Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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3×3EYES +所有コミック個人的感想

 *3年前に下書きしてあった記事です。古い話でごめんなさい。
 
 
3_3eyes.jpg ふとしたことから、3×3EYESを読み返していました。既に完結していることもあって本棚にしまったまま、思えば最終巻の40巻を買って以降、読み返したことがありませんでした。(連載中はよく読み返していましたが)

 今回は3×3EYESをメインに所有しているコミックのレビューをまとめてみました。案の定、長くなってしまいましたがどうかご勘弁を。


 3×3EYES......一応ご存じない方のために軽く説明しておきます。まずタイトルは「サザンアイズ」と読みます。.(算数の九九からですよね.....?たぶん。海外でも翻訳されて発売されているらしいですが果してどんな読み方になっているのやら....気になりますね。) ジャンルは冒険伝奇マンガ、という感じなのかな。三つ眼の三只眼吽迦羅(さんじやんうんから)と呼ばれる妖怪(とはいっても見た目は人間そのもの)によって、ひょんなことから、とある高校生が不死身の僕(しもべ)(「无(うー)と呼ばれる)として、端折って言うと元の人間になるために最後は魔王的な存在の鬼眼王(かいやんわん)を倒す.....というストーリー。

 その主人公の一人である三只眼吽迦羅の名前は「パールバティー」(以下、単に三只眼と呼びます)。とある事からこの三只眼はもう一つの人格を持っていて、そっちの名前はパイと呼ばれています。第三の眼が開く覚醒時が三只眼で閉じている非覚醒時がパイ、という感じです。性格も正反対で、三只眼は....たぶんツンデレ(しかも悪夢のようなツンデレw)、パイは....いわゆる天然系。ちなみに三只眼の无となった高校生の名は藤井八雲。ふだんはおっとりした感じで糸のように細い糸目が特徴。w

ってこれだけではちっとも分かりませんね。
詳しくはこちらでどうぞ。3×3 EYES - Wikipedia
 
 

 それで冒頭の通り最近読み返してみたのですが、買って良かったなと改めて気付かされたのでした。思えば所有しているコミックの中で、たぶん一番読み返しているし一番のお気に入りだと思います。自分にとって一番好きになれるコミックなのだと気付かされた、という表現の方が適切かもしれません。


 理由を挙げるとすると長くなってしまいますが、まず三只眼のキャラの良さ。見た目も凛とした雰囲気で好きです。もう一人の主人公の八雲も、戦う時は言葉荒げな感じになりますが普段は言葉遣いが丁寧なのが.......思えば意外です。周りの人間に年上が多いっていうのもありますが、優しそうで性格が良さげなのが、個人的に◎。

 あとは.....その三只眼と八雲の関係。少女(といっても実際は300歳超えてるけど。w)の三只眼と青年の八雲、主の三只眼と僕(しもべ)の八雲。何となく三只眼にファムファタル(宿命の女)のような気がして..............。三只眼が生きている限りは、瀕死の重傷を負おうが体が粉々になろうがまず死ぬことはない无ですが、逆に三只眼が死ねば无も死んでしまうのです。ストーリーが進むににつれてそれまでいまひとつ頼りなかった八雲も次第に強くなっていくのですが、どことなく結果的に三只眼が八雲に対して「男を上げた」様に思えるのです。八雲が強くなってきた辺りから、三只眼の八雲に対する接し方も軟化してきて、最後には相思相愛の間柄になってゆきます。.....なので、そういうのっていいな、って。

 最後の最後で訳あって、涙目になりながらも言い放つシーンに思わずつд`)ウウッ。その前の37、38巻の最後の別れの前のラブラブな場面も(*゚ー゚)bイイ 。三只眼....何気に大胆。(*ノωノ)   読み初めの頃は、三只眼ってヤなヤツだと思ってていましたが......今ではパイよりも好感。男にはああいう「上げてくれる」女が必要だと思ってしまいます。 少なくとも自分には。w   

 ああ、そうそう....この三只眼、自分のことを儂(わし)と言うんですよ。儂なんていう(見た目は)女のコは初めて見たよ。w 「〜じゃ」なんていう口振りだし。最初は違和感あったけどすっかり慣れてしまいました。つーか虜かも。 (ぉぃw とにかく今でいうツンデレなのは間違いありません。ツンデレスキーの方は是非っっ!!!


 巻末の作者のあとがきで、情が移り出てくる敵をほとんど倒せなかった(殺せなかったという意味なんでしょう)と書かれているのですが、案外それが自分には良かったのかも、と思っています。死にそうな所で助かったり助けたり....実際にはそんなに甘くはないのでしょうが、でもそこが良くて! ............これは邪推ですが、自分の「こうなってほしい」と思う気持ちが、作者の心理に似ているのかもしれません。本当....三只眼、パイ、八雲の他にも登場した多くが好きになれたキャラばかりでした。

 世界観が中盤あたりまでは、舞台が東京、香港、東南アジア、チベット、と東洋的な雰囲気がありました。実際、登場するキャラ名もインドのヒンドゥー教の神々にまつわる名前になっています。パールバティーはもちろん、シヴァ(これが物語では鬼眼王)、ガネーシャ、カーリー、ベナレス、ウシャス、ラートリー.......等々。中盤以降は、スケールアップして異次元の世界や、騒動を世界レベルにして採取的には宇宙的な思想のような展開にまでなりました。買い続けていた時は、その東洋的な世界観から世界レベルになった時は違和感を感じましたが、読み続けていくうちにとても自然な摂理のように思えました。


 15年も連載が続いたせいか画風が変化しているのですが、個人的な好みはやっぱり後期。キャラの性格も若干変化しているのですが、それもやっぱり後半の方が好き。書き慣れたせいかどのコマでも安定しているし、女キャラに関してはどことなくポップな感じになった気がします。そうそう......最終巻の冒頭(第433話)の扉絵のパイが...........後述の「東京大学物語」の2巻辺りの水野遥にどことなく似ている気がしました。シチュエーションも偶然にもどことなく似てる....かも。海岸で村上直樹と涙と鼻水を流しながら嬉し泣きしている感じが.........。

 話はそれますが、大好きなラストバイブルに出てくるシヴァのグラフィックが、この3×3EYESのシヴァにそっくりです。ラストバイブル3に出てくる、スクルドとかもラートリーとかに似ている...というか3×3EYESのラートリーやウシャス自体が、「ああっ女神さまっ」に出てくるベルダンディーに似てるわけだけど。

 
 
 「東京大学物語」.........序盤の5巻辺りまでの、ほのぼのとした学園マンガっぽい感じが好きでした。「甘い」と言われるかもしれませんが、自分にはその甘い雰囲気で続いてもらっても構わなかったんです。話が進むに連れて変わってしまいました。主人公の村上直樹は、成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗....の非の打ち所の無いように思えますが、実は小心者でプライドが人一倍高く、自分のことだけしか考えない我がままなタイプで、どんどんその性格が露呈していきます。その嫌な自分自身を見つめ直し、長く巡り回って、ようやく水野遥と結ばれてハッピーエンド.....で終わるところが..........ネタバレになりますが、夢オチならぬ「妄想オチ」という形で終わっています。

 前にも同じ様なレビューをしたと思うのですが、要するにそういう性格を持ち合わせた村上直樹という人間を、現代社会における人間像の中の1つの集合体として具体化したものであって、その問題提起と解決策をマンガの中で表現したのだと....自分ではそう解釈しています。そういう意味ではちょうど村上直樹と同じ年齢で読んだことはとても良かったと思っています。村上直樹の性格にあてはまるものが自分にも少なからずあったし、振り返れば、大袈裟ですが村上直樹と一緒に成長したしようなものでした。w だからその点については感謝しています。でも........ちょっとエッチ過ぎたね。w いや....青少年向けにしてはかなり....って感じか。よくまあ成人向けにならなかったものです。もう中盤以降はしょっちゅうxxxだもの。まあその気持ちは良く分かるけど、大学物語なんてタイトルのくせに、大学に通ってる気配がない!w  

 
 作画に関しては、やっぱり初期の頃が良かったです。もちろん全巻通して精緻な作画になってはいるのですが、キャラの雰囲気が自分には合わなくなってしまって。なんというか.....純真な、イノセンスな雰囲気を出そうとしていそうなキャラでさえも、目つきがどことなくふしだらに思えてしまって。

 加えて作者本人に対してもあまり好感が持てなくなってしまったし。昔は「この人すごいっ!」なんて思っていたけど..........今でもそう思って入るけど、尊敬の念は........抱けそうにないです。最近はテレビ等にもよく出ているそうだけど、ちょっと.....痛い気がする。前はあんな物腰の人じゃなかったような気がするけど...........。

 ウィキペディア(江川達也 - Wikipedia)に載っているのを見てみると....「源氏物語」や日露戦争のアレとかヤブーとかみんな打ち切りになっていたなんて........。しかも最近の作画が酷い...とか。なんだよ〜〜〜「源氏物語」なんてライフワークにするとかどうとか言ってなかったっけ??? ...........マンガを描くことに飽きてしまったのかな......。思うに、あの人の場合、マンガは自分の主張したい意見の伝達役でしかないように思えます。分からないけど、読者を楽しませようとかいうよりもそれが優先されているような気がします。

 あの人には豊富な知識を活かしたものがやはり似合うのでしょうね。しばらく前に「萌える英単語=萌え単」とかいう本が出ていましたが、ああいうのを江川流で出してみたら良いものが出来そうな気がします。萌え単ならぬ濡れ単だね。w  「Slippery When Wet」とかのタイトルにして。....まあこれはボンジョヴィの3rdアルバム名だけれど、「濡れるとすべるぜ」.....意味を「受験を滑る」とかけてるわけ。我ながらなかなか。w 

 
 
 「xxxHOLiC」は、とにかく世界観と絵柄が気に入っています。最新刊の10巻のカバーイラストも素敵です。
............でも正直言うと.........、キャラの人間性に関してはあまり好みではありません。結局どのマンガでも、他の創作物でもそうなのだと思いますが、とりわけマンガに関して言えば登場人物の言動に作者の言動が少なからず表れてしまうものです。この先の話がどう展開するかわかりませんが、少なくとも現時点では好きになれません。以前テレビに作者達が出演してたのを見ましたが、やっぱり..........という感じでしたし。例えばこれの画集が出るとするなら、それを買ってしまえばマンガは買わなくなるかもしれません。ファンの方には申し訳ないですが、本当、今のところそんな感想です。 ちなみに.......前に、登場人物の侑子さんがファムファタルっぽいなんて書きましたが、よくよく考えてみるとちょっと違うかも。確かに他の人物へ関与しているけど、関わり方が一方的.....。3×3EYESの三只眼と八雲のような1つの大きな運命の下において互いに関り合う様には思えないので。どっちかっていうと魔性の女って感じだし。窮地に追い込まれたり、失敗をしでかすことも未だに一度もないんじゃない!?  そういうキャラには魅力を感じないしつまらない。

 
 「スクールランブル」は........今のところかなり微妙。これも以下に載せた3巻のカバーイラスト目当てで買ったようなものなのですが、カバーと中身の作画の差がありすぎてがっくりしたし、好きになれそうなキャラはいなそうだし.........なんとなく惰性で買っている様なものです。そういえばウィキペディアで作者を調べたのですが、うぅ....自分より1つ年上なのね。おまけに長身でイケメンだとか。才能もあって羨ましい。なんか同じ名字なのに正反対だぞ。w

 
 「コナン」は........やっぱり長く続き過ぎです。これ以上長く延ばせば延ばす程、いい終わり方をしないとすごく叩かれる気がします。アニメの方は、もうずっと前から見ていませんが、OPとEDの曲は共にビーイング系のアーティストで埋め尽くされているしほとんど宣伝みたいなものです。そうなり始めた頃から嫌気がさすようになりました。マンガ自体はよいと思うんです。キャラの感じや設定など、ポップでストーリーの展開も小気味よい感じ...........でした。 嫌なら買うなよ!なんて突っ込まれそうですが、50巻以上も既に買ってしまっているのでここまで買い続けてきたならば、やっぱり最後まで見届けたい気持ちもやはりあるので.........。う〜ん....。


 
 そんなわけで、3×3EYESが一番のお気に入りです。完結後、新しい作品が出ていないな......と思っていたら、いろいろ出ているんですね。読んでみようかな。あと、3×3EYSの39巻と最終巻の40巻は同時発売だったのですが、さらに「3×3EYES FINAL」なる特別本も発売されていたんですね。ちっとも知りませんでした。何でも作者ご本人のインタビューや制作秘話などが満載らしくて........でも限定本だったのか、ネットのいたるところで在庫無しになってる..............。今思えば、グッズとかも買える時に買っておけば良かったです。よく単行本に宣伝が入っていたのですが、あんまり興味がわかなかったんですよね、その時は。

 三只眼と八雲のフィギュアとかないのかなあ。あったら買うっ!!!
完結してしまいましたが、おすすめです。


conan.jpgtokyo.jpgschool-rumble.jpgxxxholic.jpg

 
(2006/11/15)

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