう一度注文したんです。

 最初、\2,200だったので、サイズも大きめだろうと思って注文したのですが、結果ほぼ半額の\1,100となると、小さめであまり期待できないだろうなあとは思っていたのですが、届いたものを見たら意外に大きくて(絵30cm*30cm+カレンダー部分、同サイズ)、絵もフチ取りなしで、大満足!!
 絵はもちろんカレンダー全てがモノクロで、びしっとしていて、カッコいい!おまけにカレンダー部分に月の満ち欠けのアイコンが。これは個人的にツボ。 おまけに2003度の9〜12月をまとめたページもあって、いまからもう使えます。

 絵は、当然のごとく、文句無し!
耽美な草花、人物、模様、ビアズリーのモノクロの絵は、強力だ!。あのアールヌーヴォーっぽいのにデカダンスな雰囲気が混じって、ぅぅ。ちなみに、サロメの挿絵のものではありません。初期に手掛けた「アーサー王の死の絵です。そのためサロメの挿絵と比べてエロティックな感じはしません。普通に飾っておける内容(?)だと思います。

....初期、といってもビアズリーは25歳で夭折してしまいましたが......。
。・゚・(ノД`)・゚・。
ビアズリー、樋口一葉、ランディ・ローズ......みんな25歳辺りだ...。
泣けるよ....。
そんな今日は、一葉忌です。
R.I.P.

† 14:40 | トラックバック | Topへ▲ †

 実は、カレンダー、アマゾンでたのみました。
過去のNotebookで、カレンダーを買う!と書いたのですが(サーバーエラーによりログ消えてしまって閲覧できません)、こないだ注文しました。
 注文したのは、オーブリー・ビアズリーのカレンダー。
ロートレックやマッキントッシュと迷ったのですが、「モノクロ」のカレンダーなんていいなあ、と思って、ビアズリーに。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0763160008/250-9832953-7458648
http://images-jp.amazon.com/images/P/0763160008.01.LZZZZZZZ.jpg
あぁ....ビアズリーの挿絵って、最高。
 早く来ないかなあ〜〜〜.....って、ん? 通常3〜5週間で発送、だと??? 昨日頼んだ時は8〜10日だったじゃん!ぁぁ........どうか年越しませんように!!!

 モローのがあったらねえ、一番良かったのだけど。モローに限らず、画家のカレンダーってアマゾンでもごくわずか。それでもネット上ではあるほうだと思うけど。美術館のミュージアムショップなどに行った方がいろいろ手に入るのかな、やっぱり。でもモローのなんて、あるわけ、ないか。

† 00:49 | トラックバック | Topへ▲ †

....の他にも答えがあるのかなあ.....?
レンブラント展を見ていて、一瞬「おっ」と思った絵がありました。

 それはヤン・ピナスというピーテル・ラストマンと同じく前レンブラント派の画家の絵に「ヤコブとエサウの出会い」というもので、元になった物語が「創世記」第33章にあるらしいです。創世記っていうのは、聖書とは..違うのかな???よくその辺りは知らないのですが、とにかくラストバイブルに出てくるエサウというキャラは実際に物語に出てくる人物、ってことなんですね。
 ラストバイブルではないですが、ドラクエのロトも創世記に出てくる人物のようでこれは、ルーベンスと親しかった画家ヤーコブ・ヨルダーンス(と思われる)の「ソドムを去るロトとその家族」という絵に描かれています。

 その描かれているロトは、老人で、連れている娘二人と近親相姦の関係にあるそうで、うむぅ、100%ピュアな背徳者じゃないか....。よくもそれで「勇者」なんて肩書きでいられたものだな......。w だからソドムの街にいたのね...。(ちなみにこの絵は国立西洋美術館所蔵の絵画です)

 というわけでかなり意外でした。
 エサウの他の、ユーリとかサフィアなどはどうなんだろう....。へんてこな名前だしなあ、おそらくそういう書記に出てくる人物なのかもしれないね。
 街の名前もそこら辺のにおいがするなあ。
探せば元ネタが出てくるかな?

† 14:31 | トラックバック | Topへ▲ †

 ってのを、放送するんだ...?
もっともBSでは、今日放送したみたいだけど。
地上波だと、明日NHK総合10:00am〜
 国立西洋美術館で今展示しているからだね。というか、カタログ見てわかったけど、NHKが西洋美術館とともに主催しているんだね。そうかなるほどっと。

 「光り輝く少女の正体」って.......ぇえと、世界美術館紀行や美の巨人たち、て解説していたような。......う、でも忘れてしまった。あの「夜警」の光の照らし方が、「普通」ではないのはわかっているけど。うむぅ、明日じっくりと番組見よう。

 ........そういえば、世界美術館紀行でモロー美術館を取りあげるのって、再来週なのね。昨日も、来週も番組はお休みなのであった。
.......正直言って待切れません。
もう_| ̄|...○コロコロ こんな状態だし......。

† 18:56 | トラックバック | Topへ▲ †

 日曜日、東京上野の国立西洋美術館へ行ってきたのですが、ちょうど、特別展でレンブラントをやっていて、とても嬉しかった。
 レンブラントは、17世紀のオランダの画架で、バロックの巨匠、ルーベンスと肩を並べる巨匠です。「夜警」が超有名なので、ああ、あれかと気付かれる人もいるでしょうね...。国宝級の「夜警」は持ってこられなかったようで、残念ですが、まあよく考えればそれは当然のこと。「超」有名なのだから。もうオランダ以外に出ることはまずないのではないでしょうか。まさしく門外不出の傑作なわけですね。

 それでも、「聖ペテロの否認」、「悲嘆にくれる預言者エレミヤ」、などの傑作の絵画はもちろん、たくさんの数を残した版画も多数展示されていて、かなり感激でした。レンブラント・ライトと後に呼ばれる程、特徴的で優れた光と闇の表現技法、これには、完全に参ってしまいました。人物を照らし出す具合が本当に上手いのです。それによって、ダイナミックに劇的な場面を描き出す、そのリアルさに、本当、息を飲みます。

 まったく、そのような絵画が間近で見られたとは、幸運でした。
前回展示されたのは、20年程前だったらしいので、そうめったには拝めないはず。カタログも買いました。オールカラーで2000円ちょっとなのは、個人的に「買い」。うれしいうれしい。チケットが1300円ってのも、納得&充分元は取れました。
 ついでに、というかもちろん常設展の方も見逃せず、じっくりと見てきました。松方幸次郎が集めたコレクション、すなわち「松方コレクション」が西洋美術館の所蔵物なわけです。氏が好きだった、ロダンのコレクション数は世界でも有名ですし、フランス印象派、ルノワール、モネ、マネなどの絵画も多数あり、氏に感謝すべきでしょうね。もちろんそれ以外にも、巨匠達の絵画、ゴッホ、ゴーガン、ピカソ、ドラクロワ、クールベ、ルーベンス、ルオー、ミロなどなど、きちっと押さえてあるし、うむぅ、さすが国立西洋美術館。

 そして個人的には、モローだ。
「牢獄のサロメ」、「ピエタ」の2点が拝めた......!!!!
意外に小さかったのですが、サロメの方は、はあ、やっぱり最高。この「牢獄〜」のは、他の「出現」などのサロメとは違い、俯き加減の、もの憂う表情がなんとも。その奥で、いままさにヨハネが斬首されようとしている.....。常設展示のほうのカタログも買って気付いたのだけれど、「聖なる象」が展示されてえいなかった。きっと、絵が痛まない様に、定期的にしまっておく時期だったのだろう、うぅ残念。

 終わりは、お楽しみのミュージアムショップ。
レンブラントは、自画像の版画がプリントされたTシャツと、「聖ペテロの否認」がプリントされたトートバッグをお買い上げ。モローは、ポストカードが運良く2つともあったので、もちろんお買い上げ。展示してある絵が全てポストカードになっているわけではないので、やはりモローは有名、ということなのかな。ちょっと安心したよ。他にも、モネの「睡蓮」のクリアファイルとか便箋とかもよかったのだけど。

 とにかくご満悦。
初めてこんなに長く絵を見ました。特別展3時間+常設展2時間で5時間ず〜っと見てたもん。やっぱりある程度、絵に付いて知っておくと、とても楽しくあの空間に酔うことができる、と感じました。

 しかし、レンブラント展の方は人が多かった....。
個人的に気になったのは...カップルで見に来てた人達。羨ましいよぅ。.......独り身にはかなり堪える...。くそぅ、今度見に来る時は....、って、たぶん無理です。
・゚・(ノД`)ヽ(゚д゚)ヨチヨチ

国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/index-j.html

† 23:14 | トラックバック | Topへ▲ †

 ロートレック、キタ━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━!!!
うぅ.....、今週は遂にロートレックの特集なのです。

 今年度からNHK教育で新しく始まった「世界美術館紀行」という番組、毎週土曜夜9時30から放送されていて、毎週欠かさず見てます。30分間ですが淡々と余計なことはせずに絵を紹介していってくれるので、集中して見られるのでとてもよいです。

 で、前述のとおり今週はロートレックなのです。
BSでは地上波に先がけて先日放送されたようですが(羨ましい)、うぅぅ待ち遠しい。

 ロートレックというと、やはりムーランルージュ。フランス語で赤い風車とかいう意味だったかと思いますが。そのムーランルージュと言う飲み屋、今でも営業してるんですよね?

 ロートレック×ムーランルージュ..、もぅ退廃的な、デカダンスの香りが.........。
ロートレックはロックンローラーだったわけですよね。自分にはそう映るのです。酒に溺れた短い人生.......。

 デカダンス、ってのは、どこか危険な駆け引きのイメージがあって、甘美なワインの香りに惹かれうかつに近付くと、堕落の海へと溺れてしまいそうになる..........。
そんなイメージ。

 実はマタハリもそんな印象を受けます。あ、西のマタハリね。って、東のマタハリも同じ感じ、なのかなぁ?う.....ちょっと違うよね。

† 01:39 | トラックバック | Topへ▲ †

 やっぱりこれも好きなので、買わずにはいられない。

 ゴシックは、しょっちゅう言葉を多用している割には漠然としていて、言葉で説明しにくいと言うか感覚的に捉えているだけで(これはこれで良いことだと思いますが。)、やっぱり体系的にきちんと知っておきたくて。なにより、カテドラル(大聖堂)(=ゴシック建築)が大好きで、ゴシックを追求したかったというのも大きな理由です。WEB上でも、片っ端から調べまくったりしたのですが、「ゴシックっていうのはこういうことなんだよ」っていう核心を突いたコンテンツがあんまりなくて......。ゴスロリのゴシックというのなら多いのですが....。それで、大きな書店で探したりしたのですが全然なくて、ネット上(アマゾン)で頼むことにしました。

 買ったのは、ゴシック建築が図説で細かく載っているものや、ゴシックの思想を詳しく説明したもの等です。建築物なんかは、実際見に行くのが一番に決まってますが、そういうわけにもいかないですし。ノートルダム、シャルトル、ランス、アミアン、などの大聖堂、とりわけフランスゴシック。神の元へ近付こうと、どこまでも高くそびえ立つ尖頭アーチ、重厚で複雑なフライング・バットレスが交差する摩天の森、光輝を放つ、バラ窓.......。光に触れたくて、闇に包まれたくて、光と闇が同時に生まれる聖域....。その間の空間で人々は祈りを捧げ、罪を懺悔し、生きていく。そんな風にゴシックをイメージしてみるんです。あたかも自分がそこにいるかのように。そうすると少しいつもと違う感じになる.....みたいな。(おい)

 ゴシック、っていうとダークなイメージを受けがちですが(それはいわゆるゴシックホラー的な解釈ですよね)、本来のゴシックには光も持ち合わせているわけです。片方だけではゴシックは成り立たないと思います。重厚で高くそびえ立つ外観で判断しがちですが、内観も実はかなり重要。フライングバットレスによって壁が異常な程、薄いのです。あれでよくあれ程の高さの建物を支えられるものかと、不思議に思うくらい。そしてその構造により窓が大きく確保できたことにより、神々しい光が内部の空間を包み込む.....。しかし、荘厳で神格化されたような建物でうかつに近寄れないイメージもありますけど、市民達の憩いの場でもあったりして、意外でした。

 ちなみに、買ったゴシックの本は、すべて建築のゴシックに関するものです。でも、どの分野のゴシックでもそれが好きなら、多少の違いはあれど基本的には同じだと思うので、きっと的外れではないと思います。だってゴシック文化の根源なのですから。 ......でも巷で使われている「ゴシック」と本来の「ゴシック」は、別物、って感じですね、やっぱり。


 ゴシックのついでに、サンピエトロ大聖堂に関する本も欲しいです。
殉職者ペテロの墓の上に立っているらしいですが、あれもまたミケランジェロの作品との融合で、個人的に最高!なのです。あそこに鎮座している「ピエタ」あれには、感動しました。宗教画のマリアなどいくつか見たことありますが、あんまりピンとこなかったのですが、あのピエタは、ちょっと他のと違うっ!って感じで、あれは.....もう本当に大好きです。イタリア人にしてみれば(いやキリスト教徒もそうかもしれませんが)マリアに抱かれて死にたい、とかいうのを聞いたことあります。それうなずけます。かなり巨大な大理石像らしいですが、実物を見たいものです。「最後の審判」のキリストとマリアも好きです。あんなに若々しくエネルギーに充ちたキリストを見たのは初めてです。あの審判を下すポーズ......かっこいい! 確か、光輝を与えるポーズでしたっけ。寄り添うマリアも、そのポーズと表情が好きです。そういえばこの天井画には、ミケランジェロ本人とされる姿も描かれている様ですが、なんであんなにオバケみたいなの.....。ゾンビみたい.....。なんか疲れ切っちゃったのかなあ。お疲れさま、ということですね。

ゴシックとは何か—大聖堂の精神史 講談社現代新書/酒井 健 (著)

図説 大聖堂物語—ゴシックの建築と美術 ふくろうの本/佐藤 達生 (著), 木俣 元一 (著)

 この2冊でゴシックの基本がわかると思います。おすすめです。

† 00:00 | トラックバック | Topへ▲ †

 うちはBS受信していないので、こんな番組があったとは全然知りませんでした。つくづくBSが羨ましいです。 ということで、NHKでお昼のニュースをはさみながらも、5時間通しで再放送した、「夢の美術館 〜決定版! イタリア美術100選〜」を見ました。


 肝心の100選なのですが....その100選が適格だったかは、わからないんですよね。イタリア美術なんて全然知らないんですから。だいたい、知っていたのなんて、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、くらい......。うぅ....無知だ。
  古代ローマの美術などもとりあげて、本当にイタリア美術の歴史を端からは端まで紹介したという感じでした。 5時間でもごくごく一部しか見られないというところが、イタリア美術の歴史とその凄さを思い知らせてくれました! また、番組を様式ごとに区切ったりして、バロック、ゴシック、ロココ、、そしてルネサンス....と建築などもきちっと紹介していました。.....そうゴシックも取り上げられていたのです! 見る前から関心があったのはそこでした。あの鋭角的で荘厳な建築....。いやあ見て良かったです。

 あとは、やはりといいますか、絵画などのほとんどに宗教が絡んでいる、ということですね。キリスト、マリア、ペテロ、 受胎告知(それ以外の聖書のシーンも同様ですが)って....いろいろな画家が描いていたんですね、全然知りませんでした。.........ダ・ヴィンチのしか知らなかった....(無知ぶりをおもいっきり披露。) その受胎告知だけを取り上げても、その描いた画家達の描き方が、捉え方がまるで異なっているところが興味深いですよね。

 また、イタリア美術というのは、その都市や街全体が芸術を保護していた、ということも非常に興味深かったです。中でもはずせないのが、コジモ・デ・メディチですよね。政治や権力に美術が絡み、そういう中で有能な芸術家達が台頭してきたという事は日本ではありえないし、やはりこういう恵まれた背景があったからこそ、数々の芸術が生まれたのかもしれませんね。ミケランジェロなどは、その申し子みたいな感じですし。

 .....余談ですけど、やっとB'z "RUN"のアルバムジャケットに写っている彫像がわかりました。ベルニーニの「聖女テレサの法悦」でした。番組内の100選リストに入っていたので....やはり有名なのですね。(またしても無知披露!)あれってかっこいいですよね。今までずっと気になっていて作品を知りたかったので、偶然ですけど分かってよかったです。

 そしてトリは、やはりラファエロ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ。100選の締めた大トリはミケランジェロのダヴィデ像でした。あんなに長い時間見たのは初めてでして、後ろ姿など細部まで紹介していて、ダヴィデのストーリーなんかも知り、イタリア美術の象徴、らしく.....あの圧倒的な迫力には、感動せずにはいられません。しかもカッコイイし。ミケランジェロと言えば、システィーナ礼拝堂の天井画も凄すぎですけど、やはり彫像がいい....かな? 彼の描く絵は、確かに彫像のような荒々しさが出ていますし....。う〜ん、奥が深い....。


 そういえば 出演者もなかなか好感が持てました。
その仲に林家こぶ平さんがいましたけど、なんでこの人が?......なんて最初は思っていたのですが、発言を聞けば.....なるほど納得。 意外と言っては失礼かもしれませんが、すごく美に対する捉え方が鋭かったです。(って人の事とやかく言えねーだろ。)  「新日曜美術館」でも司会をしている石澤アナも出ていまして、なぜかすごく楽しそうでした。いつもはけっこう淡々と司会進行していくのに、今回はちょっとトンだ感じ。和んだ感じが見ていてすごく良かったです。 あとは中尾彬さんですね、あの人、絵書きになりたかったんて知らなかったですよ....。この番組では実際にイタリアに赴いて、感動していました。番組内での発言もなかなかでした。


 いやー、学校で美術の授業を全然聞いてなかったのを思い出してしまいました。でも見たお陰で少しはイタリア美術のことがわかったし、これを機にもう少し美術について興味を持ってみようかな...と思っています。

† 00:00 | トラックバック | Topへ▲ †

previous

 

 

 

 

 

 

ALL

next
癲 狂 院 [+] -Cruel Insane Asylum- Copyright© Yusuke Kobayashi S E V E N T H † H E A V E N メール
TopUp HiUpDownDown HiBottom