Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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アナザバイブル

another_bible.gif  最近プレイしていたのが、このアナザバイブル。一応、ラストバイブルのシリーズらしいですが、いわゆるシミュレーションRPGのような作りになっています。ゲームボーイ用ソフトだったのでプレイしてみたのですが、結論から言うと、やり込める様な要素はないし長くプレイできるものではないのですが、キャラデザとサウンドがいたく気に入ってしまいました。こういうシミュレーションRPGは、昔の三国志なんかのゲームで慣れているしそもそもそういうのは結構好きな方なので、楽しめました。

 このキャラデザがとてもポップでカワイイんです。これは絶対、描いたのは女性だよなあ...と思っていたらスタッフロールみたところやっぱり女性の方でした。ポップでカワイイといっても描き手によって千差万別ですが、このキャラデザは個人的には好みです。他のラストバイブルのキャラデザともかけ離れているし、ゲームのシステム共にほとんど別物なのですが、そんなことはどうでも良くて好きになれた作品でした。


................よく、ラストバイブルシリーズはメガテン(女神転生)じゃないとかメガテンのファンから散々言われて相手にされていない様なのですが、そもそもラストバイブルはメガテンとは別物なのだから違うのは当たり前なのに、それをどうしてわざわざメガテンの要素と比べて、「メガテンとは違う、こんなのはメガテンじゃない!」...なんて叩くのかよく分かりません。
 確かにラストバイブルの1と2には女神転生外伝と肩書きが付いているのですが、思うに、これってメーカーの売り方に問題があるような気がします。おそらくメガテンのファンが本家のシリーズのついでに買ってくれるのではないかと、肩書きをくっつけたような気がします。でも実際はマップは2Dだし、ゲームボーイ用ということもあってか年齢層を下げたような作りになっているし、そもそも舞台設定が異なるのですから、別物なはずです。結局、本家のファンからは相手にされず、新規のユーザーも獲得出来ず....というような結果になってしまったように思えます。調べてみると、ラストバイブルシリーズの発売日が本家のメガテン作品とかなりだぶっています。1と2はゲームボーイカラー用にリメイクされたようなのですが、ほとんどカラーになっただけのような仕様らしいのですが、メーカーには申し訳ないですが、それって本当に売る気があるの?と言いたいです。............本当、不遇で残念です。


人にはそれぞれ好みの違いがあるはずですから、メガテンと別物だったとしても、それが駄作というような図式には必ずしもならないはずです。昔、初めてラストバイブルを知ったとき、これが外伝なのなら本家はもっと充実しているのだろうな....とすごく期待していたのですが、メガテンの内容、グラフィックやサウンドを知った時に、すごくがっかりしてしまいました。........今でもメガテンは好きになれそうになくて、プレイする気が起きません。もちろんこれは好みの問題で、別にクオリティが悪いとは思っていません。個人的にはラストバイブルの方がずっと好みだということだけです。


 話を戻して、アナザバイブルのサウンド。ラストバイブルシリーズを担当していたヤナダさんではなく別の方だったのですが、けっこう好きな曲があって満足でした。フィールド曲の中で一番最初のマップなどに流れる曲は、ストレートなマイナーチューンで、個人的には古代祐三っぽいイメージを受けました。.........昔プレイした事のあるドラスレファミリー(ドラゴンスレイヤーIV)の雰囲気に似てたので......。あとは、戦闘の曲。これもストレートなペンタトニックによる作りで、すぐにギターによるメロディを意識していると気付きました。.............レスポール+マーシャルJCM900で弾きたい感じです。本当にカッコいい! ラストバイブルの戦闘曲もモードを取り入れてたりしてかなり頭を吹っ飛ばしてくれる様な作りでしたが、う〜、アナザのも良い! 早速耳コピしよう!...........というかギター抱えながらプレイしてたわけですけど。w  あとは.....店の曲とかも、ジャズっぽくて良いです。他のダンジョンや町の曲も、雰囲気がきちんと出ているし作りは良いと思います。強いて言えばもう少し構成を練っても良かったかも....と思います。OPやEDも悪くないし良いと思いますが、ラストバイブルと比べると、その点が気になりました。同時発音数がもっとあれば問題ないのでしょうが、3音だと、作りによっては「間」が出来てしまうので、迫力に欠けてしまうんですよね......。うまく転調していたりするところは素敵でした。

 余談ですが、何度も聴いていたうちに何かに似てるな〜と思っていたのですが、冒頭のフレーズが、パープル(ディープパープル)の「ハイウェイスター」のジョン・ロードが弾くオルガンソロの一部分に似てる! もちろん偶然だと思いますが、思わずにまっとしてしまいました。ハイウェイスターって、意外に戦闘曲でも通用しそうな曲ですよね。テンポは速いし、ギターソロにはリッチーお決まりの必殺フレーズがあるし......。ゲームの戦闘曲って、やっぱりああいうハードロックなんかを参考にしているのかもしれませんね。


 それと、先述のキャラデザ。仲間のキャラはもちろん魔獣のキャラデザもポップで好きです。.......こんなのありえない!ってきっとメガテンファンから言わせればそうなってしまいそうですが、ああいうポップなのもあったって良いじゃない。だいたいロキとかシヴァとか.....神話の中なのだから、どんな顔をしてたかどうかなんて分かるわけないし。そういうキャラデザの中でけっこう気に入ったのがルシファー。珍しくルシフェルではなくてルシファーになっていましたが、あの思いっきりジャニーズ系みたいな少年の顔がウケました。サバトに出かける時は美少年の姿で出るっていうし、これはあり得る顔かもしれない。あれは好きです。

なんとアナザバイブルの登場キャラ/魔獣の画像データが掲載されているサイトがあるではありませんか!即お気に入り。
魔女の森easy サイトトップはこちら


 そうそう、サウンドが気に入ったので担当の方がどんな人なのか気になったのですが、「まつまえまなみ」という方らしくて、まつまえ.........まつまえ、松前? それでふっと浮かんだのが松前公高さんだったのですが、ま、まさかね....と思いながらググってみたら、どうやらそのまさかで、松前さんの奥さんの様です。松前公高さんって同じくミュージシャンですけど、テクノ系の人でしたよね、確か。キーボードマガジンなんかによく出ていたので名前だけは知っています。ローランドシンセのフリークな方らしく本なんかも出していましたよね。


 というわけで、最初はあまり期待していなかったのですが多いに裏切られて、なかなか満足できた作品でした。

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