Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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資料集め ▶ 天使像(美術)+

 嵌まっていた....というよりは資料集めをしていたのが高じての結果なのですが、神話や悪魔、それに魔術関係についての資料を、5〜6月の2ヶ月余りに渡り漁っていました。これは少し前に書きましたが、ラストバイブルファンサイト「ルシフェリウム」のサイトデザインのためでした。


 それなりに悪魔や堕天使に関する本は持っていましたので全く知識がなかったわけではありませんし、今までの雑記などでも度々話題にしてきました。「ルシフェリウム」のデザインの大きな要素となったのが、天使像、ルシフェルの紋章、召還呪文の3つです。今回は一番時間を掛けて苦労した、天使像について。


天使像といっても例えばガブリエルのような伝達係系天使よりも武装している天使の像を必要としていました。なにせルシフェリウムですので力強くないといけません。調べてみると、天使像といえば子供の天使や女性の天使はすぐにみつかるのですが、武装している天使はそれらと比べるとずっと少なくて本当に苦労しました。 よくよく考えてみると武装している天使で有名なのはミカエルくらいなんですよね。

 まあともかくグーグルのイメージ検索で、まず「angel statue」辺りで一通り時間を掛けてチェックして、それで気になった天使像が3つ見つかりました。


 1つは、次のサイトのページ上部に載っている天使像。 http://216.254.31.219/lucite/lucite.asp   この天使像、あるCDジャケットに描かれているものに似ている様に思うんです。なので意外に有名な天使像なのではと思っているのですが、グーグルのイメージ検索では見つからないし、作者や名前も分からないのでお手上げです。ちなみにそのCDジャケットは、TNTの「TILL NEXT TIME」。以前当雑記で紹介したこともあるCDです。このジャケット裏には顔の部分をアップしたものがあって、それと見比べるとやっぱり似ている気がするんです。同じ巻き髪、ティアラ、ポーズ.....CDジャケットの方は手描きのような感じですので、推測ですが天使像を参考に描いたのではないかと..........。大きな画像はこちらで。http://homepage.mac.com/jreffner/Artwork/tnt/till_next_time.jpg 

.......似ていません?どなたかご存知の方いらっしゃいましたらぜひお教えください。かなり気になって仕方がありません。この女神風の天使に萌えです。

 結果的にミカエル像にしましたが、この天使像を見つけて、これの無料で使える写真を探そうと当初は考えていました。ラストバイブルも1と2はサブタイトルが「女神転生外伝」だし、1にはフォースの女神も登場していたのでかなり雰囲気も似ているし、それでいこうと思っていたのですが、前述通り詳細が分からないので諦めました。


 2つめはこの天使像  http://binturong.us/pics/brighton/angel_statue_closeup-big.html
どうやらこの天使の詳細は分かりました。イギリスのブライトンにある像.....らしいです。 http://americanairlines.wcities.com/en/record/,214065/202/record.html

 オーブを左手に手にしているので、これもラストバイブルのルシフェルに通じるところがあったので候補でした。ラストバイブル1ではルシフェル達が魔獣達を救う為にオリハルコンを奪うのですが、海外版ラストバイブル=「REVELATIONS: THE DEMONS SLAYER」には、オリハルコンが「Orb」と書き換えられています。聖書などにも登場する球体の宝玉です。音響機器/レコードメーカーの「フィリップス」や、元はパンクファッションのブランドだった「ヴィヴィアン・ウエストウッド」もロゴにオーブが使われていますね。
 断念したのはフリーの写真を見つけられなかった事です。先ほどの大きな画像のアドレスは個人撮影のものですし、使うわけにはいきません。もしかしたらメールで使用許可を求めれば承諾してくれる可能性もあったかもしれませんが......。


 3つめは、ルシフェリウムのトップに決めた天使像。
剣をかざし表情も憂いのある様な或いは何かを見詰めている様な、そんな表情でしたし、ポーズもよかったし男の天使でしたので、これ以外に似合う像はないと即決。ヒット数も多かったので詳細もすぐに判明。イタリアのローマにある「サンタンジェロ城」というお城でした。

サンタンジェロ城 - Wikipedia

 日本語で訳すと、そのまま天使城なんですね。.............ルシフェリウムにこれほどぴったりなものは他には本当にありません。ルシフェリウム...ルシフェルを筆頭に堕天使の棲む魔城......ミルトンの「失楽園」に出てくるパンデモニウムのようなものです。
 サンタンジェロを調べてみると、城の手前に架かっている橋の欄干にはそれぞれ武装した天使像が違ったポーズをとっています。剣、メイス、槍、十字架を武器として握っています。サンタンジェロ城に立っている天使はミカエルでしたから、橋で構えている天使達にもそれぞれ名のある天使なのかもしれませんが、そこまでは調べられませんでした。

...........サンタンジェロ.......こんなお城(遺跡)があるのを知らないなんて不覚でした。Wikipediaの日本語ページに載っている位ですから有名なのでしょう?  検索ワードを「Castel Sant'Angelo」に切り替えて再びイメージ検索。すると.......何と嬉しい事にフリーで使える写真があるではありませんか! .......もう運命だと思いました。(ぉぃ


 そういう経緯でやっと天使像の写真が決まり、サイトデザインの制作を始められました。トップページのそのことだけで2週間くらい掛かっていました。トップページはサイトの顔ともいえる存在ですので時間を掛けます。トップページを各ページに流用した方が手間も省けますし、デザインの統一感も出てきますので、やはり重要です。 ミカエル像はトップページのみにしようと思っていたので、各ページページ左側にはメニューを配置していたのですが、その部分の背景に、橋の欄干に立っていたメイスを握る天使像を載せる事にしました。


 他にも、堕天使の像などもいろいろ見つかりキープしたものもあります。彫像に限らなければ絵画でも気になる絵も見つかりましたし。その中で特に見つけて良かったと思ったのは、ミカエルが描かれた絵画のうちの1つに。グイド・レーニが描いた絵だったとは......びっくりでした。

 グイド・レーニはたぶん日本ではマイナーな画家なのだと思いますが、海外ではけっこう人気があるとか耳にした事があります。また当時はラファエロの再来ともいわれ、近年の古典絵画の再評価と共に本来の評価になりつつあるそうです。テレビ番組の「美の巨人たち」でも前に取り上げていましたが、「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」が、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」とどこか似ていて、もしかしたらフェルメールがそれを参考にしたとか..........番組(下記ページにも書かれています)で紹介されていました。

 詳しくは下記に載せたページに書かれていますが、ベアトリーチェが実の父親に関係を求められ、それに耐えきれなくなり殺害してしまった罪で処刑されたのですが、その場所が、前述のサンタンジェロ..............。

グイド・レーニ「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」
http://www-cvr.ai.uiuc.edu/~slazebni/personal_page/scrapbook/paintings/beatrice_cenci.jpg

フェルメール「真珠の耳飾りの少女」
http://www.ibiblio.org/wm/paint/auth/vermeer/i/earring.jpg

EPSON〜美の巨人たち〜: グイド・レーニ「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/picture/f_041218.htm

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