Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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その後の1週間.......

 前回の書き込みから少し経ってしまいましたが、今まで少し考え事をしていて書く気になりませんでした。

 先週1週間は、出来事と読書の影響で個人的にあれこれ考えさせられていました。........ある同級生同士が結婚するという事、そしてある同級生の訃報........立て続けに連絡が届きました。こんなに人の運命の行方の違いを感じた事はありません。喜ぶべきか悲しむべきか、なんと「思えば」よいのか.......、なかなか気持ちの整理が付きませんでした。


 亡くなった同級生は、かつて友達だった人。疎遠になったからといっても自分の記憶の中の彼は友達だけど、直前の彼はどう思っているかは分からない。同じ町内に住んでいたけれど、小学校は違うし中学校は一緒になっても一度もクラスは同じにはならなかったし、その後高校も別だったし成人式で会ったのが最後。それもほんの少しだけ。

 一緒だったのは幼稚園の頃と、..........エレクトーンを習っていた事。
特にエレクトーンでは、他に男がいなかったし卒園した直後に習い始めたので、小学校こそ違えど毎週会っていたから友達そのものでした。

 偶然かな.....。少し前にドラクエの事を書いたけど、レッスン前の待ち時間に彼はいつもよくドラクエの話をしてくれました。IIが出た頃、自分は持っていなかったしまだドラクエの事をあまり知らなかったけど、彼が会う度に逐一プレイの進行を教えてくれて.........ここが面白いとかここが難しくて.....とか色々話してくれて、ドラクエってたのしそうだね、って思わされたものです。彼の方が先に辞めてしまったけれど、エレクトーンを長く続けられたのは、たぶん彼のおかげ。一緒に発表会に出たり、練習したり........やっぱりエレクトーンでの思い出は多いです。そんな仲だったから、自分がとあることで手術をして入院していた時に、唯一お見舞いに来てくれたのは彼だけだったし。1週間程度の入院だったから誰も来ないと思っていたのに......。

 友達といえども、ケンカはするだろうし嫌な思い出の1つくらいはあるものだろうけど、振り返るとそれが1つもなくて。本当にウマが合っていた感じ。尤も温厚で優しい彼の性格がそうさせてくれた気もする。


 例のエレクトーン用のドラクエのスコアを眺めながら、今頃どうしているかな....なんてふと思い出していた矢先の出来事でした。連絡をもらって、もちろん葬儀には参列しました。前にうちの祖母が亡くなった時もそうでしたが、あまりにも事の流れが速過ぎて、あっという間に過ぎ去ってしまうので、夢だったんじゃないかと思ってしまいます。それに......葬儀の最中、ずっと泣いていたし、あんまりよく憶えていません。不思議な事に、悲しいと自覚しなくても自然に泣いてしまっているんです。.........本当あっという間に終わってしまって、家にたどり着いて今の出来事は一体何だったのかって、ぼうっとしながら振り返るとやっぱりそれは現実の出来事なのだと自分自身に気付かせるのです。

 でも、なかなか今でも実感がなかったりします。遺影には、自分の記憶の面影は見当たらなかったし、遺体の前の焼香の際にもしくしく泣いていたから、顔を拝見することも出来なかったし........。


 全く.........運命の仕打ちは酷です。喜んであげるべき知らせにもうまく喋られなくて、運命をこんなに呪った事はないです。それに......友達が結婚することも羨ましいし悔しいのが本音だったりもします。みんな次々と結婚したりするのを訊いて、自分だけ置いていかれた様な気持ちになって、.........正直言うと辛いです。この先自分にも起こるとは到底思えないし.....。そんな風に悔しがったり辛い気持ちになっても、もっと辛い気持ちになっている人がいると思うと、人生とか運命とか一体何なのか分からなくなってしまいます。もし明日死んだら今までの人生はどうだったのかとか、一体どれくらいの人が悲しんでくれるのかとか、こんなことが起きるのだったらあのときもっと話せばよかったとか、ああしてあげればよかったとか、変わりたくない自分や変わりたいと思うもう一人の自分も、亡くなった彼や結婚するふたり、それぞれの人生を計り比べたりしても、考えれば考える程辛くなってしまうし、だからといってかつて友達だった人を、悲しむ事を忘れたとしたら果してそれでよいのかとか、それでも、いくら悲しんだところで元には戻ることはないのだし、もっと自分自身が頑張らなくてはいけないから、やっぱりもうやめようとか、それの繰り返しがしばらく続いています。友人代表として弔辞を述べた人がいたけど知っている人じゃなかったし、自分が勝手に友達だったとか思い込んでいるだけなのかも、とか..........もう些細な事であれこれ考えてしまうのです。


 彼は.......こんな人の事を憶えているかな。自分の記憶の中での彼はきっと憶えているだろうけど、現在の、こんなに勝手に人の人生を疑ったりする人の事は憶えていないかもしれない。でもそれは確かめられないし分からない。誰かが考えるのを止めさせた時に思っていた事で覚めるかもしれないけどそれが真実かどうかはわからない。考えれば考える程、分からない。
 確かな事は、彼が亡くなって、悲しんだ自分がいるということだけ...........。

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