Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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SX PEG3/BK

 ついこないだギターを買ったばかりなのに、また買ってしまいました。

 買ったのはSXというメーカーの「 PEG3/BK」です。
 SXというメーカーはスペインにある会社らしいのですが製造は中国らしく、買ったギターにもMade in Chinaのシールが貼られていました。SXのサイトを見てみると、思いのほかたくさんの機種が発売されているようなのですが、日本には初心者向けのギターセットのものぐらいで、ほとんど入ってきていません。なので日本ではマイナーなギターブランドだと思います。

 ただ、フェンダーやギブソンのスタイルを踏襲しながらも決してコピーに留まらないオリジナリティとコストパフォーマンスに優れたクオリティから、密かに人気があるようです。


 購入した「PEG3/BK」、ぐぐれば画像が見つかりますが、知ってる人が見ればギブソンが数年前に発売した「ヴードゥー」シリーズのSGっぽいのが分かると思います。ヘッドロゴやポジションマークの赤とボディの黒の組み合わせのトーン、ギブソンと同じくボディはアッシュ(厳密に言えばギブソンのはスワンプアッシュですが)、木目や木の質感をそのままに残した塗装........、この辺りがいかに「狙っている」かがよくわかります。ギブソンはヴードゥーというシリーズだけに、12フレットのポジションにウイッチドクター(呪術医)のようなスカルがあしらわれていましたが、SXのはパイレーツ....つまり海賊ですね。パイレーツシリーズというラインナップで、SGの他にレスポールとストラトタイプ、ベースではプレベタイプが発売されているようです。

 それを表すかのように、ヘッド裏には、海賊ドクロのイラストがあり、ギターのおまけにそのドクロがプリントされたバンダナがついていました。w ボリューム/トーンノブにはアバロン貝がトップに埋め込まれていて、全身真っ黒にきらめくアバロン貝のノブが良いアクセントになっています。ヘッド表にも「PIRATE」と血というかペンキの滴る感じで書かれています。なんとなく海賊船、宝箱の木材をイメージしたかのような雰囲気が感じられます。


 そんな風貌の海賊ギター、「おまえ年いくつですか、バカですか」なんて突っ込まれそうな、厨房向けギターな気もしなくもないのですが、全体的にヘヴィながらも落ち着いた雰囲気で悪くありません。
 以前からネットで見つけてたまにチェックしていたのですが、セール品になり値下げされたので買うことにしました。定価36000円が10000円で買えるのも充分「買い」ですが、そもそもこの価格帯で安物のSGタイプのものは買えないし、このオリジナリティを持つギターは価格云々を抜きにしても手に入らないことから、見た目さえ気に入れば、本当に買いなのでした。


 ここで購入したネットショップについて書きますが、まだネットショップを始めたばかりらしいのと、楽器に精通していない人間が経営に携わっている雰囲気がサイト内の商品説明文などから感じられました。会社を調べてみるとITのベンチャー企業が始めたショップみたいです。そのことと、支払い方法に代金引換が選べなかったことが、品物が届くまで不安でした。メールの対応もそっけないというよりは「ありがとうございます」の一文が見当たらない文章で、少し気になりました。

 品物に貼られていた伝票を見ると、送り主がその店ではなく「キクタニ・ミュージック」でした。このキクタニというのはSXの輸入代理をやっている会社です。メーカー直送でした。


 肝心の作りとサウンドですが、まず作りはいわゆる安物ギターのレベルではありません。ペグ、ナット、フレット、ブリッジなどのパーツの精度は良く、ネックジョイントに隙間もありません。ボリュームノブに多少ガリがある程度で特にケチを付ける様な箇所は見当たりませんでした。あ、指板がローズウッドなのですが、プラスチックみたいに妙にテカっていて非常に滑らかでした。そのせいかフィンガリングがやり易いです。チューニングも良く、ボルトオンながらサスティンも意外にあり、ボディ材がアッシュなせいかブライトなサウンドでした。粘る感じよりもローとハイが出るみたいで、見た目とともにヘヴィロックのジャンルには合いそうな気がしました。

 
 ギブソン系ではレギュラーチューニングにしたレスポールやフライングVを持っているので、このSGはダウンチューニングにしようかなと思っています。半音下げはアイバニーズのRGにしてあるので、1音下げがいいかな、なんて考えています。ギブソン系はミディアムスケールなので、レギュラーチューニングで.010-.046のゲージを張ったときのテンションを保つには、半音下げで.011-.048辺り、1音下げだと.012-.052辺りになりますね。.012-.052辺りになるとジャズ向け仕様になる弦が多く、3弦がワウンド弦になっているものが多いです。それでもいいのかもしれませんが、やっぱり1〜3弦はプレーン弦、4〜6弦はワウンド弦というのが好きなので、その内容で探すと、ダダリオのヘヴィゲージが相当します。ゲージは.012-.054、ダウンチューニングには持ってこいです。サウンドハウスで500円なので、これにしてみようと思います。SXのギターは出荷時にダダリオの弦を張っているみたいですし、このトーンはなかなか気に入っているのでとりあえずダダリオでいってみます。

 ついでなので、安物コピーのわりに中音域がよく出るプレテクのフライングVには割とフラットなトーンのダダリオを張っているので、ブライトさが際立つアーニーの.010-.052のものに張り替えようかと思っています。実際張ってみないと分かりませんが、アーニーのスリンキー.010-.052をレギュラーチューニングで張れば、今のダダリオの.010-.046の状態よりは、トップとエンドが伸びるのではないかと期待しています。

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