Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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1877

 去る10月20日に、旧新町屑糸紡績所の一般見学会が開かれていたなんてちっとも知りませんでした。
これはカネボウの新町工場敷地内にある建物で、1877年(明治10年)、官営富岡製糸場(こちらは明治5年)に次いで建てられました。.........維新からわずか10年後に出来た建物が、こんな小さな町に今でも現存しているのが不思議なくらいです。

 今回の見学会には参加できませんでしたが、実は小学生の頃、社会科の授業でカネボウへ工場見学しにいったことがあります。倉庫や、その他の古い施設なども見させてもらいました。.........レンガ倉庫だけは今でも記憶に残っています。本当に、横浜の赤レンガ倉庫なんかとは比べ物にならない程小さなものです。それでも古びたレンガを間近で見て、歴史の重みを感じ取ったものです。

 レトロなレンガ造りの倉庫が、国道からちょこっと覗けるくらいで、他は工場敷地内に入らなければ見られないと思うので、存在感があまりなく、今まで半ば放置されてきた感じもあると思います。規模で言えば断然、富岡製糸場の方が大きいですし歴史にも名を残しています。その点、新町の方は、屑糸を紡績する施設だし、規模も小さいものです。

 そんな折り、富岡製糸場の施設を、世界遺産に登録させようとする動きが近年起こり始め、しかも県レベルでいろいろと取り組みを行っている様です。.........詳細は知りませんが、どうやら富岡製糸場と共に世界遺産に登録させたいようです。

 個人的に言わせてもらうと..........、世界遺産の登録に捕われ過ぎている様な気がします。歴史的価値があるのは分かります。けれども、県民のため....というよりも名目のため.....の方がずっと大事、のように思えてしまうのです。県が制作したPRビデオを見た事あるのですが、それを見るとほんとううんざりしてしまいます。兎にも角にも世界遺産にふさわしい...みたいな内容で、肝心の施設の魅力がちっとも伝わってこなかったのです。 それに対して.....偶然見たのですが、BSフジだったと思いますが、日本の近代建築の番組があって、東京、北九州、北関東、の3回を見たのですが、その内、北関東の回は、実際はすべて群馬県内にある建造物で、富岡製糸場、旧丸山変電所、碓氷峠のめがね橋、碓氷社、などなど、同じ30分間なのに、すごく内容が充実していて嬉しかったんです。

 歴史的価値などから見て、おそらく横浜の赤レンガ倉庫のように、テナントを入れて、テーマパークのようにすることは難しいのでしょう。...........でも、そこを何とか良いアイデアで、皆に親しまれる様な形で公開してほしいのです。横浜の赤レンガ倉庫はまさにそういう施設となって活躍しているのを目にしたので、嫉妬しているのです。こっちにだって素敵な倉庫があるのに放置されたままなんだもの。


 こんなことは言いたくはないのですが、現在の県の財政はだいぶ酷い状態です。にも関わらず、館林美術館、昆虫の森、などなど、どう考えたって大赤字なのは分かりきっているのに、それを財政難にも関わらず次から次へと作ってしまうのには呆れています。(議会も呆れているらしいですが) 第一、副知事が居ない状態がもう数年も続いている事自体、異常です。イエスマンばかり周りに従え我がまましたい放題.......。誰の何の事を言っているかおそらく分かると思いますが、今の群馬県はそういう状態です。今回の件だってだいたいそんなところでしょう。


 今後どうなるかは分かりません。所有者であるカネボウも経営状態が良くないですし、新町工場ももしかしたら売却...だなんてことも起こりうるかもしれないし...........、何とか良い方へ向かってくれれば良いのですが.............。


 ぐぐってみたらこんな動画が!
http://www2.g-tak.gsn.ed.jp/es/sougou/sonota/tetsudou/tetsudou1.html
..........なんか古そうだけどいつのなんだろう。ちょこっとレンガ倉庫が映っています。

ちなみにBSフジで放送した番組、DVDになっているようです。
http://www.dvd.netyokocho.jp/catalog/KKCS-7/

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