Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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CD

 書かずにいましたが、本とともにCDもいくつか買いました。

ニルヴァーナ/「ニルヴァーナ・ベスト」
TNT/「Till Next Time Best of TNT」
書上奈朋子「psalm 詩編」


 ニルヴァーナは、以前に書きましたが、90年代、グランジブームを巻き起こしたバンドです。カート・コバーンの自殺によりバンドは解散してしまいましたが、今でも人気は衰えていません。これはベスト盤なのですが、カートの死後、バンドメンバーと、カートの妻のコートニーの確執により、激しい権利争いなどが起き、出ると言われながらもなかなか出なかったベスト盤......のようです。(ハードロックやメタル(HR/HM)方面の情報は結構知っているのですが、グランジ辺りはどうも疎くてあまり知りません。)

 以前から聴きたかったニルヴァーナ。とにかく#5の「Smells Like Teen Spirit」で脳天ぶち抜き、って感じです。ニルヴァーナの代表曲として一番有名な曲ですが、とにかく素晴らしいです。他の曲も同様に、同じ雰囲気.....どこか憂いのある感じ......明るくても空元気ではない.......心の中に溜まり込んだ情熱を爆発させる様な、静と動のコントラストの効いたアレンジ.........。

 よく....HR/HM方面には、ニルヴァーナ/グランジを極端に嫌う人がいたりします。ろくに演奏も出来ない、チューニングも狂っている......などと批判していますが、どう考えてもそういう風には思えないのですが.......。確かにHR/HMの構築されたリフやテクニックの要る速いギターソロなどはないかもしれませんが、だからといってギタープレイがなおざりになっているわけではないのに....。メロディだってフックの効いた素晴らしいものだし、コード進行も今までにはあまりなかった斬新な進行になっている曲も多いです。

 そういえば、カートは、左利きで左用のフェンダーのジャガー(ムスタングだったっけ)を使っていましたよね。あれってショートスケールなんですよね....。ショートスケールとは思えないパワフルなギターサウンドでびっくりです。体格も小柄だったんですよね....。

 自殺.......あんまりだな...と思います。子供の頃から辛い思いをしてきたのに.....。あんなに飛ぶ様に売れたのに、端から見れば何の不自由もなさそうに思えるのですが.......。残念です。


 TNTは、80年代に売れた、北欧ハードロックのバンドです。これもベスト盤なのですが、当たり前と言えばそうなのですがどの曲もクオリティが良いです。.....よく北欧HR/HMは、透明感、清涼感のある、メロディックなスタイルだと言われますが、まさしくこのTNTには当てはまっています。iTunesに表示されるジャンルはヘヴィメタルになっているのですが、それはちょっと違う気が.......。確かにメタルっぽいのもあることはあるのですが、全編通してのジャンルとしては、ハードポップに近いHR/HMなのではないかと思います。バラードなどは普通のポップなもので静かなものですし、ギターのバッキングもメタル御用達のズクズク弾きでもないし。w  透明感のあるシンセサウンドも多く入っていますし。 とにかくメロディ、曲の良さでしょう!

 個人的には、#6「Take Me Down (Fallen Angel)」、#2「Intuition」、#17「Electric Dancer」辺りがかなり好きです。#6はタイトルからしてダークなポップなものかなと思っていたのですが、いざ聴いてみたら、明るいポップな曲調でした。しかも歌詞が.......甘過ぎる.......。こういうの....ダメなんです、個人的に。他の歌詞も.........って感じですが、それは置いといて、曲は気に入りました。#17は、当時来日記念盤に特別に収録されたボーナストラックの曲のようなのですが、これは3連係のノリのあるハードな感じで、大好きです。3連係のテンポの速いのって良いですよね。

 とにかく、リンク先のレビューにもありますが、HR/HMに先入観を持たれている方にはぜひお勧め! 多分、思っていたのと雰囲気が違う....って思われると思います。ライヴ収録のも2曲入っていますが、歓声から判断するに女性ファンがかなり多そうだった感じ。........分かる気がします。

 そうそう、もうひとつ気に入ったのはCDのジャケットの絵です。両脇の天使(女神?)がバンドのロゴを抱えている絵なのですが、ブックレット裏面には、天使の顔が拡大されているのですが、その表情が素敵で.....萌えたね。w 


 そして、書上さん。ソロ2ndです。......もちろんずっと前から発売されたのは知っていましたし、買うつもりでいました。ようやく手にする事が出来ました。.....本当に、待ちわびていましたもの。

 2ndということで、どんな感じになるのかと思っていましたが、やはり基本的には前作同様の「書上サウンド」。これだけは不変であってほしいと心から思っています。だって他にはありませんから。......もうなんと言って良いやら。鳥肌が立ってしまうんです。顔面が痲痺してしまう様な.....ぞくぞくする感じが.........もう......堪らないです。 前作と比べると、リズムトラックが前面に出る感じよりも、ストリングスとコーラスの巨大な音像でリスナーを包み込む方に比重が置かれている感じです。前作にもありましたが、コーラスにオリジナリティがとても感じられて、唸ってしまいます。......どこか呪術を唱える様な、或いは、ハードな感じだと、誤解を恐れずに言えば、お経の様な感じ。これと、素晴らしいストリングス、巨大な空間を思わせるリバーブのエフェクトにより.......私的に思い描く景色は、薄暗い、ろうそくの明かりがうっすらと灯された大聖堂の様な感じです。

 その上、書上さんのキャラクターを思うと、..........どう考えてもモローの描くサロメにしか思えなくて。「ヘロデ王の前で躍るサロメ」の絵がぴったりだと、密かに思っているのですが.........。いや、絶対似てる!! いつかサロメのコスプレしたジャケにしてほしいな......。そういう意味では、今回のジャケットは、個人的にはちょっと、ね。 音像から見えてくるのはどう考えても大聖堂だし.....ああいう野外っていうのは合っていない.....気がしてしまいます。もちろん良いジャケだと思います。以前よりも綺麗になった様な気がするし。.....やばいね。本気で綺麗なんだもの。

 それと今回は、日本語の歌詞の曲もいくつかありますが、これが良い! 昔、ラブサイケデリコを聴いた時、上手く日本語を流れる様に歌っているなあと感心しましたが、書上さんのは...比べる訳ではありませんが、それよりも素晴らしい!  やっぱり書上さんの歌は最高! こんなに深みがあって、多彩な表現もされるし、...........曲も素晴らしいのに.......どうしてもっと取り上げられないのでしょう? 絶対、耳にしたら買いたくなる人はたくさんいるはずだと思うのですが。......それが実に残念です。

 今回収録曲の中で一押しなのは、やはり、#4「愛されない恋人」。収録曲中、最もキャッチーな曲だと思います。シングルカットするなら間違いなくこれ! 他の曲も、前作と比べると、若干、キャッチーなメロディになっている様に感じましたし、コード進行も、どこかそんな気配を感じました。#3「Film de l'Amor」のような、アコースティックギターの入った、どこかフォルクローレ的な雰囲気のある曲調も今回は目立ちました。秋、冬......そんな季節感が確かに感じられます。#8「Esperanto」は、冒頭部分を聴いて、思わずファミコンを思い出してしまいました。サイン波の音色、リズムが、まさにファミコンの音源そっくり。w でもその後の、サイン波のシーケンスフレーズが、印象的で、やっぱり書上さんだ....って思わされるのでした。#9「Hora de verdad」.......収録曲中、最もアグレッシヴなサウンド。やっぱりこれ! 押し殺す様なボーカルに、メランコリックなギター、哀愁を帯びたストリングス、エッジの効いたリズム.......この組み合わせが良いです。

 あ、また長く書いてしまった........。
どれも当たり過ぎて最高! お気に入り!!

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