Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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生谷崎!!!

NHKアーカイブス NHK映像ファイル あの人に会いたい:谷崎潤一郎


 あ〜〜〜〜、録っておけて良かった!!!
昨日の夕方、何気なく2chの谷崎潤一郎のスレをチェックしたら番組の情報が書き込まれていました。あわてて番組表をチェック。たった10分間ですが谷崎のコメントと映像が拝めることが何より貴重で、録っておきました。

 映像に映っている谷崎は晩年の頃で、新潮文庫に載っている写真のと比べるとそれよりも後年らしく、ちょっと受ける印象が違いましたが、谷崎のコメントを聞いていて、やっぱり「谷崎らしい」なと感じました。機嫌が良いのかそれとも元々そういう性格なのか、ずいぶん朗らかで笑みを絶やさない受け答えでした。「陰影礼賛」なんかを読んでみると、年を取ってからは来客嫌いらしかったので、もっと口数が少なくて重みのあるような感じなのではと勝手に想像していましたが実際は違いました。番組内でも大きく映りましたが、すこし見下ろした目線で見据える様な...あの写真!......いかにも文豪っぽい表情とは違っていました。

 10分という短い間の中で、さらっと谷崎の人生と著作品名を紹介し、リンク先の説明文にもある通り、女性のおしゃれに関する興味や、老人の性欲について話していました。若い頃のイケメンな谷崎の写真、後に結婚することとなる松子夫人へ宛てた恋文、松子夫人による、谷崎が戦時中、細雪の原稿を持って防空壕へ他の人に遅れて一番最後に入った旨を話した映像もありました。


 谷崎潤一郎の人生を調べると、なんとなく.....ピカソやルーベンスといった画家との共通点を見出します。特にピカソとの共通点。ともに何度も結婚していますしその度に作風が変わっています。そして長生きをした。ルーベンスは妻を亡くした後すぐに(そのとき53歳)別の女性を結婚したのですが、まあすごいのがその女性の年齢。わずか16歳。今だったら半ば犯罪ものです。w その時のコメントもすごい。「まだまだ厳格な禁欲生活を通すつもりはないので....」とのこと。ルーベンスは画家の側ら外交官なども務め多才で、多数の弟子を持ち大規模なアトリエを構え裕福な暮らしが出来たと言います。画家には貧乏が付きものなのですが彼にはとうてい無縁でした。谷崎もたくさんの女中を抱え贅沢な暮らしをしていたと言います。そして常に妻の存在があった。

 やはり欲は必要なのだと思います。挙げた人達はみな死ぬまで創作しつづけました。谷崎の場合、書痙で文字が書けなくなっても口述で代筆させて作品を発表しつづけました。枯れる事の無いエネルギーがどこから漲るのか。そのひとつに今回の番組での谷崎の至言「いつも女性には興味を持っている」に表れている気もします。

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