Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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資料集め ▶ 魔術(デザイン)

 魔術...........久しぶりに調べ物をしました。

ことのきっかけは、ラストバイブルに登場する呪文の意味を調べる事でした。
その呪文は「ランカイン」という呪文で、他のRPGにあるか分かりませんが戦闘シーンで1ターンでは効果が現れず最大で4ターンしないと効果が現れない呪文です。その際に唱えられる呪文が、「オン アルファ エト オメガ イオト テトラグラマトン」というもの。テトラグラマトンが聖四文字、すなわちヤハウェを意味する言葉である事は以前から知っていましたたし、アルファ=オメガも、あらゆるものの始まりと終わりを意味するもの=それを司るもの....キリストを意味するものだということも知っていましたので、何らかの意味があるのではないかと前々から思っていました。

 サイトデザインをするにあたって、ゲームのデータベース的なコンテンツもメインで含まれるということから古文書みたいなイメージがあったので、ルシフェルを含めラストバイブルで呼ばれる「魔獣」は元はほとんど悪魔ですので、もう少し悪魔的なものがいいな....と思って、その呪文の文章をデザイン的に使おうと思っていました。


 ラストバイブルの海外版「REVELATIONS: THE DEMONS SLAYER」には、「Un, Alpha, et, Omega, eot, Tetragramaton!」と書かれていたので意味を調べようとググってみたら、まったくヒット無し。ゲームの呪文にしては出来過ぎているので絶対どこからかの引用文だと決め込んでいたので、とにかく調べまくりました。

 その結果、どうやら本来の言葉とはスペルが異なる様です。それがスペルミスなのか意図的なのかはわかりませんが。また調べた限りでは単語はそれぞれ確かにあるようですが、続けての文章としてのものは見つけられませんでした。なので正しいかどうかは分かりませんが、少なくとも単語自体を直せば「On Alpha et Omega Ioth Tetragrammaton!」になるようです。

 で、引用元はおそらく召還/防御呪文なのではないかと思います。要するに神聖な精霊を呼び出し、その力によって悪魔を呼び出したり、あるいは悪魔に手出しさせないようにする呪文のある1節から抜き出したもののようです。調べた結果、見つかったページに掲載されていた文章が微妙にそれぞれ異なるのですが、だいたいの文章は以下のようです。


「I conjure thee, I exorcise thee, thou Spirit Zadkiel, by these Holy Names Hagios O Theos Iscyros Athanatos Paracletus Agla on Alpha et Omega Ioth Aglanbroth Abiel Anathiel Tetragrammaton: And by all other great and glorious, holy and unspeakable, mysterious, mighty, powerful, incomprehensible Names of God, that you attend unto the words of my mouth, and send unto me Pabiel or other of your ministering, serving Spirits, who may show me such things as I shall demand of him in the Name of the Father, and of the Son, and of the Holy Ghost. Amen.」

最初の1文に、ランカインの呪文の全てが集まっています。長いので省略したのかもしれません。それでこの引用元の呪文なのですが、おそらく.......「The Lesser Key of Solomon(ソロモンの小さな鍵)」という魔導書(グリモワール)ではないかと思います。これは別名「レメゲトン」とも呼ばれるもので、ソロモン王が書き記したと言われていますが実際はもっと後になってから書かれた物の様です。ソロモン72柱の悪魔や四大精霊、天使などなどあらゆる精霊を召還する方法が書かれている様です。

 ラストバイブルにはその他、魔導書から引用されたものだと、「アル・アジフ」≒「ネクロノミコン」がそうです。これはラヴクラフトの著書とも言えるのですが、その中にアブドル・アルハズラットという詩人が書き表した...ということになっているそうです。それが史実なのかは知りませんが、エリザベス女王直属の魔術師だったジョン・ディーが英語に翻訳したとかいうところなどから判断するになかなか信憑性のある物なのではないかと思いますが................。ちなみにジョン・ディーは、エノク語という言葉を使って天使と会話したことで有名な魔術師/占星術師です。

 余談ですが、その後エノク語や魔術を研究した魔術結社が「黄金の夜明け団」....のちにアレイスター・クロウリーも入団しています。詳しくないのでわかりませんが、クロウリーの「法の書」なんかにも同様の召還呪文が書かれているかもしれません。ちなみにクロウリーは20世紀最大の魔術師...なんて形容されたりします。HR/HMファンならば、オジーの名曲「ミスター・クロウリー」でお馴染みのはず。手掛けたトート・タロットも有名です。アマゾンで買えるなんて驚きです。タロット....なんとなく欲しいアイテムですが、クロウリーのもいいけどミュシャがデザインしたタロットの方が飾るにはいいかも(たしかあったはず..)........。


 その呪文を調べている過程で、いろいろな魔法陣のイラストを見つけたのですが、その中に偶然ルシフェルのシンボルがあってびっくりしました。他のソロモンの72柱の悪魔などにはシンボルがあるのですがルシフェルだけは見つけられなかったので、そんなはずはないとは思っていましたがやはりあるのですね。

 そのシンボルのおかげで、サイトデザインで煮詰まっていた飾り罫のデザインが決まり、とても有り難かったのでした。ラストバイブルのみならず、ルシフェルのファンサイトとしても作りたかったので、まさにぴったりの飾り罫になったのではないかと思っています。


 振り返ると.........ルシフェリウムは成すべくして成った.....そんな気さえしてしまいます。

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