Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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いつか取り上げられるとは思っていましたが。

先週の「美の巨人たち」で取り上げていたのは...........山田かまち。
地元、群馬の人なので県民以外でどれくらい知名度があるのか分かりませんが、(って言ったって県民だって知らない人はいるでしょうが。)マイナーな存在には違いないはず。それに別に画家ではないですし。将来そうなっていたかもしれませんが...。

 美の巨人たち


 番組冒頭で、いきなりローカル臭さ100点の高崎駅前の映像が.......。 その後は、護国神社へ続く道が映って .....。いやあ、群馬テレビ(ローカル局です。県民でも見る人すごく少ない...はず)を見ているのかと思ったよ。w  確か広瀬画廊の近くに山田かまち水彩デッサン美術館があったような気がしますが、行ったのは随分前の事なので憶えていません。

 昔、親に連れられて見に行った事がありました。........ちょうどかまちが亡くなった歳と同じ位の時。 その頃絵画なんて全く興味がないし、はっきり言って連行されに行った様なものです。絵よりも飾られていたギターの方が気になって仕方無かった....という具合でしたし。なぜギターが飾られているかと言うと..........、晩年、ギターを弾くのに夢中になっていたのと、...........それで亡くなったからでしょう。この少年の名を知っている人はおそらく知っているはずですが、死因はそのギターによる感電でした。

 17歳による死、永遠に少年のままだから、そのことが同年代の人を惹き付けているのだと思います。館内に展示されているのは絵だけでなく詩も多いです。良く言えば青春の輝き、悪く言えば青臭さ.......、そんな雰囲気です。番組でも取り上げられていましたが、館内にはノートが置かれていて、びっしりと来館者のメッセージが書かれています。...............申し訳ないですが、そういうのはダメ.....なんです。来館したのは同年代だったにも関わらず、ああいうのは受け入れられませんでした。前述の、青臭さで充満しているように見えて、ひどくつまらなかったんです。すごく好きだと言う人ももちろんいるでしょうしそれを否定することはしません。好みの問題であれは受け入れられなかった、ということです。

 実際、飾られている絵は、上手いと思います。子供の頃描いた動物の絵は特に上手いと思いました。各々の動物の雰囲気をよく捉えた色彩、動きのある線、..........番組でも同じ事を館長がおっしゃっていましたが、やっぱりそこが特筆すべき点なのでしょうね。(番組内では語られていませんでしたが、確か、井上房一朗もその才能を高く評価していたとか訊いた事があります。井上房一朗というのは、地元群馬の中堅ゼネコンの社長だった人ですが、いわゆるパトロンでもありました。)  とはいえ、あの美術館は、純粋に絵を見るということではなく、たぶん、瑞々しい青春の輝きを見てほしいのだと思います。


 館内2階(だったと思う)にはギターの側に氷室京介のメッセージが飾られています。なぜかというと、当時かまちと友達だったようで、一緒に集まってギターを弾いていたりしていたとか。............生きていたならどうなっていたのでしょうね。晩年は本当にギターにのめり込んでいたそうで、自作曲の譜面も発見されているんですよね。確か、世界に通用する音楽を演る、とか言っていたそう..........。絵もうまいし、きっと音楽にもその才能はあったはず。.........そう思うととても残念です。生きていたらもっと有名になっていそうな気がします。

 ちなみにかまちのギターは、確かグレコのストラトだったはず。ナチュラルフィニッシュのもので、そういえば最近はあんまり見かけない仕様かも。当時、フェンダーやギブソンは高嶺の花だったので、国産のコピーモデルがポピュラーだったようですが、中でもグレコのはクオリティが高かった..........とか。目の付けどころが鋭いかも。


 余談ですが、かまちのギターによる感電死のせいで、ギターを買うのをためらった過去があります。 本人には申し訳ないですが、本来、ギターによる感電死はありえないはず。確か、ケーブルが短いとかで2本のケーブルを強引に繋ぎ合わせた、線がむき出しになった部分が、真夏の暑さで汗だくになっていた体に触れて感電だったとか..............。

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