Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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まとめてレポート#2

 続いてラ・トゥール展。
実は、最近まで知らなかった画家です。日本にはかなり昔から展示されてきたことがあるようですし、全く知られていないわけではないのでしょうが、超有名というわけでもありませんよね....。しかし、海外ではフェルメールなどと並ぶ程、評価が高く、有名なのだそうです。

 そんなラ・トゥール。今後、まとまった数で展示される事はないだろう....とか囁かれていたので、それなら見なくちゃ!というわけで、見に行ってきたわけです。ラ・トゥールもラッキーな事に、テレビ(新日曜美術館)で取り上げていたのを見てから展示を見る事が出来たので、楽しめました。同日見たゴッホ展と比べると、物凄く空いていました。........まあ当たり前といえば当たり前ですよね....。でも見る側にしてみれば、空いている方が楽です。落ち着いてじっくり見られますから。

 展示室へ入ってびっくりしたのが、室内の暗さ。ゴッホ展のが明るかったせいもあるかもしれませんが、かなり暗いと感じました。さらにラ・トゥールが題材に取り上げたものが、暗い.....というか世俗的なものの中に潜む暗さ、みたいなのが多くて、そういう画風も相乗効果で、独特の雰囲気が出ていました。..........本当、ゴッホと比べると対照的かもしれません。

 その中で今回展示のトリ的な作品だったのが、「いかさま師」と「マグダラのマリア」でした。「いかさま師」ってタイトルも凄いですが、確かにいかさま師を描いています。カード(トランプ)をしているのですが、いかさま師が4人でグルになって、お坊ちゃんから巻き上げようという絵です。いかさま師の一人が、ひそかに背中にカードを隠しているところが描かれていたり、いかさま師のボスであろう女いかさま師が餌食のおぼっちゃんを見詰める表情、それとは対照的に嵌められている事に気付かないお坊ちゃんののほほんとした表情............それぞれ違った表情が描かれていて、なかなか面白い。

 「マグダラのマリア」は、少し前流行った(?)、ダヴィンチコードでよく取り上げられていた、マグダラのマリアです。イエスの母のマリアとは別の人物で、もともと娼婦だったのですが、イエスに悪霊を追い払ってもらって以来、信者になり、イエスの復活を最初に知ったのもこのマグダラのマリアであり、その際に「ノリ・メ・タンゲレ(私に触れるな)」と呼ばれた人で有名です。聖書に登場する人物なので、他の画家も多く取り上げているようですが、ラ・トゥールの描くマグダラのマリアは、かなりダークな雰囲気です。真っ暗な闇の中に小さなランプの灯で照らされていて、その表情も憂いのある様な、俯き加減で、何となく静寂感の漂う絵です。複数、マグダラのマリアを描いていて、今回展示されていませんでしたが、ドクロを抱えている絵もあるようです。.........ちなみドクロは悔悛の意味を表すもので、マグダラのマリアには必携のアイテムの如く、合わせて描かれる事が多いのだそうです。


 作品展数も少ないにも関わらず、かなりの数(とはいっても70点程だったと思います)が見られたというのは確かにラッキーなことなのかも。ちなみに、この展示が企画されたのも、西洋美術館がラ・トゥールの絵を購入した記念だったそうです。

 取りあげる題材や色彩などが、例えば印象派の様な綺麗な風景.....というようなものではないので、万人向けではない作風であることは確かでしょうが、他の画家があまり取り上げなかった俗っぽい世界を描いた絵は、何となく不思議な気にさせられました。

 そうそう..........ミュージアムショップでおもしろいグッズを見つけました。ラ・トゥールの描いた、マグダラのマリアには、ランタンを手にしている絵があるのですが、その描かれているものと良く似たデザインのランタンが売られていました。2種類あって、1つは銅製の小さなものと、もうひとつは鉄製の大きなもので、こちらの方が描かれているものによく似ていました。.............それで、なかなか気に入ったので買ってしまいました。家に帰った後、早速、窓辺に吊るし点火。.........久しぶりにロウソクの火を間近で見ましたが、なかなか風情があるものです。それからというもの時々点けています。...........真夜中の夜道を歩く時もこれを持ち歩けば危なくないね。w (.......却って危ない。w)

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