Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。

ゴシック/デカダンス アーカイブ
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 しばらく雑記を更新していなかったので、話題も古いものになってしまいます。

 大好きなヴァンヘイレン。
ファンの方ならほとんどご存知だと思いますが、ベースのマイケル・アンソニーが、解雇されてしまいました。脱退ではなくて、解雇、らしいですね.......。春頃のB! (エディが表紙の号)で、マイケルのインタビューが載っていたそうですが、2chのヴァンヘイレンのスレッドで話題になっていましたが、どうもB!の載せ方が悪かったとか言われていましたね。いかにもエディへのインタビュー記事のように扱っていたとか。

 原因は、ちょっと詳しい事は知りませんが、どうやらマイケルが販売している、タバスコ・ソースを売っているのがエディが気に喰わないとかどうとか。「.............?」って感じなのですが、たぶんツアー先の会場などでグッズを売る際に、タバスコソースを売って=個人的な商売をして儲けているのが嫌なのかも..........。

 でも、それだけで解雇するって言うのもあんまりだし、何か他にも原因があるのかもしれません。これも2chスレで話題になっていましたが、ヴァンヘイレンの活動が上手くいかないのは、リードシンガーではなく、エディ本人に問題があるのではないか..........、なんとなく肯ける話です。

 エディのイニシアチブが大きく占領され始めた、VANHALEN III(ゲイリー・シェローンが加入した作品)辺りからどうも怪しくなり始めていましたよね。「 III 」は、個人的には、好きではありません。悪いわけではありませんが、それまでのヴァンヘイレンの作風がありませんし、そもそもサウンドが大きく変化してしまっていますし、曲調も、はじけた感じが伝わってきませんでした。 セールス面の不調もあったりして、結局3代目シンガーのゲイリーはそれっきりで辞めてしまうし、それ以降、オリジナルアルバムは出ていません。2枚組のベストアルバムに新曲が3つ程合わせて収録されていたそうですが。

 その後ツアーは何度か行った様ですが、かつてのような精彩さはないようですし、新作がないからセットリストも昔のまま。なんだかすっかり過去の人、みたいになってしまってとても残念です。おまけにエディの近影が、またひどい老け込み様で、ショックでした。.......俳優などもそうですが、第一線から退いたり、俳優活動をしなくなると、「普通の人」になってしまうんですよね。髪が長髪でパーマかけているからなおさら風貌が酷くて..........。

 ゲイリーの後、2代目のサミー(・ヘイガー)を迎えて、ツアーを行ったのですが、結局仲違いになってしまったようだし、それに続いてマイケルの解雇.........。というわけで残っているのはヴァンヘイレン兄弟ですが、事実上、解散状態とも言えます。もうサミーが戻ることは考えにくいですが、初代のデイヴ(・リー・ロス)はやる気を示していますので、希望が全く無いとは言えませんが、兄弟があんな感じではバンド活動は難しそうです。


 そんな話題ばかりですっかり興味が失せつつあったのですが、1つ良いニュースが。
...........といっても諸手を上げて喜べるものかどうかは微妙なのですが、エディが、ポルノ映画のサントラを手掛けている様です。........そうなのです、ポルノ映画。以前、「海の上のピアニスト」のEDテーマ曲のギターを弾いていて話題になりましたが、今回は曲も提供している様です。

 ポルノ映画ということが問題だと言う意見もあると思います。サントラ提供のきっかけは、エディがその監督と知り合いだった事だそうです。監督の方もヴァンヘイレンのファン(が見るかもしれない事)を考慮して、ハードな場面はカットしたとか。

 実際、その映画のサイトを見たのですが、英語を読まなければパッと見では、分からない感じです。ギャラリーの写真を見ると、露出の高い服着てるおねーさんやディルドー舐めてるカットとかあって、あぁ〜、やっぱりポルノ映画なのね........と気付かされます。
 でも話によれば、むこうではそういう映画でも賞をとることがあるようですし、日本でいえば.......見た事無いので間違っているかもしれませんが、昔のロマンポルノみたいなものなのかも。Webサイトでもコメントされていますが、ポルノ映画である以上性行為のシーンはメインの1つであるにしても、性的な官能よりも美への官能を表現しているようです。


 ........ちなみに、カテゴリーになぜ「ゴシック」を追加したかと言うと、サイトのギャラリーの写真を見てもらえばわかると思いますが、ゴシックドレスを着ている写真がかなり多いです。以前、海外のゴシックのアクセサリーや装飾を探していた時に、よく見かけたのと同じ感じのドレスです。おまけに白ロリみたいな純白のドレスや、お人形を抱いてる写真、ゴシック風というよりはヴィクトリア風というようなセット、それにゴシックホラーを予感させる動画..........、これは.........ゴシックロマンポルノだね。w

 エディが提供した曲も2曲、アップされているのですが、正直そっちよりもゴシック風な雰囲気や写真のほうに興味が移ってしまいました。曲は、アップされている2曲だけで判断するのも難しいのですが、その2曲に関してコメントすると、何となく、バッキング/リフが出来たら、それを再生して延々とギターを弾いていたものを録った....そういう感じがしてしまいます。エディの演奏に注文つけるなんておこがましいのですが、敢えて言うならもう少し構成を練ってメロディもはっきりしたものにしてほしかったです。

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............と、書きつつ、ミュージックビデオクリップを見たら発言撤回。
クリップに、エディ出てる〜〜〜〜〜! しかも手にしてるギター、あのストライプ、5150ギターだ〜。風貌もやばいとか言われていたけど、クリップ内のエディはカッコいいよ! 音楽も、聴き返してみたらそんなに悪くないし、今後の再始動のための1ステップとして考えてみたら、悪くないです。


 ともかく、サイトデザインも個人的に好きです。タイトルも意味ありげですし、写真や動画見る限りゴシックホラーっぽいし..............見てみたいかも。


「Sacred Sin」(ページにMP3、メインキングビデオクリップ、写真などあり)
http://www.ninnworx.com/sacredsin/

ミュージックビデオクリップ(エディ登場)
http://www.ninnworx.com/sacredsin/video_open/evhrise_tease_title.wmv

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 これでひとまず読書の区切りがついた感じです。
自分でも良く分からないのですが、どことなく達成感というか「とりあえずここまで読んだぞ」というような、栞が付けられた感じです。
まだまだ自分に合う、好きになれそうな作品はあると思いますが、ひとまずここまで。もちろん本を読む事に飽きたというわけではありませんので、これからも読んでいくと思います。


今月買った本は以下のとおり。

大人のための怪奇掌篇/倉橋 由美子 (著)
吸血鬼カーミラ 創元推理文庫 506-1レ・ファニュ (著), 平井 呈一 (翻訳)
Pugin's Gothic Ornament: The Classic Sourcebook of Decorative Motifs
ライ麦畑でつかまえて/J.D.サリンジャー (著), 野崎 孝 (著)
いちご同盟/三田 誠広 (著)
放課後の音符(キイノート)/山田 詠美 (著)
ボッコちゃん/星 新一 (著)
あやかしの鼓—夢野久作怪奇幻想傑作選 /夢野 久作【著】
春琴抄/谷崎 潤一郎 (著)


 あぁ〜..........、こんな下書きを3月に書きっぱなしのままでした。
しかも全然区切りなんて付いてないし、今月(5月)もいろいろ買ったし........。でもある意味自分の好みの基礎となる様な部類の本をある程度読んだ事は確かかもしれません。いつかの終わりは今日の始まり。

 既にほとんど読了しているので、感想を書くのにちょっと苦労しますね。やっぱり読了すぐに感想は書くべきですね。とりあえず感想を書き出してからその後推敲するのが良さそうです。

 ということで、感想は後日。(その後日がいけないんだ......言ってる側から。) 追加の感想は、このエントリーを修正という形で追加します。なのでそんなに後じゃないはず........。


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............なんてことを言っておきながら、いつのまにか7月も下旬........。
このいかれた雑記を楽しみにしている方がいるとは思えませんが、待たせてごめんなさい。

 早速、感想。
まず、「大人のための怪奇掌篇」は、別で改めて述べたい程、お気に入りの本になりました。なので後日。


 吸血鬼カーミラ
これは以前にもちらっと書きましたが、女性の吸血鬼です。有名なブラム・ストーカーのドラキュラよりも前に書かれたもので、買った創元推理文庫には、このカーミラの他に短編がいくつか収められています。カーミラ自体もそれほど長い話ではなく、百数十ページだったと思います。
 カーミラというと、百合ものだとか言われますが、読んだ限りでは別に取り立ててそんな風には思いませんでした。共に美少女でお嬢様なカーミラと被害者のローラが同じ寝室で寝泊まりするのですが、別にレズってるわけでもないし、単に喉元やみぞおち辺りをキス(吸血)するとか位。......でも、言われてみれば確かにそういう感じはあるかも。しかし、この作品はそれがメインではなくて、純粋にゴシック・ホラーの内容になっていて、ローラの元へ来るはずだった別のお嬢様がやはりカーミラ(しかし名前はミラーカという名をそっちでは名告っていた)に血を吸われ、そちらは原因を突き止める事が出来ないまま死んでしまいます。それで次のターゲットになったのが、ローラというわけです。
亡くなったお嬢様の父親と共に、ローラの父親が、同じ様な症状に陥っているローラの原因を突き止め、カーミラを封じ込めて話は終わりますが、ちょっとミステリーと言うか推理ものの要素も入っている気もしないでもないです。最後の方になって、すべてのつじつまがぴったりと噛み合い、楽しめました。 ドラキュラ程、話のスケールは大きくないし、田舎の山城で起こる怪談、という感じです。
 最近では、吸血鬼と言うと、萌えの対象になりつつあると言われますが、元祖吸血鬼のカーミラから既にそういう要素を含んでいた様ですね。若干ツンデレですし、美少女でお嬢様だし、おまけにちょっと百合もの..........。書かれたのが1872年ですが、ちっとも古さを感じさせないのが凄いです。 おすすめ。


 Pugin's Gothic Ornament: The Classic Sourcebook of Decorative Motifs
これは、タイトル通り、ゴシックの装飾モチーフ集です。雑記では今まで特に紹介してきませんでしたが、今までにもゴシックデザインの洋書をいくつか手にしています。やはり国内にはゴシックデザインの本はなくて、洋書に頼る他ありません。
とはいうものの、この本もそうなのですが、なかなか思う様なゴシックデザインが載っていません。というより自分が求めるものがそもそも異なっていて、どちらかというと飾り罫のようなものを求めているのですが、今まで手にしたものは、飾り罫というよりはオーナメントそのもので、サイトデザインなどの平面的なデザインに活かしにくいものが多く、またゴシックを知らない人が見てゴシックと気付いてもらえるかわからないモチーフが多くて..........買う度に損した気分になっています。
 同じ様にゴシックデザインを探している他の方にも、(嗜好が)合うかどうかわかりませんが、もしゴシックデザインのネタを探すならば、ゴシック建築.....とりわけ大聖堂の装飾を調べてみる事をお勧めします。ひとくちにゴシック建築といっても、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ.......など、フランスから派生していったものはやはりフランスゴシックとは装飾が異なりますし、時代によってもまた異なります。個人的にはフランスゴシックが一番好みですが、それぞれに良さがあると思います。


ライ麦畑でつかまえて
以下3つは、いわゆる「青春モノ」?........です。なぜか急に読みたくなって購入しましたが、なぜか読む気がしなくて、今回買った中でこれのみ未読です。時たまそう云う事があって、買う時は読んでみたいなと思っても、いざ読もうとすると..........う〜ん........という感じで本棚に戻してしまいたくなるんです。それでしばらく経った後にふと本棚に目を遣って、初めて読んでみる....という具合です。


「いちご同盟」と「放課後の音符(キイノート)」は、確か2ch文学版での、あなたが美しいと思ったタイトルは?.....とかなんとかのスレ内に書かれていたものだったと思います。そのスレを見て買った本、あるいは著者を知ったもの....いくつかあるので、何かと重宝しています。


 いちご同盟」
これは........ちょっと批判的な感想になってしまいます。
アマゾンのレビュー内に、読む歳が若ければまた異なる感想を抱くのではないか...というような記述があったのですが、そうなのかもしれないな....と自分でも感じました。
 「大人のための怪奇掌篇」の著者である倉橋由美子の著作に「あたりまえのこと」という小説論について書かれた本があります。それをこの本の読後に読んだのですが、 「いちご同盟」を読んだ時に感じたことと同じ事が、そう受け止められてしまう小説がこの世にはあると書かれていたので、そうなのかなあ....と少し不思議な気がしましたが、とにかくまず感想を書きます。

 この作品には、不治の病で余命少ない少女と、その同級生である野球部員の少年とピアノを習い将来音大へ進もうとしている少年が主な登場人物で、その野球少年と少女は幼なじみで良く知る間柄、ピアノ少年は最初ふたりとは面識はなく、少女へビデオレターを届けたいと言う野球少年の依頼で、しぶしぶ引き受けやがて少女が入院している病院へたびたびお見舞いの為に通う様になります。
 話の終わりにこの少女は亡くなります。その少し前辺りで、同じ同級生の少年がバイク事故で亡くなります。この少年は、野球部員の少年の友達(バッテリーを組んでいる)にいじめられて不登校になっていたのですが、ひょっこりバイクで校門近くでピアノ少年に出会った後、事故でなくなります。ほとんど登場しない人物です。ほとんど死ぬ役として、いのちの意味を教える為だけに、わざわざ引っ張り出されて死なされた様に、感じてしまいました。その話のもう少し前辺りから、それぞれ登場する人物が担う役みたいなものが薄々と感じられてきてしまって........。それぞれ確かに作品内の世界ではみな生きて頑張っている姿は描かれています。けれど、どうも空しく感じてしまうのです。少女の抱く想いも結局良く分からないままで、ピアノ少年に、「あたしと心中しない? 」「死ぬ程好き」だとか言っておきながら、野球少年と病室で密かにxxxしていたり(間が悪くピアノ少年は偶然目撃した)、結局死ぬ間際でも(もう声は出ないが)やっぱり好きだと言っている様に見えた....と書かれていたり、まあこの少年達も振り回されているのです。

 野球少年は、バッテリーを組んでいる不良少年(バイク事故で死んだ少年をいじめていた少年)と高校に行っても一緒にやりたいからと、成績が悪く進路先が決まらなかった不良少年を助けた様な形で、無事推薦を受け、希望の高校に内定します。ピアノ少年も、話の最初では、まだ演奏技術が足りなく進路先を悩んでいましたが、少女が亡くなったのを契機になんとかコツを掴めた感じで、登場人物の、ハッピーエンドとバッドエンドが恐ろしい程分かり易いのです。
 前述の倉橋由美子の「あたりまえのこと」に書かれているのですが、「操り人形の糸が見えるような具合に運命の女神、実は作者の手付きが見えるのは興醒めなのである。」...........まさにそう思ってしまったのがこの本でした。
 もちろんそう感じなければ良い作品に思えます。自分には合わなかっただけだと思いますが。


「放課後の音符(キイノート)」
その反面、この作品内に登場する少女達はみな生き生きとしていたように感じました。理由は良く分かりません。前述の操り人形の釣り糸が見えなかったからかもしれません。ただし男の自分が読むには問題があった気がします。まさか全部の話の主人公が女子高生だとは思っていなかったので.........。ということで、一応オムニバスのような集まりになっていますが、それぞれの話で登場する少女達には何らかのつながりがあったり、ある話では主人公でも別の話ではちょい役だったりしていたと思います。
 ちなみにこの本を知ったのは、前述の2chのスレッド内に「ひざまづいて足をお舐め」なんているタイトルが書かれていて、こんなタイトルにする人って誰なのかさすがに気になって調べたのがきっかけです。それで、多くの作品の中でこの本を選んだのは.......、私事になりますが、昔、「放課後のチャイムが鳴り止む前に」っていう曲を作った事があって、もしかしたら思い描いたものと似ている話が覗けるかも、と思ったからなのです。具体的な出来事は似ていませんでしたが、自分の抱く「放課後」のイメージは、そんなにかけ離れていないかも......とは思いました。
 それはともかく、良い作品でした。....まあ、女のコの秘密の日記をこそこそと読んでいる様な気分で、ちょっと恥ずかしかったですけど。


「ボッコちゃん」
 星新一の自選による50編のショートショート集です。ショートショートなので、作品ごとに具体的に感想を述べるのは難しいです。唸ってしまうオチがいくつもあり、また話のネタがとにかく自由奔放で、たしか1000以上も作品を残した人ですが、よくもそれほどアイデアが浮かぶものだと感心してしまいます。
 ただ、1つ際立っていた、というか妙にそれだけ他とは異質の雰囲気を持っていた作品がありました。「月の光」という作品なのですが、これは単にオチを読ませるものではないような気がします。ある老紳士がペットを飼っていて.......それは混血の少女なのですが、その老紳士はペットを育てるのにそれまで一度も言葉を交わさず、またえさをやるのも自分ひとりで誰一人近づけなかったのです。なんて書くと、今のご時世だと、すごく性的で歪められた欲望を充たす話のように思われるかもしれませんが、そういう雰囲気は全くありません。もっと抽象的で、あるものを表現することとして作られた話のような感じで、ガラス張りの天井、室内プール、きらめく夜空........そんな設定もあって、妙に幻想的なのです。
 老紳士が事故に遭い餌をやれなくなってしまい、召使いがいるのですが、召使いが餌を遣っても食べないし言葉も交わさす育てられてきたのですから当然言葉も通じません。老紳士は亡くなり、餌をやれる人間がいなくなり、その結果、ペットも死にます。

 ただそれだけの話です。他の作品に見られる様な、驚かされるオチがあるわけではありません。巻末の解説で筒井康隆が「彼の中にある理解と愛情の相関関係が図式的に示されてさえいる」、と書かれており、「(星新一が)どこまで完全に人間を理解しようと、絶対に人間に無関心になれないのは、本能的ともいえる人間への底知れぬ愛情のためであろう」とも書かれています。
 ただ面白いと思いながら読むばかりで、そういう著者の思いが詰め込まれているなんて思わず読み続けていました。


「あやかしの鼓」
相変わらず、夢野久作に嵌まっています。「世にも奇妙な物語」なんかが好きな人には、たぶんうってつけの作家だと思います。「怪奇幻想」という言葉がまさにぴったりの作風で、ぞくぞくさせます。しかし、その中にも独特の語り口調やユーモアさがたっぷりと含まれていて恐怖一辺倒ではない、実に素敵な作品ばかりです。
 「死後の恋」、「瓶詰地獄」、「いなか、の、じけん」、「あやかしの鼓」辺りを目当てで買いました。
Wikipediaの夢野久作の作品ページでも触れられていますが、意図的かそれとも単にミスなのか分かりませんが、話の内容に矛盾する箇所があったり、話のオチがざっと読んだだけでは分かりにくいものなどがあったりします。「瓶詰地獄」、「死後の恋」がそうなのですが、特に「瓶詰地獄」では、「ドグラマグラ」とは別の意味で思考回路がこんがらがってしまいます。
 「あやかしの鼓」をはじめ、「ドグラマグラ」、「押絵の奇蹟」など、脈々と受け継がれる因縁を背景にした作品も目立ちます。それらの話は、じわじわと因縁が紐解かれてゆく経緯が、なんだか怪談の百物語を聴いてゆくかの様で(おおげさなw)、意外に怖かったりします。


「春琴抄」
これもかなり好きになれた作品です。文庫本で70ページ程しかない短編ですが、じっくりと味わえました。というのも、この作品の書かれている文体が変わっていて、句読点がほtんどありません。しかも1つの文章が3、4行に渡るものが少なくなく、とても長い文章になっています。清水義範の「大人のための文章教室」に「読者に読むスピードを落とさせ、別世界の話をじっくりきくような気分にさせる効果を狙っているのだと思う」と書かれています。その例では「春琴抄」ではなく「細雪」でしたので、同様の効果を狙っているのかどうかはわかりませんが、確かに読み始めは面喰い読みにくかったのですが、慣れると意外にも読み易く苦ではありませんでした。
 話の内容は、盲目で三味線の名手であるお嬢、春琴と、彼女に仕える奉公人である佐助の愛と献身を描いたものです。春琴に悪意を持った弟子の利太郎から熱湯を顔に注がれ、酷い火傷によりかつての美貌が失われてしまい、それを見たくなく、かつての春琴の美貌を脳裏に焼き付けたいが為に佐助は自らの眼を針で突き刺し盲目となります。............自らの目を針で突つき盲目となるなどという行為は、他人から見れば狂気の沙汰としか思えないものです。ときたまネット上のレビューを見ると、それは春琴がサドで佐助がマゾだったから可能だった.....なんていうのを見受けましたが、それは冗談半分なのかもしれませんが、そういう風には思えませんでした。それほどまでに春琴を深く愛し、三味線の師匠として尊敬していた果ての行為なのだと、やはり思います。
 普段の春琴はわがままで勝気で、三味線のレッスンも凄まじく、演奏が「なっていなければ」、途端にぽかりと殴ったりするのは当たり前。暴言なんかは日常茶飯事。あまりのひどさに佐助はひいひいと泣いてしまうのもまた日常茶飯事なのでした。ところが、例の目を針で突つき盲目となった次第を佐助が春琴に話した際に、春琴は「佐助痛くはなかったか」「今の姿を外の人に見られてもお前だけには見られとうないそれをようこそ察してくれました」..と、普段そんな言葉をかける事の無い言葉をかけ、しまいには「『もう何も云やんな』と盲人の師弟相擁して泣いた」とその場面を締めくくっています。
 谷崎潤一郎の作品ってあまり泣ける様な話はないと思うのですが、この「春琴抄」にはおもわずうるっとなってしまいました。。。・゚・(ノД`)・゚・。 ウワーン

 そういえば、新潮文庫から出ている文豪ナビの谷崎本には、この春琴抄に対するコメントにどうしても賛同できないんです。完全に主人と奴隷のイメージにしてしまっていて、春琴のあらゆる世話が出来、それに絶えられるのも、奴隷だからマゾだから、だと書かれていて、それには絶句です。あの谷崎の文豪ナビの内容は、どうもそういう方向へ持っていきたがる内容なので嫌です。

 何かに弟子入りしたり先生についたりすれば、きつく怒られたり、殴られたりするのはけっこう当たり前の様な気がするのですが。確かにそれ自体は嫌ですが、親身になって教えてくれているのだと思いますし、一概にサドマゾの関係とは言い切れない気がします。床の世話もしたのも奴隷が故だとやはり書かれていますが、あれはいつしか二人がそういう仲になったが故の出来事だと思っているのですが........。春琴が佐助との結婚を望んでいるように察した周りがそれならばと勧めるとそれをつっぱねるくせに、いつのまにか佐助の子を身ごもり産んだりしますが(しかし産まれた子供は他へ貰われてしまうのでした。)、その後も相変わらずツンツンしっぱなし。悪夢の様なツンデレかも。w あんな奉公人など......なんて言ってる割には、自分から佐助を奉公人に選んだのだし、佐助の弾く三味線を聴いてみたいと言い出したのも春琴だったし。99%ツンツンで残りの1%デレデレって割合のツンデレな気がする。w

 ひょんなことから出会い、死ぬまで付き添い、自らも虐げられてゆく......そんな佐助の相手である春琴は、ファムファタルの要素を含んでいるかも。

 あぁ.....またこんなに長くなってしまいました。読む人.......いないな。

† 06:17 | トラックバック | Topへ▲ †

 とにもかくにも、まずは Sony Pictures - Underworld: Evolution へ行き、「ENTER THE SITE」をクリックして表示される、フラッシュのコンテンツをご覧になって下さい。


 自分の理想のゴシックデザインにかなり近く、また細部まで緻密かつダイナミックなアクションのフラッシュで、いい意味でショックを受けました。

 見ての通り、映画のコンテンツなのですが.........、実は映画自体はあまり興味がありません。でもちらっと見た感じだと、このコンテンツのメニューの「GAME」のコンテンツへ行ってみると、なにやらライカントロピーとヴァンパイアの二手に分かれて対戦する内容になっていたので..........嫌いではありません。ただ......、以前にやはりゴシック調ということで紹介した映画「ヴァンヘルシング」も、雰囲気は最高なのですが肝心の中身がxxxxxxって感じで、実際興行的にはあまり成功したとはいえなかったようですし........そういう感じがこの映画にもどことなく感じます。


 とにかくこのデザイン/コンテンツだけ拝めれば、それだけで大満足。金属的な装飾が施された.....彫金の様なデザインが本当に気に入りました。また、このほとんどゲームの様なアクションを起こすフラッシュも素晴らしいです。こんなことを言うと笑われるのは承知していますが、ずっと思い描いていたのがこういうデザインでした。今まで、自分のやりたいデザインに近いものをいろいろ見つけてきましたが、これほど理想に近いものは今までありませんでした。

 参考になる箇所はいろいろありますが、実際のところ、これは個人レベルでは無理っぽいですよね....。そもそも真似しようとも思っていませんが....。最近のウェブコンテンツは、デザイン+プログラミング(フラッシュ)という感じで、デザインだけ出来ても到底敵わない/見劣りすることになってしまうんですよね.......。


 しかしこのコンテンツの彫金的な装飾部分は、何のソフトで作られているんだろう....。初めて見た時は3DCGソフトかなと思っていたのですが、3DCGのようなツルツル感がないし、リアルな感じではないし........そうなると2Dなのかな...と思ってしまうのですが、どうなのでしょう。仮にPhotoshopなどで作られているとしたらその作り方が知りたいです。

 そんなわけで、このコンテンツからアイデアを盗もうと思って、かれこれ2ヶ月程、マックのデスクトップの背景画像にしていろいろ眺めていたりしてます。

† 01:42 | トラックバック | Topへ▲ †

 以前、ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」の感想の際に読んでみたい....と書きましたが、その後も気になっていて色々調べていました。その結果、やっぱり満足できそうな内容であることと、現在在庫切れのところが多く入手困難なことであることが分かり、ネットをさらに検索して、現在ネットで新品を入手できるのは紀伊国屋書店だけでした。しかもネット上の紀伊国屋ではなくて各地にある紀伊国屋の店舗の在庫のみ、という状況でした。

 そんなわけで、たまたま紀元/戦記とも在庫があった札幌店へ注文し(もちろんネットから)、代引きで送ってもらいました。

 そこまで探して買うべき本かと訊かれれば、間違いなく自分にとっては買うべき本だったと思います。まだ読み始めていませんが、入手した情報では...............、

 ヘルシングは破れ、ドラキュラ伯爵はイギリスを征服、伯爵は帝位に就いた、美少女吸血鬼「ジェヌヴィエーヴ」が登場する、次々と吸血鬼となる国民、創作/史実の人物が多数登場、新たな事件が起こってゆく、まさしくゴシックホラーな内容である事............などなど。

 まあ伯爵万歳な自分にとっては........ストーカーの本家を超えるバイブルになるかも.........。ただ唯一残念なのはやっぱり肝心の伯爵があまり登場しないとか...........。


 ともかく読後の感想は後日改めて書きます。

現在は福岡天神店の在庫のみのようです。ちなみに紀元/戦記ともに在庫あり。崩御はどこも在庫無し。
ドラキュラ紀元/戦記/崩御

 重版してほしいな.........。

† 00:38 | トラックバック | Topへ▲ †

 「ストラスブール」
 当て字辞書を日本語入力メソッドに登録してあったせいか、カタカナに変換しようとしたら一発目に出てしまいました。....一瞬「お!」とか思うけど、改めて見ると「夜露死苦」みたいでなんかあれですね.....。

 NHKの今週の世界遺産で取りあげるのは、フランスのストラスブール大聖堂。パリ、アミアン、ランスなどと並ぶ、フランスゴシック建築の1つ。独特の赤みを帯びたその姿は、詩人ポール・クローデルが「アルザス娘のごときバラ色の天使」と謳われたほど。しかし実際は、倒壊の危険があって、内部で巨大なつっかえ棒で支えてあったりと、悲惨な事になっているようです。

 まあそれはともかく、とにかく楽しみです。エクレシアとシナゴーグの像とかも出て来るのかな.........。


NHK 世界遺産の旅 【フランス・ストラスブール】

† 01:17 | トラックバック | Topへ▲ †

 BSフジで放送されている「日本の近代化遺産」を見ました。今回は大阪でした。
.........BSはどうも番組の編成が変則的で定期的でないものがあって、この番組もそうなのです。番組が始まり出してから慌てて見始める....というのが度々あって、今回はほとんど最初から見られたのでまあ良かったのですが、本当は録画したいです。

 とりあえずこのシリーズは、今まで北関東、東京、九州は見ました。(北関東の回は以前ブログに書きました) 途中挟んだCMでDVDの紹介を流していたのですが、7巻も出ているなんて! テレビではその3つを何度も再放送していたので、てっきりこの3つだけのシリーズだったと思い込んでいたのですが..........。もしかして他のも既に放送済みなのかな....? だとしたら不覚。

 今回の大阪........実は個人的なイメージだと大阪っていうと、どうしても「食い倒れ」って感じで、道頓堀とかミナミとか....ああいう町並みのイメージしかなかったので、どんなのが出て来るのか見当が付かなかったのですが..........初めに取り上げられたのはデパートの大丸。心斎橋の店舗でしたが.......なんと建築様式がゴシック式でした。う〜、重厚で貫禄ある建物......屋上の角の装飾がいかにもゴシックって感じで........内装はアールデコ風の装飾が散りばめてあって素敵。エレベーターの装飾がいかしてる! 当時のままなのですが、階数表示が素晴らしくて! 

 他にも、中之島図書館、大阪市中央公会堂.......もう本当に....素晴らしいです。図書館の方は何と言ってもファサードの素晴らしさ。高くそびえる柱と重厚な扉....。公会堂の方は、外観が東京駅風....なんでもクィーンアン様式だとか解説されていた様な......(あとで調べとこう)。内観も素敵で、間仕切りの鉄柵?...の装飾が凄くて、ゴシック大聖堂の内陣と外陣を区切る鉄柵の模様に似ている感じで......あれは個人的にお気に入り。


 そんなわけで、また見てみたいのです。.........有り難い事にDVDで見られるなんて。
買うしかないよね.........。あぁ、横浜・横須賀編のも是非とも見たい!!

日本の近代化遺産

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谷崎潤一郎「刺青・秘密」

  先日読み終えたドラキュラよりも前に読み終えていたのですが、谷崎潤一郎の作品にも嵌まりそうです。

 買う前までは、名前くらいしか知らず、何と言うか....敷居が高そうな気がして敬遠していました。自分には純文学のおもしろさが分からないのではないかと思う事がよくあって、それでも日本人として或る程度たしなんでおかないといけないとも感じているので、少しずつ手を伸ばしています。

 とりあえず代表作の中から選んで、タイトルで惹かれてこれを読んでみたのですが........これは.........嵌まるかも!

 「刺青(しせい)」は、ほんの20ページくらいしかない、とても短い作品なのですが、その中身がとても凝縮されたかの様な濃さなのです。

 簡単に言えば話の内容は、刺青を入れる際に悶える姿に快感を得ると言う刺青師が、自分の作品(刺青)が似合う女を探し続けてようやく見つけた吉原の遊女に半ば強引に入れるのですが、その遊女はその入れられた刺青によって本来の素性を覚醒し、それまでの刺青師との立場が逆転してしまい.....話の終わりに「…お前さんは真先に私の肥やしになったんだねえ」.....と女は言い放ち、男は「帰る前にもう一遍、その刺青を見せてくれ」と言い返すところを察するに、刺青師はその遊女の姿を前にして堕ちていったのでしょう。

 アマゾンのレビューや巻末の解説を見ると、サディズムとマゾヒズムの対照を描いているようなのですが、個人的には、この女は、いわゆるファムファタル的な存在のように思えました。


 そんな「刺青」の他に収録されている作品を読むと、どれも女が関わっている内容です。
gooの辞書で調べたら.......あぁなるほどやっぱりそういう作風なのですね....。

たにざき-じゅんいちろう ―じゆんいちらう 【谷崎潤一郎】
(1886-1965) 小説家。東京生まれ。東大中退。第二次「新思潮」同人。美や性に溺れる官能世界を描く唯美的な作家として文壇に登場。関西移住後、古典的日本的美意識を深め数々の名作を生んだ。代表作「刺青」「痴人の愛」「蓼喰ふ虫」「春琴抄」「細雪」「鍵」、現代語訳「源氏物語」など。
 
.....この「刺青・秘密」に「異端者の悲しみ」という、ほぼ事実に近いらしい自叙伝が収録されているのですが、その話の中では、友人から借りたお金でさえも遊びのために使い果たしてしまう程、遊蕩し放題です。(しかも貸してくれた友人は返してもらえないまま病気で急死してしまうし.....ひどい) おまけに少々マゾ気質があったようですし(巻末の注釈に記述してあるし、作品内でも書いてあるところからたぶんそうなのでしょう....)、その辺りを踏まえると何となくそういう作風になるのもうなずけます。

 「少年」という作品なんかは......ほとんどSMの女王様とその奴隷状態.........。おまけにスカトロぽいし。まあ、子供同士なので多少微笑ましい部分もあるのですが、「刺青」の様に、途中から立場が逆転して行為がエスカレートしていくのを読んでいくとちょっと鬱です。

 そんななか最後に収録されている、夢オチで終わる「母を乞うる記」は母を慕う優しげな作品で、しっかり終わりを締めている作品の選び方/並べ方も、この本は良く出て来ていると思います。

 それと........意外だったのがカバーデザイン。誰が手掛けていると思います? なんと加山又造なんですよ! 惜しくも亡くなられてしまいましたが、日本画家の巨匠でしたね。思えば、谷崎潤一郎と重なる作風がありますね.........。日本画といえば日本の自然の美を表現したものを思い浮かべますが、加山又造はもちろんそれらがメインだったでしょうが、意外な作品を以前、東京国立近代美術館で見た事があります。黒薔薇と白薔薇模様のレースを1枚羽織っただけの女性のヌード画です。2枚で1対になっているもので、大きさはよく憶えていないですが、等身大に近い大きさでした。......ヌードっていっても.......その.......ヘア付きなんです。えぇ?日本画で???.....って感じですが、事実です。でもまあそんなことはどうでも良い程、純粋に流麗で華やかさの或る絵でした。

 そう.........そんな作風でありながら谷崎潤一郎の文章表現も素晴らしいのです。2、3行に渡る長い文章が多いのが特徴だそうですが、そんなつらつらと流れる様な文章の中に、先ほどのgooの辞書に書かれてあった「古典的日本的美意識」が溢れています。

 源氏物語の現代語訳も有名だそうですが、もし源氏物語を読むとするならば、個人的には谷崎潤一郎のを読んでみたいです。以前、漫画家の江川達也のを買って読んだ事があるのですが(こちらは当然マンガ)、確かに内容に忠実に沿って描かれているのでしょうが、とにかくストレート過ぎると言うか.....悪く言うと下品過ぎて美麗な雰囲気が感じられずがっかりしてそれ以降買っていません。谷崎潤一郎が手掛けた源氏物語ならば、自分には読める気がします。

 巻末の解説で、「糜爛(びらん)の極致に達したデカダンスの芸術の好適例....」と永井荷風が絶賛したと書かれています。.........そうに違いありません。しかしまあ、いろいろ本を読みあさっていくうちに自然にゴシックやらデカダンスの辿りつくべき場所に辿り着いている事が、不思議な気がしてなりません。


 それと、なんかタイミングが良い事に、近々、「刺青」が映画化されるのだとか。
http://news.goo.ne.jp/news/sanspo/geino/20060120/120060120029.html
でも早速こんな批評が.....。
http://www.eiga-kawaraban.com/06/06011103.html


 書いていたら.....モローの刺青のサロメの絵が浮かんでしまいました.......。
躍るサロメ(通称:刺青のサロメ)

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 昨日、ブラム・ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」を読み終えました。
600ページ近くある、なかなか長い話ですが、有名なドラキュラですしゴシックホラーとあって、割とすんなりと読めました。

 読み始めてまず驚いたのが、ヴァン・ヘルシングが登場していることでした。
一昨年辺りに、「ヴァン・ヘルシング」という、ドラキュラ映画が上映されていたのですが、このストーカーのドラキュラ作品内の登場人物だったとは! .........でも、映画の方ではカッコいい割りと若いヘルシングでしたが、ストーカーのヘルシングは、大学教授で年老いた男性なんですね。


 読んだ感想としては..........、ゴシックホラーの古典の雰囲気を味わえた事や、オリジナルのドラキュラを知る事が出来たことは大変良かったと個人的には感じているのですが、ストーリーの展開は、個人的には少し物足りなかったです。

 ドラキュラはご存知の通り、夜に活動し昼間は寝ています。昼間は棺桶などの箱の中に眠っていて、全く無防備な状態になってしまいます。ところが活動する夜間のドラキュラは凄まじい。風貌は老紳士のくせに、怪力で人間が束になってかかっても敵わない。そして狼を手下に出来、ドラキュラに血を吸われた者も操れる上に、コウモリはもちろん、霧などにも化ける事が出来、小さな隙間でもいとも簡単にするりと入る事が出来てしまいます。

 そんな無敵に近い設定とは裏腹に、十字架やニンニク、聖餅などには近づくことができないし、前述の通り眠っている昼間はどうしようもなく弱いのです。だから、夜間に対決するよりも昼間の寝ている無抵抗なドラキュラを始末する方が簡単なわけで、ヘルシング教授達は、そのドラキュラの眠る箱を探し出していくことになるんです。

 個人的には........ドラキュラ城で、ドラキュラと直接対決してもらいたかったのです。銀の弾丸を撃ち込むとか、十字架風の剣やアクセサリーなどで攻撃.........みたいな。


 というわけで、アクション性があまりありません。前半は冒頭こそドラキュラ城での話が始まりますが、その後はドラキュラの仕業に由る怪現象を刻々と綴った展開で、総ページの半分ほど進んだところでようやくドラキュラ退治の展開になり、じわじわと眠る箱の在り処を探していき、最後の最後でちょこっと箱の奪い合いがあって終わりますが、抵抗らしい抵抗を1つもせずにドラキュラが葬られてしまうのが.......あっけなくて、残念です。

 根城にしているトランシルヴァニアから遥々ロンドンへ赴き、次々と人を襲ったりしているのですが、なんだか登場人物の周辺だけで、イギリス全土を恐怖に陥れる....という感じではないしドラキュラ本人もあんまり登場しないし、その辺りも個人的には........。


 もちろん、それでも面白かったことは確かです。じわじわと忍び寄る様な恐怖や、ドラキュラとヘルシング達の策略の駆け引きなど......こんな表現は変ですが「詰め将棋」的な面白さがあるように感じました。

 また、ドラキュラの吸血行為の表現なども、おいしい。w
逞しい腕力で乙女を抱きかかえるように引き寄せ、背後からうなじに滑るように口づけして血を奪い、後には2つの歯の痕が周りをほのかに紅く染めながらぽつりと残る........。なんだか愛咬みたいですよね。恐怖と共に官能的な死の洗礼を受ける様な感じで、なんとなくこれがゴシックホラーなのかも.........と実感しました。


 このブラム・ストーカーのドラキュラに影響を受け、続編みたいな形で別の作家が書いたものがいくつかあるようなのです。キム・ニューマンという作家が書いたシリーズで「ドラキュラ戦記」、「ドラキュラ紀元」などあって、どうやらヘルシングが破れてしまってドラキュラが大活躍している.....らしいのです。なぜかドイツの撃墜王で有名な「リヒトホーフェン」が吸血鬼軍団を率いていたりしているようで........なんか面白そう。
  ストーカー以前の吸血鬼作品として有名な、レ・ファニュの「吸血鬼カーミラ」も面白そう。名前の通り、女吸血鬼で、どことなくビアンぽい感じだとか.............。他にもドラキュラと共にゴシックホラーの古典である、「フランケンシュタイン」や「ジキルとハイド」とかも読んでみたいです。

 ゴシックホラーにはまりそうです。(もうはまっているのかw)
ヘルシングよりドラキュラの方を応援しながら読んでいた自分は............たぶん伯爵の呪いにかかってる気がする.....。死んだらきっと吸血鬼です。w

† 02:08 | コメント (2) | トラックバック | Topへ▲ †

 方向性は何となく頭の中で決まってはいるのですが、なかなかフレーム状にデザイン出来なくて苦戦しています。

 前にも書いた通り、ゴシックには横方向よりも縦方向への装飾が目立っていて、縦方向へのデザインを横へ並べただけというものが、今まで調べてきたなかではほとんどがそうだったので、参考になるものも少なく大変です。

 ゴシック調のフレーム......よくWeb素材などでもゴシックフレームと銘打ってあるもののほとんどは、ゴシックといえばゴシックなのでしょうが、...........単にレース模様でも、クラシックの額縁っぽいものでもゴシックフレームになってしまっているし、個人的には申し訳ないですが全然違うものにしか見えなくて........。

 海外のサイトで見つけたものの中に、ゴシック調のベッドやイスの写真があったのですが、これが多少参考になりそうでした。ゴシック建築に見られる「尖頭アーチ」をモチーフにしたものに、これもゴシックの特徴である「四葉飾り(quatrefoil)」をあしらったデザインで、囲ってはいなかったものの、ゴシックの特徴を上手く取り入れたところを見習いたいです。

 もちろん、先述の「本来」のゴシックらしかぬデザインが悪いわけでもなく、デザインとして素敵なものもありますから、ゴシックとは別の方面で参考にしようと思っています。

 それと.........どうしても取り入れたいなと思っているのが、フランボワイヤン様式。フランボワイヤンというのはフランス語で炎を意味するらしいのですが、このフランボワイヤン様式こそが、ゴシック最後の様式なのです。この様式が一瞬流行った後、ゴシック文化は衰退していってしまうのです。まさしくゴシック最後の炎。.......陽炎の様にゆらゆらと燃えるそのデザインは優雅ながらもどこか儚げな雰囲気も立ちこめているかの様です。ただ、取り入れたいと思っても、参考になりそうな資料がほとんどなく形も複雑なので、これは..........相当苦戦しそうです。


 とにかく、紙にいろいろ書いてデザインを練っています。いくつか大まかな形に出来たので、第一歩は踏み出せた感じです。タイトル周り、大/中/小...それぞれのフレームに適したデザインを決められれば、後は割と楽なのですが....。2Dでパス描きにするか3DCGにするかで、使用するデザインも変わってしまいますし.........。

 こんなことを言っても、ゴシックを知らない人には、自分がゴシックっぽくないと思ってもそう見えてしまうかもしれないし、実際そんなことはどうでもよいものなのかもしれません。作るのも大変だし作らない方が時間の無駄にならないかもしれません。自分でもその辺りを迷う程だし。...........作ってもリアクションないし............。

・゚・(ノД`)・゚・シクシク

† 23:37 | トラックバック | Topへ▲ †

 以下の文章はもう2ケ月以上前に書いておいたものですが、あれからあんまり進展してなかったりします。それでもようやく具体的に盛り込みたい要素を見つけられたし、方向性が何とか見つけられたのであとは作るのみです!


 癲狂院に素材工房、そして伏魔殿と....着々とリニューアルして、残すrは第七天のみとなりました。
今まで作ったこれら3つのトップページを眺めると、良く作ったなあと我ながら感心してしまいます。それまでの第七天と比べるとだいぶましになりました。前のデザインなんか見ると、あまりのクオリティの低さに、恥ずかしく思う程。そんな程度だったのに、それなりに人が訪れてくれた事を思うと、なんだか不思議に思えてきます。

 第七天...........もちろん正統派(?)ゴシックで飾りたいのですが、それが難しいのです。ゴシックというのは、とりわけ根源であるゴシック建築では装飾がかなり細かく、なおかつくどいほどに装飾過多になっています。 そういう部分もゴシックぽさを感じさせる要因の1つだと思うので、そうなると作るのに手間暇かかるのは間違いありません。 それに..........、最近、またゴシック関係の資料集めにネット検索を行い、いろいろな写真を集めて眺めていたのですが、ゴシック建築には縦方向への装飾がほとんどで横方向への装飾がない....のです。 縦方向の装飾を横に繋げた形になっている感じです。 ゴシック自体、天へと向かう力を象徴するように限りなく高く、上へ伸びる要素を持つものなので、当たり前なのかもしれませんが、テキスト周りのフレームデザインをゴシックぽく感じさせるにはどうしたらよいか思案中です。

 建築のみならず、アクセサリーの写真もかなり集めて試行錯誤しています。ゴシックアクセサリー、とりわけその中でもシルバーアクセサリーのものを中心に探してみました。ゴシック建築の装飾とは全く別物な感じですが、個人的には好きなデザインなので、この2つの雰囲気をうまく取り入れたデザインにしたいなあと思っているのですが...............難しい。難し過ぎる.....。 それが生み出せたら、それをそのままシルバーアクセサリーにして売り物に出来てしまいそう。(.....まあ売り物にはならbないかもしれませんが、それらをアクセサリーにしたいと実は密かに企んでいたりします。w )

 背景画像はもちろん、もうネタばれしましたが、(ゴシック建築の)ノートルダム大聖堂を真似て作った3DCG画像です。未だに制作中です。....まったく、内観のみとはいえかなりの作業量です。しかも資料があまりないし、設計図なんかがあるわけでもないので、数少ない写真から判断して作っていくしかないわけです。 判断を誤ると、不格好な作りになってしまったりパーツとパーツがうまく組み合わなかったりするので、骨が折れます。もうボキボキと。w STRATA VISION3d のモデリング機能は貧弱な上に使いづらく、たぶんそのせいでユーザーが増えない/離れた気がします。この機能でヴォールトとヴォールトの間の天井のモデリングが難しくて結構時間かかります。その上、オブジェクト数が多くなるとりドローに時間掛かるし.....。シェイプ登録などしてパーツごとに分けて作っていても、シェイプ数がすごいことになるし.....。止めとけば良かったと思ってももう半分以上作ってしまっているし......遂行するしかないって感じ。

 でも、当初に構想していたものより簡素化すると思います。

 本当は、こんなことやっていないで、当サイトは音楽サイトなのですから曲をたくさん作って載せたいのです。と言っても今の状態ではその姿はありませんが...。なので、簡素的にとりあえずざっとデータを載せて公開してから、残りのリニューアル制作に励もうかな.....とも考えています。 実際、サイトのアクセス数は激減してるし、やっぱりさみしいし、再稼働したいです。かといって肝心の第七天に時間をかけずに手を抜いて、他のコンテンツよりも見劣りするようだとみっともないし.......うぅ、結局どっちも全力を注いで作れ!ってことですね。でも今までけっこう曲載せてきたつもりだけど.....その割には反応なかったけど......。。・゚・(ノД`)・゚・。

 どのみちリニューアル後の激重デザインで、来る人も来なくなりそうな気がするけど。注いだ労力分くらいは来てほしいけど、やっぱり無理かな....。

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