Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
« ドロップC | メイン | The D-Day »
♪マスタ!マスター!!

 ここ数ヶ月、よくメタリカを聴いています。3rd「メタルマスター」と5th「ブラックアルバム」を交互にほとんどずーっと聴き流しています。「メタルマスター」の方は以前から好きで良く聞いていたのですが、「ブラックアルバム」の方は、ほぼ同時期に買ったものの長い間CDラックにしまい込んだままでした。

 昨年の正月にNHKのBSでBBCが制作したロックの歴史をドキュメンタリーにした番組があったのですが、昨年末に再放送されていて、その中で取り上げられていたメタリカの「Enter sandman」を見て、久しぶりに聴いてみようという気持ちになったのでした。


 「ブラックアルバム」が世界中で2000万枚以上も売り上げているらしいのですが、何となく分かる気もします。それ以前のアルバム通してスラッシュメタルならではのあの切り裂き状態は、個人的には大大大好きなのですが、万人全てに受けられるとはいえないものだったかもしれないし、どことなく冷たい刃のように冷徹な雰囲気だったかもしれません。(個人的にはそれも大好きで、独特の構築美や様式美が感じられるものだったと思います。) 代わって「ブラックアルバム」では叙情的なバラードがあったりと、これまでのメタリカの音楽とは対照的なテンポもゆっくりで静かめな曲も多く入っています。もちろんスラッシュらしいテンポが速くリフを絶えず刻んでいる曲もありました。

 結局のところ、どちらのアルバムにも異なった魅力があり大好きですし、メタリカの音楽であることには違いはないと思います。


 
 あんな風に切り刻めたら心地よいだろうなあ…。それにあんあに印象的なギターリフが湯水の如く作れてしまうことも羨ましい…。一朝一夕で体得出来るものではないだろうから、練習練習、練習…だよなあ。ハ〜('・c_・` )


 同じギターを弾く人間として非常に感嘆するのが、さきほど挙げた楽曲の構築のクオリティの高さもありますが、ギターのサウンドやリフ/バッキングにおいてのリズムの切れの良さです。これについては今更の話ではなくてずっと前から評価されているっことですが、しかしながら本当にその良さに驚いてしまいます。

 あのテンポの速さでずっとダウンピッキングをひたすらキープするのは大変ですし、しかもライヴでは同じように切り裂き状態の曲を2時間近くぶっ通すのですから、驚きのほかありません。しかも非常にリズムが正確でアルバムではピタリと左右に同じパートを弾いています(ダブリング)。これも凄いです。テンポが遅くて音数も少なければ多少ずれてもコーラスが掛かった様な感じになりそれはそれで味というものかもしれませんが、テンポが速く音数も多いスラッシュメタルでは、リズムがタイトでなければぐっちゃぐちゃになってしまい何を弾いているのか分からなくなってしまいます。

 加えて、「メタルマスター」のような初期のメタリカのギターサウンドは、ドンシャリではありますが意外にもあまり歪ませていないように感じられます。その辺りがすっきりしたタイトなリズムを生む要因にもなっているようにも思われますが、その反面あまり歪ませない状態で弾くのは深く歪ませたときよりも難しいものです。きちんと弾かなければ弾いた音とのばらつきも出ます。さらにこの辺りの歪みになればそれ以上のハイゲインにしなくとも、ちょっとしたことで倍音が出てしまいますし余計な音を出さないように弾く必要もあります。

 そう考えると、よくギター雑誌などではギターのバッキングよりもリードソロの方に興味が注がれますが、ことにスラッシュメタルにおいては、ギターのバッキングも超絶技巧なソロ同等の難しさや価値があるように思えます。

† | TOPへ▲

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.seventh-heaven.jp/diary/mt-tb.cgi/851

癲 狂 院 [+] -Cruel Insane Asylum- Copyright© Yusuke Kobayashi S E V E N T H † H E A V E N メール
TopUp HiUpDownDown HiBottom