Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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刺青

 東京へ来るたび思うのですが、地方と比べて刺青をしている人が多いです。そんな話は耳にはしていたけれど目の当たりにするといろいろ思わされます。

 刺青自体は嫌いではないことは、過去に何度も話に触れていることですし谷崎潤一郎の「刺青」はお気に入りの1つだと書いている事から分かると思います。最初にお断りしておきますが、入れた本人の心境などは分かるはずも無いから勝手な推測に基づいた感想のほかならないわけで、甚だ的外れになり至極主観的になってしまうのは仕方ありませんが、敢えて書かせていただきます。


  ...........実を言うと最近の刺青を入れる流行りみたいなのが好きではありません。特に女性の、白肌に刺青が入っている事にかなり萎えてしまいます。この後に書くこと諸々そうなのですが全ては似合うか似合わないかの話であって、単にそう思わされる刺青を見ていないだけなのかもしれません。それでも、透き通る様な白肌にちょこんと入っているのは、残念に思います。似合うか似合わないか....衣服ならば着せ替えは出来ようが刺青ではそうはいきません。そんな白肌に1つの刺青は玉に傷のように思えてしまいます。ああいうのはむしろある程度の面積で入れた方が却って見栄えするのではないかと思えるのです。もしくはやはり入れて欲しくない。折角の白肌が勿体無い。清純そうでカワイイ顔をしているのに実は刺青入っています.......なんていうのも萎える.....。。・゚・(ノД`)・゚・。  それはあんまりです。だからといってカワイクなければ入れててもいいってわけでもありませんが。 なんかそういうのを知るとみんな服剥がしたら入ってるんじゃないかなんて思ってしまう...........。(´・ω・`)

 入れる絵柄もまた残念に思うものが多いです。..........重ね重ね断りをしておきますが、入れているすべて人の服を剥がしたわけではあるわけではないから極々一部だけしか見た事はないので今まで見た限りのことでしか言えません。また女性の話で申し訳ないですが、よく使われるモチーフの蝶だのバラだのはあまり好きではありません。それでもこれも先述のようにワンポイントではなくある程度の肌を覆うような......例えばウイリアム・モリスのようなパターンなどにすれば蝶もバラも活きて来るように思えます。それこそ胡蝶の夢のようです。背中に蜘蛛や蛇や竜を背負うのももちろん悪くはないですが.............、前々から思っているのですが、孔雀や白鳥なんかが案外似合う様な気がするのです。孔雀の目映い緑青色は刺青の色に近いですし、大胆に孔雀の羽を重ねていれたら見事なように思えます。白鳥ならレダのようにゼウスに首をもだけて俯き加減に佇むかのような表情などは、ややもすると魔性のイメージを彷彿とさせる刺青の性質を慈悲深いものへ変えてしまうようにさえ感じます。そりゃあ背中で2匹の蛇が絡み合い対峙しあう様なものもやはり良いだろうし、項から片肌をかすめていくように反対側の脇腹を通り太腿へ抜けていくような様も良いように思えますが。


 冒頭の、流行りで入れるのが嫌いというのは、その言葉通りなのですが、大抵の場合入れて欲しくないのです。もちろん諸事情を承知している人もいるとは思います。流行りとはそういうもの歴史の流れなのだと言われてしまえばそうなのかもしれないですが、例えば、何度転生しても入れたいとか、未来永劫これはアイデンティティそのものなのだとか、そういう観念性のある理由ゆえに入れて欲しいと思うのです。現実問題として体型を維持しなくては絵柄が変わってしまうだろうし、肌も老いてゆく。一生背負う覚悟というか観念がないといけないように思ってしまいます。
...........そういえば少し前に秋葉原でだったか、大学生の兄とその妹がぐるになって刺青を入れた肌を見せて恐喝して逮捕された事件がありましたが、ああいうのを訊くとますますイメージが悪くなるし入れている人達には迷惑な話でしょう。そういう人間には刺青は本来の意味において相応しくないし、むしろ烙印のほうがよっぽどお似合いなわけで、出所前にぜひ全身に入れてもらいたいものです。


 ああ、あともう1つ言いたい事が。直接関係ない話ですが、そんな流行りというか抵抗の無さから、イラストなどで描かれるキャラにやたら刺青が描かれているのが最近多いですが、あれもまた鬱です。絵だから簡単にペインティング同様に描けるからってそれはあまりに安易で嫌です。小説なども同様です。「刺青」だの「舌ピアス」だの安易すぎます。......指している作品がばれてしまいそうですが、冒頭の谷崎の「刺青」とは意味合いがかけ離れてしまっていて、まるでそういう言葉を使うこと自体が半ば目的であるかのような、そんな安易さを感じずにはいられません。


 
 そんな箏をいろいろ書いていると余談も増えてしまいます。ばりばり入れているオジーのネタなのですが、オジーの愛娘が刺青を入れたいとオジーに言ったら「そんなもん入れるんじゃない!」と猛反対したそうです。でも、「お父さんに言われたくないわ!」と一蹴されたそうで、ちょっと面白かった。結局入れちゃったそうですが。オジー....ショックだったろうなあ。そんなオジーの片腕となるギタリストには意外に入っていない人が多い。ザックなんかは風貌からして全身に入れそうなイメージですが、確か1つも入れていませんよね。酒を樽ごと飲んでしまうのではないかと思える程の大酒豪ですがタバコも一切やらないとかいうし。超意外。ザックのお友達はみな超極彩模様になってますが。w ランディもそうだしジェイクも入れてなかったはず。結構、ハードロックやメタルの人って入れてる率が高いのに....メタルの帝王オジーの右腕は真っ白ってことか。


 ...........とあれこれ言っておきながら、九回転生できるなら1回くらいなら........なんて言う自分だから到底縁はありません。


(2007/9)

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