Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
« なんとなくうれしい#2 | メイン | 恐怖の群馬県 »
耳コピ中

 第七天のリニューアルも行いたいところですが、今はラストバイブル3の曲の耳コピ中です。 実はゲーム自体は未プレイです。でも曲だけは知っています。理由はちょっと割愛しますが。

 ラストバイブルは3で完結している上に、曲が素晴らしいというのを耳にしていたので是非とも聴いてみたいと思っていましたが、ハード(3のみSFC。他はゲームボーイ等携帯ゲーム機)を持っていないので聴く事が出来ませんでした。もちろん中古でハード/ソフト共に安値で購入できるでしょうが、なかなか踏み切れず.....。 でも運命なのか聴く事が出来たので、まあラストバイブル1/2の曲のMIDIデータをアップしているのだし、聴く事もできたのだから....MIDIデータにしようかなと思って現在、耳コピ中です。 曲数が半端じゃなく多いので、全部は無理ですので、気に入った曲のみをMIDIデータにするつもりです。.....大体15曲くらいは作りたいと思っています。

 現在5曲程耳コピしてMIDIデータにしました。SFCは、ゲームボーイの3音+1ノイズのような環境とは異なり、8音でサンプリング音源のPCM音源で出力はステレオになっているようです。なので、耳コピしていく量が必然的に増え、曲によっては音が入り交じる部分もあるため非常に耳コピしづらいので大変です。耳コピ....つまり聴いてどんな音が鳴っているのかを聴き取ってデータにしていくのですが、実は耳コピがあまり得意ではないかもしれません。以前よりはまともになってきましたが、今でもベース音などの低音域の音やぴったり重なった和音を耳コピするのが苦手です。.....それでもまあラストバイブル1の戦闘曲などの音がぎっしり詰まった曲も耳コピできたのだから、不得意ってわけでもないのかもしれませんが。 

 それはともかく、ラストバイブル3の音楽は非常にクオリティが良いのです。ネットでも当時の他のSFCのゲームサウンドよりも飛び抜けて良い....なんていうのも目にしましたし、耳コピしていく中でそれが眉唾でない事も確認出来ました。 推測ですが、かなりサンプリングした音を使っている感じです。ソフトに収められる容量には限りがありますし今とは比べ物にならない程容量は少ないはず。にもかかわらず、多彩な音色で奏でられています。特に印象的だったのが、当時(1993年)の影響もあるのか、UKテクノ系に使われ流行りだしたアナログシンセ系の音色が目立ちました。その頃から日本でも流行りだしましたが、キック(バスドラ)の4つ打ち....ダンス系ではお馴染みのビートですが、そういうスタイルの曲もあったし、それ系では定番のローランドのリズムマシンTR909/808風のキックがかなり多かったです。また、同時再生発音数が8という限界を超えた作りになっているようにも思えます。 これも推測なのですが、8音以上の音が鳴っていると思う部分があったりするのです。 聞き取ったデータから判断すると、サンプリングする時点で既に2音以上の音を鳴らしているのだと思うのです。
 例えばオクターブ。オクターブを重ねてサンプリングしてもどのキーでも当然問題なく使えます。またオクターブで重ねない場合でも異なる音色を混ぜてサンプリングしているのもあると思うし、あり得るなとは思っていましたが、2音で4和音を表現している部分。 例えば、M7(メジャーセブン)や-7(マイナーセブン)などは、P1,M3(m3),P5,M7(m7)の堆積で和音を形成していますが、これを1+5と3+7に分けると、それぞれ同じ形のP1+P5(パワーコード)になります。P5でないdimやaug、-7(b5)などでは無理ですが、基本的なダイアトニックコードでなら使えるので、P1+P5の状態でサンプリングし、それを左右に振り、鳴らしている音は2音なのに、実際は4音分鳴っている.....という具合です。もっともこういう(音の振り方)手法は、普通の曲のアレンジ等でも一般的だし、濁り易い歪ませたギターでもギターではお馴染みのパワーコードなので、結構おいしいネタだと思います。(左右に同じトラック、もしくはわずかにディレイを掛けたトラックを左右に振り分けた状態のダブリングは迫力が出ますが、平面的にもなりがちなので、あえて違うノートを弾く事により立体的に出来る、という意味合いで。)

 まあ音数はともかく、そういうサウンドをGM音色で再現するのは無理があるので、その点はどうしようもありませんが、それでもかなり原曲に迫れていると思います。 もちろん曲の中にも、定位がすべてセンターに集まってしまっていて聞き取りづらい曲もあり、倍音成分の多い音等は単音でも複数の音が鳴っているようにも聴こえる場合があり、どうしてもダメなのも.....あります。聴いた音源にもしかしたら何かエフェクトが掛かっていたのかもしれませんが、1つ1つの音に広がりが出ていてそれぞれが溶け込んでしまっているのが多くて......これ聴き取れないよ....。まあ耳が腐っているから....かもね。w 


 もちろん言うまでもなく曲自体も素晴らしいので勉強になります。....もともとラストバイブルを耳コピしようと思った理由の1つにモードによる曲が多かったという事。ドリアン、ミクソリディアン、リディアン、フリジアンなど、ロクリアンを除いた全てのモードの曲があるんですから! しかもシンプルな2コード進行のモーダルコードパターンの曲が多かったので、本当勉強になりました。モードなんて言っても知らない方には説明するのが大変になってしまうのですが、要するにメジャー/マイナーキーから派生したものなのですがそれらとは異なる雰囲気をもつものです。
 もしかしたらゲームの曲にはけっこう使われているのかもしれませんが、歌もの(普通のJ-POPとか)ではあまりないと思います。楽器もの(インスト)では結構あると思いますが。 とにかくモードは、理論自体は把握していてもなかなか曲らしい曲にすることもなかった上にあまり魅力も感じなかったのですが、このラストバイブルで感化されました。耳コピしてデータにして終わりにしないできちんと譜面に書いてアナライズした程ですから。 今までモードっていうと、ハイセンスっていうかジャズとかインストのロックギタリストがやる様なもので、雰囲気もそういうものになるのだと思っていたのですが、音使いで変わるもの。 ラストバイブルでは、モードを上手く利用して、古風だけど古くさくなく、どこか牧歌的で民族音楽っぽい雰囲気を演出していると思います。その上、メロディが分かり易くポップなのが、本当に素晴らしい!


.........うぅ....長くなってしまいました。しかもマニアックな内容に.......。
とにかく今週は耳コピに励む事にします。来週辺りからアップを初めたいと思います。

† | TOPへ▲

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.seventh-heaven.jp/diary/mt-tb.cgi/373

癲 狂 院 [+] -Cruel Insane Asylum- Copyright© Yusuke Kobayashi S E V E N T H † H E A V E N メール
TopUp HiUpDownDown HiBottom