Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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ソドムとゴモラ

.........神に滅ぼされた町.....ソドムとゴモラ。
神話や悪魔が好きな人ならばおそらくご存知の話ですね。

淫蕩にまみれ堕落しきっていたこの2つの町は、神の怒りを買い、炎と硫黄の雨によって滅ぼされました。神が滅ぼした.....ということになっていますが、厳密に言えば違う気がします。

 ルシフェルと同じく美貌の持ち主であり知略に長けた堕天使ベリアル。彼が人類の滅亡を望むべく、その頃栄えていたソドムとゴモラの人々を惑わせ、堕落させる事によって神の怒りを買わせようと企んだと言われています。結果、その策略は成功し滅ぶわけです。
 ..........ベリアルはもともと力天使、あるいはシドン(古代フェニキアの都市、=サイダ)人が崇拝した魔神で、外見は優しさと威厳に満ちた文句無しの容姿(「失楽園」では、天から生まれた者で、彼以上に端麗な天使は他にはいなかった.....と言われる程)なのですが、悪に魅入られ堕落しきった精神の持ち主で、まさしく堕天使のイメージ通りの悪魔です。コラン・ド・プランシーの「地獄の辞典」には、火の車に乗って人々の前に現れ、話し振りは温和で、人に地位や寵愛をもたらし、友情を長続きさせ、有能な召使いを世話してやる。自分に服従する者の危機は必ず救ってやる...........と書かれています。また、話術が巧みで、どんなに低俗な話でも人々を納得させてしまう話術で、論破出来る者もいなかったそうです。悪徳に対しては情熱を注ぎ、他の悪魔より率先して次々と策を投じる..........。ちなみにソドム以外にも、ユダ王国15代目マナセ王に憑依し、国を堕落させています。


 話を戻して.........神話や聖書の話ではそのような経緯で滅んだとされていますが、............まあ、もちろんそんなはずがあるわけではなく、実は大地震による地滑りや洪水によって死海に水没したという説があって、それを検証しようという内容の番組が最近ありました。 運良く放送前に知る事が出来たので見られて良かったです。

http://www.bs-asahi.co.jp/bbc/bbc_54.html

番組内容は書かれている通りで、神話などの話題は一切無し。(当たり前か) その辺りも少し期待していたので、ちょっと残念ではありましたが、聖書に書かれた話は実際に起きた出来事を元にしている...、という事が裏付けられた内容は興味深かったです。

 ちなみに.........ソドムとゴモラの淫蕩の具体的な内容..........確かに言葉で表記するのはちょっと憚れるよね....番組でも「モラルを逸脱する行為」としか触れていないし。まあ.......男×男、人間×獣、ということです。

 もう一つモラルを逸脱した行為......といえば、有名なロトの話。..............このネタは以前にも書いてあったと思うので重複してしまいますが、ロトは叔父のアブラハムと別れた後、悪人が多いが肥沃な土地だからとソドムへ住むのですが、その後、神がソドムを滅ぼす時に、善人だと判断して唯一ロトの家族だけは生き延び脱出できました。ただしその際、ロトの妻は滅ぶソドムの町を振り返ってしまい、塩の柱になってしまいます。なぜ善人だと神が判断したのか理解に苦しみますが、その後、残ったロトとふたりの娘が、近親相姦の関係になり、姉との子はモアブ人、妹との子はアンモン人の先祖となります。 この話は聖書にあるものなので、これを題材にした絵もいろいろな画家が描いています。東京の西洋美術館の常設展に大きな絵がありますね。.....ただしソドムから逃げる場面ですけど。
近年までルーベンスの作品とされていたそうですが、ヤーコブ・ヨルダーンスの作と言われています。
「ソドムを去るロトとその家族」
http://www.uni-leipzig.de/ru/bilder/erzvaet/rubenst1.htm

 ..........そういう場面じゃないのが見たいっていうんなら.........これとか。
アルトドルファー「ロトと二人の娘」
http://www.artchive.com/artchive/A/altdorfer/lot.jpg.html

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