Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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ゴシック(建築)

 やっぱりこれも好きなので、買わずにはいられない。

 ゴシックは、しょっちゅう言葉を多用している割には漠然としていて、言葉で説明しにくいと言うか感覚的に捉えているだけで(これはこれで良いことだと思いますが。)、やっぱり体系的にきちんと知っておきたくて。なにより、カテドラル(大聖堂)(=ゴシック建築)が大好きで、ゴシックを追求したかったというのも大きな理由です。WEB上でも、片っ端から調べまくったりしたのですが、「ゴシックっていうのはこういうことなんだよ」っていう核心を突いたコンテンツがあんまりなくて......。ゴスロリのゴシックというのなら多いのですが....。それで、大きな書店で探したりしたのですが全然なくて、ネット上(アマゾン)で頼むことにしました。

 買ったのは、ゴシック建築が図説で細かく載っているものや、ゴシックの思想を詳しく説明したもの等です。建築物なんかは、実際見に行くのが一番に決まってますが、そういうわけにもいかないですし。ノートルダム、シャルトル、ランス、アミアン、などの大聖堂、とりわけフランスゴシック。神の元へ近付こうと、どこまでも高くそびえ立つ尖頭アーチ、重厚で複雑なフライング・バットレスが交差する摩天の森、光輝を放つ、バラ窓.......。光に触れたくて、闇に包まれたくて、光と闇が同時に生まれる聖域....。その間の空間で人々は祈りを捧げ、罪を懺悔し、生きていく。そんな風にゴシックをイメージしてみるんです。あたかも自分がそこにいるかのように。そうすると少しいつもと違う感じになる.....みたいな。(おい)

 ゴシック、っていうとダークなイメージを受けがちですが(それはいわゆるゴシックホラー的な解釈ですよね)、本来のゴシックには光も持ち合わせているわけです。片方だけではゴシックは成り立たないと思います。重厚で高くそびえ立つ外観で判断しがちですが、内観も実はかなり重要。フライングバットレスによって壁が異常な程、薄いのです。あれでよくあれ程の高さの建物を支えられるものかと、不思議に思うくらい。そしてその構造により窓が大きく確保できたことにより、神々しい光が内部の空間を包み込む.....。しかし、荘厳で神格化されたような建物でうかつに近寄れないイメージもありますけど、市民達の憩いの場でもあったりして、意外でした。

 ちなみに、買ったゴシックの本は、すべて建築のゴシックに関するものです。でも、どの分野のゴシックでもそれが好きなら、多少の違いはあれど基本的には同じだと思うので、きっと的外れではないと思います。だってゴシック文化の根源なのですから。 ......でも巷で使われている「ゴシック」と本来の「ゴシック」は、別物、って感じですね、やっぱり。


 ゴシックのついでに、サンピエトロ大聖堂に関する本も欲しいです。
殉職者ペテロの墓の上に立っているらしいですが、あれもまたミケランジェロの作品との融合で、個人的に最高!なのです。あそこに鎮座している「ピエタ」あれには、感動しました。宗教画のマリアなどいくつか見たことありますが、あんまりピンとこなかったのですが、あのピエタは、ちょっと他のと違うっ!って感じで、あれは.....もう本当に大好きです。イタリア人にしてみれば(いやキリスト教徒もそうかもしれませんが)マリアに抱かれて死にたい、とかいうのを聞いたことあります。それうなずけます。かなり巨大な大理石像らしいですが、実物を見たいものです。「最後の審判」のキリストとマリアも好きです。あんなに若々しくエネルギーに充ちたキリストを見たのは初めてです。あの審判を下すポーズ......かっこいい! 確か、光輝を与えるポーズでしたっけ。寄り添うマリアも、そのポーズと表情が好きです。そういえばこの天井画には、ミケランジェロ本人とされる姿も描かれている様ですが、なんであんなにオバケみたいなの.....。ゾンビみたい.....。なんか疲れ切っちゃったのかなあ。お疲れさま、ということですね。

ゴシックとは何か—大聖堂の精神史 講談社現代新書/酒井 健 (著)

図説 大聖堂物語—ゴシックの建築と美術 ふくろうの本/佐藤 達生 (著), 木俣 元一 (著)

 この2冊でゴシックの基本がわかると思います。おすすめです。

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