Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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萌えの古典

 最近ウィキペディアで谷崎潤一郎の「春琴抄」の項目を見たら..............、
「また作中で春琴は、美しく、非常に気高い女性として描かれており、常に佐助に対して高圧的に臨んでいる。しかし顔面の負傷後は佐助に対して自らの容姿を恥じるなど弱い面も見せており、その様子は所謂「ツンデレ」の原型とも言える。---------(ウィキペディア「春琴抄」より」

 やっぱりツンデレなのか。以前、ブログで悪夢の様なツンデレ....なんて春琴を表現しましたが、なかなか分析は当たっていたようです。ちょっと嬉しいかも。

 でも..........春琴がツンデレというなら..........個人的には樋口一葉の「たけくらべ」に登場する「美登利」もツンデレな気がします。むしろこっちのほうがより分かり易いツンデレのスタイルな気がします。あらすじはウィキペディア「たけくらべ」を参照してもらうことにして、人前では強い口調で罵倒するのに、気にかかる僧侶の息子である信如には、ばったり道で出くわした際に声がかけられずもじもじしているし.........デレのデレデレ感はあんまりないかもしれませんが。

 あぁーー、ツンデレ要素以外だったら、春琴、美登利に続いて、夢野久作「ドグラ・マグラ」に登場する、「呉モヨ子」も萌えるかも。モヨ子は......天然系.....じゃなかった、ピュアな電波系でしたね。w 話の中じゃあ精神病院の鉄格子部屋にいるし。夢野久作には元祖「妹萌え」の要素を含んだ作品が多いとか密かに(w囁かれますが(「瓶詰地獄」とか)、それなら泉鏡花はなんとなく「姉萌え」要素を含んでいるのがちらほらあるような気がしないでもないです(「竜潭譚」)。


 文学以外だったら.........マンガで言えば、3×3EYESの三只眼(さんじやん)、スクランの沢近.........、あ!そうだ、文学でもキム・ニューマン「ドラキュラ紀元」に登場するヴァンパイアジェンヌ「ジュヌヴエーヴ」もツンデレだし、三只眼は萌える。設定が三只眼と似てるところがあって、見た目は16、7歳にしか見えないのに実際は400歳を超えていて、あのドラキュラ伯爵よりも年上だとかいう設定..........。格好もたぶんゴスの格好に違いない。w (というか脳内補完するぞ)


 話を戻して............、やっぱり谷崎潤一郎は凄いです。ツンデレにフェチにマゾにスカトロに女装と..........なんか今でも充分通用する要素をモリモリ盛り込んだし、時代を先取りした感覚を持ち合わせていたのにも驚きます。..........もしもの話で、今のアキバに谷崎を連れて行ったらどうなるんんだろう。「陰影礼賛」から察するに、たぶん幻滅する確率が高いと思うけど、ひょっとすると.............。メイドコス萌えームッハー(;゚∀゚)=3とかなってるかも????? いや....むしろ川端康成のほうかも?w

 
 
 *ちなみに、古典.......ここでは萌えの歴史が浅いので敢えて古典と呼びましたが、いわゆる維新後からの近代日本文学のことです。


 (2007/1)
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 久しぶりにウィキペディアの項目を見たら、だいぶ加筆修正されていて、ツンデレの表記がなくなっていました。.....と日記の修正をしようと書いていたら結構な量になってしまったので、分けて載せることにします。

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